記事

未来世代の不良債権リニア新幹線ゴリ押しでJR東海がJAL・東電の二の舞になる危険~すべては国民のツケに

1/2
リニア新幹線計画って、こんなに狂気な計画だとは思いもしなかった……。

リニア新幹線についてどう思うか?と聞かれて、 「何が何でも絶対に反対だ!」という人は少ないのではないか。 だって税金を使うわけではなくJR東海が全額負担するわけだし、 夢の超特急ができるなら一度くらいは乗ってみたいぐらいの感覚ではないか。 私もそうだった。

このため、 「来年から建設着工予定のリニア新幹線計画をなんとして止めたい。 しかし国民の関心はあまりに薄い。 ブログを拝見し、この問題についてぜひブログで書いてほしい。 現地を案内しますので」と、建設予定地の南アルプスそば、 長野県大鹿村に住む浮島仁子さんからメールをいただいた時、正直ぴんとは来なかった。 だから「取材はしますが、リニア反対という記事を書くとは限りませんよ」 と返信したのだが、それでもいいというので行ってきた。

ちなみにリニア新幹線建設にかかる費用は約9兆円。 来年から建設をはじめ、今から14年後の2027年に品川ー名古屋間開通。 今から32年後の2045年に品川ー大阪間が開通予定という計画だ。

リンク先を見る

リンク先を見る

新宿から高速バスで諏訪湖を通り、駒ケ根を通り、飯田の手間。 松川インターで降りてそこから車で約1時間。 四方を山に囲まれた自然豊かなTHEニッポンの田舎といった大鹿村に到着。 春になると様々な花々が咲き乱れ、現代の桃源郷とも呼ばれる美しい村になるという。 人口は1100人あまり。 南アルプスの登山口があることから、登山客が多い。

浮島さんはトンネル建設予定地になると思わしき周辺を案内してくれた。 現場を見せることで反対理由が理解できるのではないかという狙いだろう。

「かさこさん、こんな狭い山道に、これから約10年、膨大なトンネル工事のために、 狭い山道である村民の生活道路にダンプが行きかうことになるんですよ。 怖くてこんなところに住めなくなってしまう。実質上、村人は住めなくなってしまう」

リンク先を見る

リンク先を見る

リンク先を見る

「この村は中央構造線が南北に縦断しており、 周囲の山は脆弱な地質のため、大崩壊地や地すべりが起きている。 こんな危険な場所にトンネルを作ったら、さらに危険な場所になりかねない」 と、村を貫く小渋川沿いの山々を見て回り、 崩落、地滑りが起きている様子を度々、写真に撮ってほしいと言われた。

「リニア反対を訴えるには言葉だけでなく写真が重要。 私が撮影した写真では、こんなところにリニアを建設するのはおかしいということが伝わらない。 かさこさんが撮影してくれれば、多くの方に建設計画の無謀さを訴えられるのではないか」 との狙いもあって、私に依頼したという。

確かに地元住民にとっては死活問題だ。 桃源郷の村にダンプが行きかい、地滑りが起きている山で、 トンネル工事を10年もはじめるなんてとんでもないことだと。

でも、と思う。 日本社会全体の利益を考えた時に、 もし東京と大阪を短時間で結ぶ交通インフラが何が何でも必要ならば、 多少、小さな村が潰れてしまうことは致し方がない。 小さな村を潰さないことを最優先にしたら、 日本全国、どこにも道路や鉄道は作れなくなってしまう。 もちろん、先に住んでいた人を追い出すわけだから、 きちんとした補償をするなり、その事業の必要性を丁寧に説明することは欠かせない。

また地滑りが起きている山だからといって、 地下に掘るトンネルが危ないのかは、正直、私にはよくわからない。

リンク先を見る

そもそも見せられた大崩落地の一つは、 1961年(昭和36年)に起きた集中豪雨によるものだ。50年以上も前の話だ。

確かにトンネルを掘るのは大環境破壊かもしれない。 でも私は環境保全至上主義者ではない。 そんなに環境が大事なら人間が死ぬしかない。 人間は多かれ少なかれ環境を壊して暮らしている。 すべてにおいて環境を最優先したら、人間は生活できなくなり、何も作れなくなってしまう。 リニアのトンネルが環境破壊なら、 道路のトンネルだって鉄道のトンネルだって環境破壊でやめるべきだろう。

重要なことは、人間に悪影響を与えない環境破壊をしないこと。 生態系が根本的に変わって人間が暮らせなくなってしまうような、 環境破壊をしないことではないか。 だから環境に取り返しのつかない破壊的な被害を与える原発は何が何でも反対だが、 CO2を多少出そうが火力発電所にまで反対はしない。 原発反対派の中には「火力発電所も環境破壊だ」というが、 だったら電気使わず生活しろよと言いたくなる。 多少の環境破壊になったとしても、致命的な環境破壊にはならず、 人間社会が便利になるなら、それに反対する理由はない。

だから私は地元の村人がかわいそうだから、 リニアはやめるべきだとはまったく思わない。 逆に村人の中にはリニア建設であぶく銭を稼げて喜んでいる人もいる。 二束三文の田畑が建設予定地の資材置き場になると高値で売れるとか、 工事関係者がこの先何年も宿泊して安泰だとか、 地元の建設業に大きな仕事が入ってくる可能性もあるだろう。 地元には「反対なんかして金儲けのジャマをするな!」という意見もあるだろう。

また環境破壊だからやめるべきだとも思わない。 例えば東海道新幹線だって、トンネルいっぱい作って環境破壊しているわけだが、 環境破壊しているから電車を止めろという人はいないだろう。 日本社会には欠かせないインフラだからだ。 もしリニアもそうであるなら、重大な環境破壊を起こさない限り、 何が何でも反対する必要はない。

でも浮島さんからリニア計画についていろんな話を聞き、 また橋山禮次郎著の「必要か、リニア新幹線」という本を読んだりすると、 今までたいした関心もなかったリニア建設だったが、 これは何が何でも反対しないとまずい代物ではないかと思えてきた。

あわせて読みたい

「リニア新幹線」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    大阪警官刺傷 子ども移動控えて

    橋下徹

  2. 2

    イランが日本船を狙うのは可能か

    木走正水(きばしりまさみず)

  3. 3

    オペレータ職が陥る貧困ループ

    NEWSポストセブン

  4. 4

    私刑実行する正論オジサンの心理

    PRESIDENT Online

  5. 5

    宮内庁楽部のNO.2が教え子と不倫

    文春オンライン

  6. 6

    アラジン 大半は山寺宏一の手柄

    fujipon

  7. 7

    パチンコ 倒産件数が前年上回る

    MONEYzine

  8. 8

    老後2000万円 大本営発表状態に

    大串博志

  9. 9

    年金問題 「国民に謝れ」は煽り

    青山まさゆき

  10. 10

    アベノミクスで望めぬ経済成長

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。