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「譲歩」からは何も生まれない

今日で8月も終わる。取材と締切に追われ、ブログの更新もままならないでこの「月末」を迎えてしまった。しかし、今年の夏も、さまざまなことがあった。

私がこの夏思ったのは、安倍政権の外交姿勢が次第に「存在感を増しつつある」ことである。これまで中国や韓国に歴史認識で追及されれば、思考停止したかのように「言葉を失う」のが常だった日本が、中国や韓国にどんどんモノ申すようになったのは印象深かった。

そんな当たり前のことを“特筆”しなければならないところが、いかにこれまでの日本が異常だったかを物語っている。私が、注目したのは、韓国出身の潘基文・国連事務総長の発言に対する日本政府の態度である。

潘基文は8月26日、ソウルの外交省での記者会見で、「日本は、歴史について正しい認識を持つことが必要だ。そうしてこそ、他の国々から尊敬と信頼を受けるのではないか」と発言した。

「ああ、またか」。そんな思いでこのニュースを見た人は多いだろう。国連の事務総長が、ひとつの国に対して、「歴史について正しい認識を持つことが必要だ」と言及したことは、まさに異例だが、これまでこうした問題で、“舐められている”日本にとっては、「いつものこと」だったかもしれないからだ。

だが、潘基文によるこの著しく適性を欠く発言に対して、日本政府はこれまでとはまるで違う態度をとった。すなわちこの発言を「容認しなかった」のである。

ただちに菅義偉官房長官が、「わが国の立場を認識した上で行われたのか疑問を感じる。真意を確認する」とし、新藤義孝総務相も「最も中立であるべき国連事務総長が、立場が偏るような恣意的な発言はいかがなものか」と批判した。さらに、古屋圭司拉致問題担当相も「国連憲章違反になるかもしれないとして外務省が精査しているようだ。外務省の言っていることの方が筋だろう」と発言したのである。

国連の事務総長が、「国連憲章違反の発言をおこなった」とする日本の立場は、さすがに潘基文も予想していなかったようだ。「えっ?」と恐怖を感じた潘基文は、あっという間に、「あれは、日本のみについて指摘したものではない」と前言を翻したのだ。

一連のニュースを見ながら、「今までと同じように日本を舐めていたら、タダでは済まさんぞ」という安倍政権の気概を感じたのは私だけではないだろう。

戦時徴用をめぐって、韓国人らが新日鉄住金(旧新日鉄)などの日本企業に対して損害賠償を求めている裁判で、仮に韓国大法院(最高裁)で日本企業の敗訴が確定した場合、日本政府が国際司法裁判所に提訴する方向で「検討に入った」というのも、その流れのひとつだろう。

すでに1965年の賠償請求権協定で解決された問題に対し、その前提をひっくり返す不当性を国際社会に「広く訴える」という考え方である。相手がその気なら、日本が韓国国内に残し、請求権を放棄した、現在の価格に換算しておよそ「13兆円」にも及ぶ戦前の資産の「請求をおこなえ」という声も政府部内には出てきているほどだそうだ。

いずれにせよ安倍政権が、彼らの理不尽な要求には、「譲歩」ではなく「対決」の姿勢で臨め、という強い基本理念を持っていることがわかる。

韓国だけでなく中国も焦り始めている。着々と進む安倍政権の「対中包囲網外交」によって、次第に苛立ちを強めているのだ。9月5日・6日の2日間、ロシアで開かれる20カ国・地域首脳会合(G20)でも、安倍・習近平の日中首脳会談は開かれないそうだ。

共同電によれば、中国側が「対話の基礎がないのに、どうやってセットできるのか」と述べ、否定的な見解を示したという。「日本恐るべし」。その意識が次第に中国と韓国に醸成されつつあることを感じる。

100の国があれば100通りの歴史認識や価値観があるはずなのに、自分たちのそれを押しつけることが当たり前だと思っている中国と韓国。それこそが「国際的に通じない」ことを両国にわからせることが大切だ。

果たして、毅然とした姿勢を安倍政権はどこまで貫いていけるだろうか。少なくとも安倍政権は、生き馬の目を抜く国際社会では、「譲歩からは何も生まれない」ことを知っている。その点で、稚拙な外交しかできなかったこれまでとは、一線を画す政権であることは間違いない。

その姿勢をどこまでも崩さなければ、いつかは両国との友好の道も開かれる時が来るだろう。期待と共にその点に注目していきたいと思う。さまざまなことがあった8月の終わり、私はそんなことを考えていた。

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