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「オンカロ」が示す10万年後の未来

最早(もはや)「3・11」以降、100%の「ステイタス・クオ(status quo)=現状維持」を原子力発電に関して唱える人は居ないでしょう。

が、であればこそ、今この瞬間も排出・蓄積される放射性廃棄物を如何に処理するのか、洞察力と構築力に富んだ「決断」が日本の政治に求められているのです。

「リサイクル」を謳(うた)ったプルサーマル方式の原子炉からも例外なく、高レベル放射性廃棄物は生み出されます。にも拘(かかわ)らず現在、世界中の原子力発電所から排出された高レベル放射性廃棄物は、暫定的な貯蔵施設に蓄積されているのです。 フィンランドは、高レベル放射性廃棄物の「永久地層処分場」建設を、世界で初めて国会が承認した国家です。

地震等の天災、テロリズム等の人災から高レベル放射性廃棄物を護(まも)る為、首都ヘルシンキから北西へ240km離れたオルキルオト島の地中奥深くに。その名前は「オンカロ」。

フィンランド語で「洞窟、空洞、渓谷」を意味する“隠された場所”が選定されました。
20世紀末に始まったプロジェクトは、私達が骨に戻った後の22世紀に完了します。廃棄物が一定量に達すると封印され、2度と開封される事はありません。地下都市とも呼ぶべき、この巨大施設の耐用年数は10万年です。

ネアンデルタール人は約20万年前に出現し、約2万数千年前に絶滅しました。果たして10万年後、この地球に暮らす未来の子孫は、封印した入口に私達が書き記した言語や記号を理解するでしょうか。ピラミッド同様、宝物が隠された遺跡だと勘違いするかも知れません。

“問題先送り”を続ける他国と異なり、一歩先に踏み出したフィンランドは、真剣に突き詰めれば突き詰める程、終わりなきトートロジー=同語反復の隘路(あいろ)へと入り込んでいく苦悩と直面しています。放射能。それは無色透明で、臭いも匂いもない、人間の五官が察知し得ぬ、五感を超えた存在です。

マイケル・マドセン監督「100,000年後の安全」は、そのオンカロを巡る作品。渋谷のアップリンクを始め全国の映画館で話題沸騰。「2001年宇宙の旅」を想起させる映像美で我々に迫ります。

柿沢未途、河野太郎の2代議士と共に僕は来週26日(火)、衆議院第一議員会館で上映会を企画しました。国会議員、そのスタッフ、「政治」取材を続ける表現者の鑑賞を期待します。

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