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  • mkubo1

米国住宅指標の変調

米国の7月の中古住宅販売成約指数は、前月比1.3%減となり、前月の0.4%減や予想の0.0.%(変わらず)よりも悪い数字となりました。

5月には、5.8%増となっていたので、その反動が6月と7月に出たのかもしれませんが…

やはり、その他の住宅関連指標同様、素直に、住宅ローン金利の上昇により、住宅市場の回復基調が崩れてきていると考えた方が良いと思います。


大事なことなので、繰り返しますが、QE政策で、長期金利が下がりました。

ざっくりですが4%前後から2%以下に低下したのです。

この金利低下で、金融コスト(ローンの支払い)が劇的に低下しました。

月々の支払いが大きく減ったのです。


住宅ローン金利が6%であれば、30年固定で、3000万円借りて、月額18万円、合計6500万円の返済となります(数字は概算です)。

もし、金利が3.5%であれば、同様な条件で、月額13.5万円、合計4850万円の返済となります。

とんでもなく、負担額が異なるのがわかりますよね。


借り換えをするだけで、毎月4~5万円も浮くのです。

いかに借り換えが多いか…わかりますよね。

年収600万円(月額50万円)の方ですと、実質的に使えるお金が10%程度、増える計算になりますね。

この金額が大きいかどうかは、個人差があるとは思いますが、一般的には、それなりに大きいと言えるでしょう。

ということで、これが、米国の景気回復に大きな影響を与えたのだと思います。


もちろん、住宅価格も下落して、総支払額が減るとなると、住宅購入も増加するということです。


あと、住宅に限らず、ローンを組むようなケース、たとえば、自動車の購入、学費なども、借り換えにより、金融コストが大きく低下しているのでしょうね。


これが、賃金がほとんど増えなくても、景気回復を実現させた種明かしです。

雇用は、一時期よりは増えていますが、増えているのは、パートタイム、小売業と、賃金の安い仕事で、雇用が増えているのがわかります。

ですから、再就職できた方の大半は、以前よりも賃金が下がっているケースが多いのですね。


ということで、いかに、長期金利の低下が、米国経済に恩恵を与えてきたのか…ということです。

逆に言えば、長期金利の上昇は、いかに、米国経済にとって、マイナスかということになります。


今の日本の場合、長期金利が低下したからと言って、その効果は限定的、いや、ほとんどないと言ってもいいでしょう。

逆に、金利が上がった時のマイナスの効果の方がはるかに大きいですね。

今のままで(こんな低い潜在成長率で)、金利を上げる政策(=インフレ率を引き上げようとすすこと)を取れば、どこかで、おかしなことになる可能性の方が高いと思います。

いや、クレジットがしっかりしている間は、金利など上がらない(=インフレ率は低いまま)かもしれませんね。


誤解を恐れずに言えば、インフレ率が2%になるのは、日本が規制緩和や構造改革が進んで潜在成長率が上がるか、日本のクレジット(信用)が悪化して、金利が高くなり、円安になり、株安になる時のどちらかだと思いますね。

特に、後者は、公共事業などで、バラマキを続け、財政を悪化させるという懸念がありますね。


米国は、長期金利の低下による景気刺激策が終わったとすれば、やはり、いばらの道が待ち構えているように思います(もし、長期金利が再度低下すれば、話は変わりますが…)。

当然、その恩恵を与った新興国もきびしそうですね。

9月なのか、10月なのか、11月なのか…どこかで、嵐はやってくるのでしょうね。

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