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寺島実郎の講演「リベラルの再生はなるか」を聞いて

 この月曜日に、長妻昭氏の国政報告会にセットされていた寺島実郎氏の講演を聞きました。テキストとして配布されたのが雑誌「世界」の「脳力のレッスン」シリーズに掲載された同氏の記事で、「真の変革への道筋」と副題がついています。

 「ここで『リベラルの再生』とは民主党の復権を意味しない」と始まる論文は、その理由として民主党の「世界観の欠落と使命感の喪失」をあげています。「政治的現実主義」の名のもとに「第二保守党」へと変質した経過の説明は、厳しいものがあります。

 寺島氏が提起している「新しいリベラリズムの五つの基軸」は次の通りです。

課題一、対米関係の再設計
課題二、グローバリズムの中での公正な分配の実現
課題三、平和国家精神の再起動
課題四、原子力再考
課題五、代議制民主主義の鍛え直し

 これらの中で印象に残ったものの一つが米・中・日関係でした。アメリカの傘の下にいれば中国から守って貰えるという思い込みは幻想だというのです。前の大戦で、米・中は同盟して日本と戦った「連合国」でした。日中関係が悪化した場合に、アメリカが必ず日本の側に立つとは限らない、中国との関係を大事にしたければ、容易に態度を変えるだろう。日米関係は「深化」でなくて「進化」させるべきなのに、それを怠っているというのです。基地問題と地位協定に踏み込むことなしには、真の変革は不可能です。

 原子力については、長い目での核の廃絶は視野にあるとしても、現実を踏まえた政策としては聞くべきものがありました。脱原発を目指すなら、第一にアメリカとの原子力協定の見直しを議論すべきなのに、民主党も一切手をつけなかったというのです。

 そして日本が原発をすべて止めたとしても、中国をはじめとするアジアの全体では、100基以上の原発が稼働を続けるという現実があります。今後数十年の間、世界の原発は日本の技術力と無縁ではありえません。地震国である日本に原発が不適合な問題とは別に、原子力の安全管理など、「非核のための原子力」は依然として重要だということがあるのです。

 間もなく日本はまた原発ゼロの期間に入ります。原発は安いエネルギーでないことは、日に日に証明されつつありますが、「日本としての基軸」を立てることが、他のすべての問題と同様に、大事なことだと思いました。

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