野球賭博に参加していた大関琴光喜を日本相撲協会が解雇した件、元琴光喜が解雇無効確認の訴えを提起していたが、この度請求棄却判決が出たようである。
八百長をしたケースとは違うが、野球賭博に関与したのだから、まあ解雇は当然で、ましてや大関ならと、行為と処分の相当性という点では大方の納得が得られそうだ。
しかし、手続的には重大な欠陥がある。
裁判でも訴えていたし、不祥事調査で騒ぎになった時も公然と行われていたことであったが、相撲協会の調査にあたった親方たちは、正直に申告すれば悪いようにしないと言って申告させたのである。にも関わらず、申告内容に基づいて解雇するというのだ。
まさしく騙し打ちの所業だ。
残念ながら琴光喜の年齢は既に37歳で、土俵に復帰する年齢でもない。また第二の人生もそれなりに上手く行っているようではある。解雇無効を認めないことによる打撃はそれほど大きくはないかもしれない。ただし、相撲協会の一員として得られたはずの経済的メリットが失われたことは重大であり、騙し打ちでそのような結果を招いたことは、法的も問題があると言わざるを得ない。