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2020年東京オリンピックは日経平均を4万円に近づける

1964年オリンピックが日本復興と高度成長の転機、象徴となったように、2020年オリンピックが日本大復活のきっかけになるだろう。2020年の日本経済は1990年高度成長のピークを越えていくとすれば、日経平均過去最高4万円が視野に入ってくる。

オリンピック招致に見られた国民の求心力

2020年オリンピック誘致において日本人が示した団結心は驚くべきものであった。東日本大震災によって顕著に高まった国民の絆意識からであろうか。今回ほど国民が誘致に熱心であったことはなかった。そもそも4年前の2016年のオリンピック誘致の失敗は国民の支持がなかったためであった。たとえば2007年都知事選、賛成の石原氏に対して他の有力候補は浅野史郎(民主党支持)、吉田万三(共産党支持)、黒川紀章のすべてが反対であった。今回は賛成一色。不支持の声は全くなく、震災復興に見せた団結心が新たな対象を求めていたと言える。何が人々の心理を変えたのか。震災、尖閣問題に端を発する安全保障意識の高まり、個は全体のために、全体は個のためにという絆意識の高まり、日本の将来に対する危機意識が一気に表面化したものと考えられる。

日本に必要だったものは未来への信頼とコミットメント

日本は世界で最も資源が遊んでいる国である。つまり成長余力を持っている国と言える。それが世界最低の長期金利に表れている。日本の長期金利は世界最低、つまり資本が最も遊んでいる国。資本を活用すればより豊かな経済と国民生活ができるのにそれをしていない国。その理由は人々が不適切かつ不必要な悲観論、諦観論にとらわれ続けていたためである。

故に、世界経済の観点からすれば、資本余剰が最も大きな日本でオリンピック投資を行えば、世界経済への需要誘発効果は最も大きくなることとなる。日本でのオリンピック開催は最も経済合理性にそぐう決定と言える。

図表1:主要国長期金利
図表2:経済停滞の中で膨張続ける家計金融資産
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7年後に確実に実施されるオリンピックはそれ(悲観論、諦観論)を完全に払しょくするものとなるだろう。以下のような変化が確実に起きる。

⇒ インフラの建設
⇒ 世界の注目の高まり、対日観光の増加
⇒ 日本的価値観(他者への配慮、公徳心、ホスピタリティー、清潔・安全など)や世界最高のサービス品質の披瀝
⇒ 見過ごされ、放置されていた日本の経済要素が顕在化する、ベクトルが揃う
⇒ 日本が世界と交わりを深める7年間になり、内向きメンタリティーが払しょくされる。日本の若者の内向き志向(たとえばハーバード大等への日本人留学生の激減)が変わる。

諦め、将来を考えることを放棄していた人々が7年後の自分、7年後のビジネス、7年後の東京と日本、7年後の世界に思いをはせるようになる。この変化は大きい。

絶大な経済効果、アニマルスピリットの復元がもたらす

このことの経済効果は絶大である。昨年時点でのオリンピック招致委員会による経済効果試算は、生産誘発効果2.96 兆円(東京都だけでは1.67兆円)、直接の需要創造1.22兆円(東京都0.97兆円)、付加価値誘発額1.42兆円(東京都0.86兆円)とされている。需要増加の内訳は施設費0.36兆円、大会運営費0.31兆円、その他0.56兆円。いずれも狭い定義による最小限の金額である。

しかしオリンピックの最大の経済効果は、国民の心理転換による、アニマルスピリットの復活であろう。過剰なリスク回避心理の是正による株価・地価の正常化だけで数100兆円の価値が創造され、その先にデフレ脱却、消費・投資の活発化による新規需要創造が続く。図表3は日本の資産総時価総額(土地+株式)であるが、1990年から2012年の23年間に亘って長期的下落が続いた。1989年の3,140兆円か2011年の1,500兆円へと、わずか22年間で日本の富は1,600兆円失われたことが分かる。すなわち、年平均72兆円、GDP比15%の富が、毎年減少し続けたことになる。これにより、日本の不動産会社や金融機関は22年間、巨額のコストを背負い続けたこととなる。この結果、賃金を下げてその差額を資金調達や不良債権の処理に回さざるを得なくなった。22年間に亘って資産価格が下落を続けた現象は、世界に例がなく、日本特有の現象である。

この長期資産価格下落の半分は先行するバブルの崩壊による妥当なもの、しかし半分は過剰な下落であった。図表4,5,6は株式バリュエーションの推移、つまり株式リターン(益回り)の社債リターン(利回り)に対する比率であるが、現在の日本株価が債券に比し極端に割安化していることがわかる。それは首都圏の不動産価格にも当てはまることである。そしてこの過度の株と土地の価格下落を引き起したものが、過度の悲観論、諦観論(アニマルスピリットの喪失)であった。

2012年の東京オリンピックは、悲観諦観を一掃し、正当な株価と地価の実現をもたらすだろう。その経済効果は計り知れない。

図表3:日本の株式+土地時価総額推移
図表4:極から極へと振れたアニマルスピリット 株式益回り対社債利回り
図表5:株式益回り・社債利回り倍率の推移
図表6:株式益回り、配当利回り、社債利回りが示す株の異常な割安さ
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安倍首相は「15年間続いたデフレ、縮み志向の経済を脱却する起爆剤としたい」と述べているが、それは間違いなく叶うだろう。

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