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この台風は我々のアンダーコントロール下にありやなしや

自然災害は人智が及ばない制御不能な存在だと言わざるを得ないが、それでも自然災害による被害を人為的に大きく軽減する方策はある。自然の言いなりになっているわけではない、という意味では、確かにどんな事柄も私たちが認識し得る範囲内ではアンダーコントロール下にあると言ってもいい。

福井県の如何にも決壊しそうな河川流域の住民の方々に対して避難勧告(京都では避難指示)が出され、一部地域には気象庁から特別警報が出されたというのは、まさに台風による大雨の被害を最小限にするための知恵である。

台風そのものをコントロール出来ないことは明らかではあるが、それでも何とか台風を私たち人間のアンダーコントロール下に置こうとしている努力の現われで、そのこと自体は決して批判されるべきことではない。

今のところは、こういう方法しかない、ということだ。

傘が吹き飛ばされそうな突風が吹き始めたので、今朝の青葉台公園行きは取り止めることにした。普通の雨風ならなんとか凌げるが、傘もさせなくなるような状況では傘がないのと同じ状態だ。傘がなくてもいい状況ならそれでも出かけるが、誰が見ても傘の備えぐらいは必要だという状況で肝腎の傘がさせないのだから、これは出かけるのは止めた方がいいということだ。多分、私の判断は間違っていないと思う。

私たちは、それぞれにそれなりに自然をコントロールしようと努力している。

到底避けられないような好ましくない結果を懸命に回避しようとしている私たちの姿は、時には滑稽に見えるかもしれないが、やはり私たちに出来ることはそれくらいしかない。

福島第一原子力発電所の汚染水処理問題についての安倍総理の「アンダーコントロール」発言を政治問題化する動きが強くなっているが、安倍総理の発言を言上げするだけのことだったらほどほどにしたらいい。

汚染水の漏洩をパーフェクトに遮断することなど殆ど不可能だということは、既に多くの人が認識しているはずだ。私たちが受容できる範囲内にその被害をコントロールできているのかいないのか。

私たちが本当に問題にすべきなのは、そこだろう。

物理的にはコントロールできていないが、工学的にはアンダーコントロール下にあると言える。
ある読者の方の私に対するメッセージの中で、そういう指摘があった。実に示唆に富んだ指摘である。

同じ事象について述べてはいるのだが、実はものの見方が違う、物の切り口が違うのだから、いくら議論を重ねても交わらないということになりかねない。問題の所在を良く見極めてさらに議論を深化させていただきたい。

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