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『半沢直樹』に登場する「ブラックな上司・職場」 正しいやっつけ方は?

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毎週日曜、夜9時になるとドキドキしながらテレビの前に座る。

「倍返しだ」という堺雅人の言葉にスカッと胸がすく。そんな視聴者は私だけではあるまい。

もし自分だったら、どう行動するか。

自分の職場とドラマに出てくる職場を二重写しにして見ている人が多いだろう。

元銀行員らの同窓会

先日、大学時代の同窓会があった。法学部・経済学部への進学者が一緒のクラスだったので同級生には「銀行」に就職した人間がかなり多い。私のようにマスコミへというのはむしろ少数派だ。

同窓会では50代半ばを過ぎて、銀行本体で「頭取」に就任した元同級生もいて驚いた。他にも銀行から別会社に出向したり転籍したり、それぞれ移った先で社長や管理職をやっていたりと、「銀行マン」の人生も様々だ。

で、銀行マンが集まるとやっぱり話題は「半沢直樹」になった。

「あのドラマに出てくる東京中央銀行はうちの銀行をモデルにしているらしい。役員会を開く会議室なんて驚くほど似ている。でも、役員会議での頭取の座り位置が違うね。トップが座るのってあんな端のお誕生日席じゃなくて、真ん中だよね」

「出向ってさ、片道切符としてばかり描かれているけど、そんなこともない。実際には銀行から大手メーカーに出向して、実績上げて戻ってきて、銀行の役員に上った人も少なくない」

「裁量臨店(=本店による内部監査)のシーン、あれはよく調べていたな。雰囲気はあんな感じだよ」

「黒崎検査官の、大阪国税局から金融庁に異動なんて、実際はありえないよね」

まさに半沢直樹の舞台となった世界にいた彼らも興奮気味だ。

なぜこのドラマが受けているのかについては、様々な識者が様々な観点から書いている。

それぞれ、それなりに得心がいく評論だが、「働き方」「働かされ方」に言及した論評がほとんどないことには不満が残る。

というのも、私自身、「半沢直樹」の圧倒的な人気の秘密は、このドラマが映し出す「日本企業でのブラックな働かされ方」に真っ向から立ち向かう者への共感にあるのでは?と感じているからだ。

もちろん半沢直樹が勤める「東京中央銀行」は、ドラマ上の架空の銀行だ。

表現もかなり誇張されている。

それでも「自分の職場に置き換えて考えてドラマをみる」という人が多いだろう。

半沢が経験したような出来事はサラリーマンなら誰しもが少なからず経験しているはずだからだ。

ブラックな上司たち

半沢直樹の数々のシーンを見ると「いる、いる」と膝を打ってしまう上司がよく出てくる。

総称して「ブラックな上司」というほかない、部下から見れば許しがたい上司たちだ。

石丸幹二が演じた大阪西支店長の浅野匡が代表例だろう。

部下に無理難題を部下の半沢直樹に押し付けて、半沢の手柄は自分の手柄として出世に利用、失敗はすべて半沢に押し付ける。

私がいたテレビ業界でもそんな人たちがうごめいていた。

「部下の手柄はオレのもの」という上司

会社は嫉妬の渦巻く世界だ。部下であっても脚光を浴びれば妬む。

出世の手段として使えるとなれば、手柄を横取りする。

あるテレビ局の某ディレクターは、自分が中心になって企画・制作した番組が社会的に評価を受けてコンクールでも受賞し、番組が新聞記事に取り上げられた。「あれっ? 僕のところには取材に来なかったけど、ちゃんと書かれているかなあ・・・」。そのディレクターが一人で作ったも同然の番組なので他の人間が制作プロセスなどを新聞記者に説明できるとは思えない。案の定、記事を読んで仰天した! 

ディレクター自身の名前はいっさい出ていなかったばかりか、彼の上司によるコメントがかなり長く引用されていた。

上司は、番組にする際には「こんなのはつまらない」と反対していた人物だ。

しかし、新聞記事ではまるで上司が1人で全部作ったようにコメントしていた。

「私が○○さんに会った時には・・・」と、番組の中心人物についても話していた。

(会ったこともないはずなのに!)

ちなみにこんな虚栄心まみれの上司は、かつて私の周囲にもいた。

「失敗は全部部下のせい」という上司

これも珍しくない。

ある記者は取材先とちょっとしたトラブルが生じ、会社に抗議文が送られてきた。この取材は「慎重を期した方が良い」と判断して上司に報告して実施したものだったが、抗議文が来たことを受けて顧問弁護士や法務部長も交えて、対応策を検討する会議が開かれた。

席上、上司の発言に記者は耳を疑った。

「オレは聞いてなかった」

事前に細かく説明していたにもかかわらず、初めて聞くような態度で「どうなっていたんだ?」と責任追及に回る。

「なんで相談しなかったんだ?」

(えっ? 相談したでしょ? という言葉をぐっと飲み込む。)

守ってくれると思っていた上司が、手のひら返し。

はしごをはずす。

会社という組織には、恥を知らない人、というのが存在する。

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