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2020年の後を見据えた東京オリンピックを!

富士山の世界文化遺産登録に続いて2020年の東京オリンピック開催決定と、大変嬉しいニュースが続きました。

 しかし、前回の1964年の東京オリンピックの時とは状況が大きく違うことを考えれば、2020年までの7年間の政策、特に、オリンピック開催に向けた競技場等のインフラ整備、東日本大地震の被災地復興や福島第一原発事故に関わる処理等は、正に長期的な観点から進められなければならないはずです。

 なぜなら、1964年当時は人口が増加し続けていた高度成長期、しかし、これからは、人口減少・高齢化が続く時代だからです。

 端的に言えば、前回の東京オリンピックの時は、競技場、道路、鉄道等を次々に作っても、利用者はその後も増え続けることが期待できました。しかし、これからはそうではありません。全体的な利用者、需要は人口減に伴って減り、加えて、税収減と高度成長期のインフラの老朽化対策費の増加のために、新規のインフラ整備を行なうことは年々難しくなってきています。

 先日、福島第一原発を視察してきましたが、原発事故の処理、特に汚染水の問題は、周辺に住む、あるいは未だに避難を余儀なくされている方々のために、そして、今以上に世界からの信用を失わないためにも、投入すべき資源は惜しみなく投入して早急に目処をつける必要があるでしょう。

 他方、現政権は、三本の矢の一つとして、あるいは国土強靭化を目的として、既に大幅に公共事業を増やしています。ですから、今回のオリンピック招致により、インフラ整備を更に加速させることが予想されますが、景気対策あるいはオリンピックを成功させるという短期的な目的のためだけにインフラ整備を行なうことは避けなければなりません。

 国土交通省等が既に示しているように、このままでは、新規の建設どころか、既存施設の維持更新すら出来ない時代に間もなくなってしまうのです。ですから、新たにつくるのであれば、それは既存の老朽施設の建て替えとして、あるいは、同規模かそれ以上の他の施設を廃止するようにしていかなければ、財政的に維持できなくなります。また、建て替えるにしても、人口が減ることを前提にしたものでなければ、オリンピックが終わって暫くしたら閑古鳥が鳴いているようなことにもなりかねません。

 東北地方の復興も同様です。地域によっては再び巨大な防潮堤を整備しようとしていますが、果たしてそれが最善策、維持可能な政策なのでしょうか。作ってはみたものの、その防潮堤に守られる住民は減り続け、しかも暫くして財政難により維持修繕ができなくなるようなことはないのでしょうか。

 最近では日本の人口は1年間で20万人以上減っています国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計によれば、2020年には今から約3百万人(つまり茨城県や広島県等の人口より多い数)以上減の1億2410万人ほどになると見込まれ、その後も減少は続きます。

 政治の役割は、そうした人口減少社会の現実や将来をしっかり見据えた上で、「人口は暫く減り続ける。しかし、今までの人口増を前提とした考え方や社会システムを改めれば、新たな希望ある社会を創造できる」ことを国内外に示していくことでしょう。正に、2020年のオリンピックをその一つのきっかけとしていくべきです。

 お読み下さり、ありがとうございます。

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