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安保法制懇は国民世論の形成に役立つような丁寧で周到な議論を心がけるべき

僅か1年のことで日本の安全保障政策や憲法法制がガラッと変わりそうなことに虞を抱いている。
この変わりようは危ない。

出来ればこういう難しい議論は、民主党内閣の時代に徹底的にやってもらいたかった。
民主党時代に十分議論されたことであれば、自民党が政権に返り咲いてその議論の流れを承継しても自民党の独り善がりだとか、国民の世論と乖離しているという批判を受ける余地が少なくなっていた。

異論の余地を出来るだけなくす。
国民世論の決定的な対立を避ける。
より広範な国民の支持を受けることが出来るような内容に提言をブラッシュアップする、という基本姿勢が重要である。

現在の安保法制懇は、まだ国民世論の形成が十分進んでいないのに、安保法制懇に集っている一部の有識者の考えだけで日本の憲法解釈を変えるような流れを作ろうとしているようだ。

これが危ない。

安保法制懇は、あくまでいくつかの選択肢を示すだけに止めるのがいい。
安保法制懇の結論を政治に押し付けようとしたり、国民世論を誘導しようなどと大それた考え方をしないことだ。

まずは、シリア問題がどういう推移を辿るかよく見極める必要がある。
アメリカは結局シリアに対する限定的、時限的な軍事攻撃に走るのだと思う。
国連の安保理事会が何と言おうが、国連の潘基文事務総長が何と言おうが、アメリカの議会が同意さえすれば、オバマ大統領はやると言ったことはやらざるを得なくなる。

安保法制懇はどうやら多国籍軍への参加を積極的に推進する方向での提言の取り纏めに動くようだが、国連決議や国連安保理事会の決議がない状態での多国籍軍への参加まで視野に入れた提言になると国民世論は大きく割れる。

国民世論と乖離した提言を安保法制懇が出すようだと、どんなに精緻な議論を展開したとしても安保法制懇の提言通りには世の中は動かない。

勿体ないことである。

国民世論の形成に役立つような丁寧で周到な議論を心がけてもらいたいものだ。
あらかじめ結論が決まっていることを如何にも有識者が慎重に検討して提言しているように見せるがための、いわばお化粧のためだけの安保法制懇であってはならない。

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