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前月比微減にとどまった機械受注は設備投資の先行きに影を落とすか?

本日、内閣府から7月の機械受注統計が発表されました。船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は季節調整済みの系列で前月比▲0.0%減の7772億円となりました。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

7月の機械受注、製造業中心に回復 全体は0.025%減

内閣府が12日発表した7月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比0.025%減の7772億円だった。前月と比べて製造業を中心に回復したが、季節要因をならす統計処理をした結果、全体は前月比横ばいだった。

内閣府は「過去3番目の伸び率だった5月と比べると落ち着いているが、全体として悪い水準ではない」とした。6月の統計で上方修正した基調判断は「緩やかに持ち直している」に据え置いた。7月の実績は日経グループのQUICKが11日時点で集計した民間エコノミストの予想(2.4%増)を下回った。

製造業からの受注額は前月比4.8%増の3187億円。前月比で3カ月連続の増加となり、金額ベースでは2012年4月以来の高水準となった。業種別に見ると、非鉄金属業界やパルプ・紙・紙加工品業界からの受注が大きく伸びた。一般機械も伸びており、全体として回復基調を示している。

船舶と電力を除く非製造業は前月から横ばいだった。情報サービス業などIT(情報技術)系企業からの受注が伸びたが、運輸業や金融業などの減少により全体としては前月比0.02%増にとどまった。

機械受注は国内総生産(GDP)の設備投資額に3-6カ月ほど先行するとされる。機械受注は注文した段階で集計するのに対し、GDPでは設備が実際に導入された段階で計上するためだ。民間企業の設備投資動向の先行指標として注目が集まっていた。

機械受注統計は季節要因をならすときに、製造業と非製造業、全体の受注額などでそれぞれ統計上の処理を施している。7月はこの影響で、製造業と非製造業からの受注がそれぞれ前月を上回ったが、全体では前月比微減という姿になった。


季節調整についてはややくどい解説なんですが、いつもながら、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその後方6か月移動平均を、下のパネルは需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。いつものお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の谷は2012年11月であったと仮置きしています。

[画像をブログで見る]

上のグラフを見れば分かりますが、コア機械受注の後方6か月移動平均は今年2013年2月に底を打っています。このブログの暫定的な景気の谷である2012年11月から3か月遅れです。その後、この統計のクセとして季節調整済みの系列でありながらも月ごとに大きな変動を繰り返しつつ、現時点で利用可能な統計に基いて見ると、最新の7月統計もオンラインに乗っていて、2月の底入れ以降は回復基調を維持しているように見えます。ですから、引用した記事にもある通り、日経QUICKによる市場の事前コンセンサスである前月比+2.4%を下回って▲0.0%の微減をつけたからといって、決して悲観する必要はないと受け止めています。

産業別には、製造業が季節調整済みの前月比で+4.8%増、船舶と電力を除く非製造業が+0.0%増と、絶対額のレベルは低いながらも方向性のモメンタムとしては製造業に勢いがあります。アベノミクスに伴う円高修正や欧州経済の回復などから、輸出に明るい展望を持てる製造業が先行きの設備投資をけん引する形となっているわけです。もっとも、このブログでも取り上げた昨日発表の法人企業景気予測調査では大企業で見て、製造業の方が非製造業よりも設備の過剰感が強かったので、このあたりはやや不整合な気もします。いずれにせよ、先行指標であるコア機械受注から設備投資の先行きを見通せば、緩やかな回復基調が続くものと考えています。

昨日9月11日、みずほ総研から「消費増税先送りの影響を考える」と題したリポートが公表され、パネル分析やロジット・モデルを用いて、消費増税を先送りすれば、金利が+1.7%ポイント上昇したり、日本国債が投資適格とされるトリプルB以下に格下げされたりするリスクがあると結論しています。とても興味深いんですが、消費税率を引き上げるとしても景気へのダメージを及ぼすリスクがあるわけですから、一方的に消費増税先送りのリスクだけに焦点を当てる内容は私には賛同しかねる点もあり、何といっても、今夜は遅くなりましたので、今日のところはパスします。ひょっとしたら日を改めて取り上げるかもしれませんが、ご興味ある向きはリンク先のリポートをご覧ください。

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