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疑心暗鬼のアメリカ株式市場

金曜日の北米市場はFOMCの委員の一人の発言が市場を大きく撹乱しました。結果としてダウは180ポイントほど下げたのですが、今、市場は疑心暗鬼になっているといえそうです。アメリカの株式市場の背景をもう一度考えてみたいと思います。

まず発言そのものですが、セントルイス連銀のブラード総裁が緩和縮小見送りは際どい判断だったと述べ、10月にも小規模の緩和縮小はありうると発言したことが引き金でした。これは先のFOMCのミーティングの後のバーナンキ議長の記者会見では一人を除き総意だったという意見を大幅に修正するように聞こえるため、市場が疑心暗鬼になっていると考えられます。

ではぎりぎりの判断だとしてもバーナンキ議長が掲げた失業率改善やインフレの長期的安定感が来月のFOMC迄に達成できるとは考えられません。つまり、ブラード総裁の発言は一般的な可能性を述べたまでであり、FOMCで大きなポリシー変更が起こり得るとは思えません。事実、昨日までは北米の金融市場では金融緩和からの離脱は当面議題からなくなったというトーンが広がっており、この一週間で手のひらが3回変わってしまったのです。

市場が何を恐れているのかといえば、不安定感ではないかと思います。ボトムラインではいつかはやってくる金融緩和縮小開始。それが3か月後か、半年後か一年後か、タイミングの問題はともかく、いつかは起きるとなればそのあとどう展開するか読みあぐんでいる、と言えます。その上で、まるで時間稼ぎをする市場に対してやや信任が薄れてきているとしたらどうでしょう?

私はこれをオバマ政権、及びこれから迎え撃つ債務上限問題のバトルを市場が先読みし始め、アメリカへの不信とならなければよいと思っております。

アジアの時代を迎え、アメリカが世界の中心となり続ける材料不足となりつつあることは事実です。アメリカ企業は確かに世界で活躍しておりますが、政治レベルとなると低下が否めません。その背景には逆説的かもしれませんが、シェールガス革命がありました。シェールガスが北米、特にアメリカ国内でどんどん出ることからオバマ政権中には物理的に資源の自立可能なところまで到達すると見られています。それはとりもなおさず世界の警官たるアメリカの終焉ともいるのです。

アメリカが中東の利権や最近ではイラクへの間違った介入に力を入れていた根本理由は石油であります。石油が利権を動かし、政治を動かし続けてきました。これは何十年と変わっていませんでした。私が大学時代の講義ですらアメリカは「自国での潜在資源自給能力があるにもかかわらず、他国の資源を使い果たし、自国の資源の価値が高くなったらそれを売りつける政策をとっている」と指摘していました。それを鵜呑みするつもりはありませんが、半分は当たっているでしょう。

ところが今、アメリカで起きていることは他国の資源が枯渇する前に自国で資源が出てしまったことで利権はもういい、というように見えるのです。悪く言えば、世界のアメリカがそのトップの座から退任したがっているとも見えるのです。これは世界の交通整理役がいなくなるため将来に不安を残します。

市場のフラストレーションはここにあると思います。それに対して日本の株式市場は長期的な明るさが見えてきています。大手企業が繁忙期に入り、取りこぼしをほかの企業が取れる状況になってきていると考えています。私は今、東京で開発事業にかかる建設会社の入札準備をしていますが、明らかに半年前とは色合いが違うのです。いわゆる売り手市場です。消費もそうなってくるでしょう。人気店は予約が取れないからそれ以外のところで妥協するという状況です。

私が北米と日本の市場を毎日、何年も見続けている中で数字だけでは見えない隠された部分がこのあたりに強く感じられます。

アメリカが長期的な凋落傾向にあるのか、政権交代をしたら変るのか、そこまではまだ申し上げられませんが、アメリカからアジアの時代に移り変わりつつあるというのはこの数か月で強く実感しています。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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