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現行憲法を骨抜きにしてはならない!

昨日は、朝から福島へ。原発ゼロの会で一緒に世話人を務める阿部知子衆院議員と福島県立医大を訪問し、子どもの甲状腺がんの検査状況について現況を伺った。今年6月の時点で18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が12人。「疑い」は15人だった。小児の甲状腺がんは100万人に1~3人とされる。調査はその70倍である。しかし、環境省が3月に青森、山梨、長崎で行った検査では5ミリ以下の「しこり」や20ミリ以下の「嚢胞」が出た子どもの割合は「福島とほぼ同様か、大差なし」とされた。しかし、不安はぬぐえない。今月中旬に、阿部議員とともに、モスクワの子どもがん病院を訪れ、ロシアの持つ情報等を確認してくる予定である。また、子どもたちの甲状腺検査を担当する福島県立医大の先生方は、一日当たりの医師数を2名から3名に増やし、同医科大学以外でも検査ができるような体制も作り頑張って見える。現在までに20万人を超える子どもたちの検査を実施しておられる。しかし、16-18歳の検査受診者数が伸び悩む課題も抱えている。しっかりとした検査体制の後押しをしていく。

ところで、皇族のお二人がアルゼンチンを訪れ、国際オリンピック委員会(IOC)委員と懇談などすることになった。宮内庁は「東日本大震災の復興支援に対するお礼が目的」などと説明するが、今回の訪問は安倍政権と猪瀬東京都知事が要請したとされ、招致関係者は2020年夏季五輪開催都市の決定に向けた後押しになると期待を露わにしている。日本国憲法は天皇を「この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」(4条)とし、同6条と7条に列挙された儀礼的あるいは形式的な国事行為のみ「内閣の助言と承認」に基づいて行いうると規定している。そこに列挙されているのは、閣僚などの任命、法律や条約などの公布、国会の召集、国政選挙の公示、外国大使などとの応接などといったものだ。儀礼的あるいは形式的というのは、国政に対する実質的な権限や決定権を有さず、行為の成否や結果が政局や世論にいかなる影響も与えないことを条件とする。

しかし、猪瀬東京都知事兼オリンピック招致委員会会長は「皇室の存在感は非常に重要」として今年一月から高円宮妃の総会出席を要請していたと自ら述べている。安倍政権や猪瀬都知事がやろうとしているのは、政治的主張や特定の政策を正当化するために天皇の権威を利用することでしかなく、これこそが日本国憲法が厳に戒めるところだった。

大日本帝国憲法は、天皇に全能の権限を付与しておきながら、「行使せず」を慣例とし、しかも「神聖にして侵すべからず」であったため、権限を持つものが責任を取らない制度であり、実際の権能は閣僚や官僚が代行するものの、天皇に対してのみ責任を取るという仕組みだった。つまり、政治家が天皇の権威を最大限に利用して全てを正当化し、かつ国民に責任を取らないというシステムだった。その帝国憲法に対する反省から生まれたのが現行憲法であり、主権を天皇から国民に委譲した上で、政府や議会による天皇の政治利用を防ぐ様々な措置が取られた。

宮内庁長官の「天皇、皇后両陛下もご案じになっていらっしゃるのではないか」という発言は、慣例を逸脱するものではあるのだが、極めて現実的な危惧であると考えられる。麻生副総理の発言を引き合いに出すまでもなく、現行憲法はあらゆる方向から骨抜きにされつつある。大いに警戒していく。

なお、本日開かれた、両院議員総会で、党の常任役員である総務委員長に選任された。しっかりと頑張る!

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