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反社会的勢力による「漁夫の利」-金融法務自浄?

オリンピック&パラリンピック東京2020開催決定ということで、明るい話題で盛り上がっていますね。大阪も以前、「大阪五輪招致」に尽力しましたが最下位(6票)でしたね。やっぱりIOCの現地視察の車を渋滞に巻き込む・・・というのがまずかったような。あと、滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」のようなパフォーマンスも必要だったのでしょうね。。。

さて、以下のお話は、週末のコーポレートガバナンス・ネットワークの勉強会で学んだところからです。昨日も日本プロゴルフ協会の理事の方が、反社会的勢力組織の幹部とゴルフをしていたことが報じられていました。反社会的勢力との「おつきあい」は非常に(異常に?)問題視される時代となり、細心の注意が必要となるわけですが、最近、反社会的勢力の当事者に関する取引法上の裁判例がしばしば法律雑誌に登載されています。

先日もある上場会社と某団体との建築請負契約の無効(錯誤無効)が争われた判例が登載されていました(上場会社側が地裁では勝訴していました)。しかし、いくつも裁判例が出ていて注目されるのが金融機関と信用保証協会との争いです。反社会的勢力だとは知らずに保証協会が金融機関との金銭消費貸借契約について(反社組織の債務を)保証をしてしまうのですが、後でそういった組織だとわかって錯誤無効を理由に金融機関との保証契約を白紙に戻すことを求める、というもの。裁判では保証協会側が勝訴したり、金融機関側が勝訴したり、ということで、かなり法的安定性に欠けている状況です。

当該組織は金融機関と保証協会のどちらが紹介したお客さんなのか、という点で結論を異にする、という裁判例も、なんとなく理解できるのですが、興味深いのは一生懸命に「反社会的勢力かどうか」を調査すると、そのことが裁判所に「信義則」によって評価されるケースがある、ということ。富士通さんの元社長損害賠償請求訴訟では、会社側としてできる範囲で調査努力をすることが、裁判での勝訴に結び付くことが理解できましたが、こういった金融機関どうしの裁判においても、調査努力が勝訴(厳密には損害金額)に結び付くということは日頃の反社会的勢力排除のための内部統制システムの構築にも関心が向きそうです。

法律家向けのブログではございませんので、民法95条の解釈問題などは語りませんが、こういった金融機関と保証協会が争っているうちに、期限の利益を既に喪失している(一括弁済をしなければいけない状況にある)反社会的勢力は、最高裁で判決が確定するまで、どこからも執行を受けないという状況になるようです。「漁夫の利」とはまさにこのことでして、当事者が徹底的に争えば争うほど、反社会的勢力が美味しい立場になるというもの。さらにこういった裁判を公開の法廷で延々と続けるとなりますと、金融機関がどのように反社会的勢力であることを調査したのか、その調査方法まで公開されますので、手の内をみることができてしまう、というのもちょっと問題ではないでしょうか。

上記勉強会のご発表者の提言としては、こういった紛争については紛争解決基準のようなものを策定して、できるだけ迅速に、また非公開で処理できるような体制作りが必要になるのでは・・・・とのことでした。金融機関の規模も性格も異なりますし、集約する情報も地域が変われば共有するのが困難なのが現実ですが、上記のような「ちょっとおかしな漁夫の利」状況は回避する必要があると思いますね。

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