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物作りは日本を潰す

「ビル林の4賢+1」の会の続きである。先に公的年金の資産運用について書いた。今日は「物作り日本」を称えることがかえって日本を駄目にするとの議論である。「ビル林の4賢+1」でほぼ合意した。
何故なのか。物作りは日本が得意としてきたところであるから、その得意技を維持することのどこが悪いのか。もちろん、そのこと自身が悪いとは言わない。しかし、それにこだわることが、これまでの日本の低迷につながってきたし、それを長引かせる。趣旨は9/21に書いた「日本から世界企業が出ない理由」と同じである。
たとえれば、京都の伝統工芸(扇、尺八、和服、茶筅、和菓子など、多くの伝統品の制作)を大切にし、将来に伝えるようなものである。大阪で経営コンサルをしている知人の言葉が頭に残っている。それは「京都の案件はちまちましていて(魅力がない)」というものだ。ちまちましているから誰も参入してくることもなく、栄え、人気が出る。しかし、和菓子には多少の反論があるにしても、扇、尺八、和服、茶筅を万人が買おうとするだろうか。制作過程を見たり、それらが使われる場に居合わせる分には興味深いかもしれないが。要するに地域限定、趣味人限定である。
もう少し言えば、農林水産業、製造業、サービス業といった産業区分が古いのである。アップル、アマゾン、グーグルがどの産業区分に属するのか。また、都市の中で行う農業は従来の農業なのか、つまり建物の中で、もしくは大規模な機械を使う農業をどう分類すればいいのか。
会では、事例としてシャープの名前も出た。汎用品と化した、つまり単価がどんどん下がる液晶という物作りにこだわったことが苦境の原因ではないかと。言い換えれば、すべての製品やサービスは、最終的には(楽しむことを含め)人間に使われることに目的がある。その最終目的に至るまでの全プロセスの中で、最大の付加価値が生まれるのはどの部分か。この答えを発想豊かに考え、企業経営しないといけない。
実はこの議論、『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』で某筆者が論じている。期せずして同じ議論が「ビル林の4賢+1」の会でもあったわけだ。もちろん、途中で「同じ議論やな」と察知したので、そちらの方に議論を誘導したのは確かだが。

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