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世界の年間洪水被害額が100兆円になるという世銀の警告

 世界の沿岸都市で起きる洪水や高潮などの被害総額が、今後何も対策をとらない場合には、2050年に約100兆円に達すると、世界銀行の研究者らが18日付の英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに発表したのだ、とか。

 現在の年間被害額は約60億ドル(6000億円)。それが約1兆ドル(100兆円)になる訳ですから、なんと現在の約170倍にもなるのです。

 でも、どうしてそんなに被害額が急増するのかと言えば‥

 何が原因だと思います?

 私は、てっきり地球温暖化、或いはそれに伴う異常気象などのせいで自然災害が増えるためだと思ったら、どうもそれだけが原因ではないらしく、今後、さらに沿岸の大都市に人口が集中する傾向が続くこと、そして、地下水のくみ上げによって地盤が沈下することも原因になっているのだとか。

 もう少し詳しく言うならば‥

(1)各都市が洪水リスクを現在の水準内に抑えるための防止策をとれば、そして、都市の人口及び資産が予測されるように伸びた場合には、2050年には年間被害額が520億ドルに達する。

(2)気候変動に起因する海面上昇と地盤沈下の影響を追加した場合には、年間被害額は600~630億ドルにまで増加する。

(3)洪水防止策を何もとらなければ、世界136都市の年間の被害総額は1兆ドル以上になる。


 お分かりになりましたか、世界銀行の研究者たちが言いたいことが?

 要約しましょう。

・世界の沿岸都市の洪水などの被害総額は、現在約60億ドル(6000億円)

・それが、今から37年後の2050年には、沿岸都市部の人口と資産が予想されるように増えた場合、現在の9倍弱の520億ドル(5兆2千億円)ほどまで増加する。

・しかし、それには海面上昇と地盤沈下の影響を加味していないので、それらも含めると、現在の10倍程度の約600億ドル(6兆円)になる。

・但し、それらは、今後そこそこ防止策を実施した場合の話であって、もし、今後何も措置を講じないのであれば、被害額は1兆ドルになる。

 
 これで、世界銀行の研究者たちの言いたいことがよく分かったことと思うのですが‥でも、分かってしまうと、ある意味バカバカしく感じることもあるのです。何故ならば、被害が大きくなれば、人間は自然とそれに対する備えをする筈ですから、今後37年間にも渡り事態を放置するようなことはないからです。

 だから、2050年になると、全世界で100兆円の被害をもたらす水害が起きるなどというのはナンセンス。

 要するに、世界銀行は、そういうことがないように、今後少しずつ洪水対策を講ずべきだと言いたいのでしょう。

 私としては、気候変動による影響が十分に反映されていない気がするのですが‥でも、この際それはおいておきましょう。いずれにしても、今と同じようなペースで洪水対策を講じていったとしても、被害額が2050年には今の10倍ほどにまで達すると世界銀行は言っているのです。

 では、我々はこれにどう応じるべきなのか?

 日本は四方を海で囲まれた島国。海面上昇の影響を必ず受けるのです。そして、地震国でもあるから、津波の影響もある。さらに、異常気象が多発化することによる被害も益々多くなる。

 プラス、火山が活動している島国だから、昨日噴火した桜島のように‥

 要するに、今後、どれだけお金があっても足りないくらいの公共工事を行わなければならない事態が容易に予想されるということなのです。

 お金も足りない。人手も足りない。それが現在の日本の現実。だから、そうした貴重な資源を如何に効率よく配分するかが、今後の重要な課題となるでしょう。

 しかし、実はここに大きな問題が潜んでいるのです。というのも、公共事業は、政府の意思で決まるもの。何時やるか、どれだけやるかについて、何も決定的な基準がある訳ではないのです。企業であれば儲かるかどうかが判断基準になる訳ですが、政府は儲かるかどうかで行動する訳ではないのです。だから、市場のメカニズムで巧く調整されることも期待しにくい。

 それに、どうしても必要な工事であれば、どれだけお金が不足していても、そして、どれだけ資材や人手が不足してもやらなくてはならない。

 日本は、これから先、そんな事態に遭遇することになるのです。

 ということになれば‥何が大事かお分かりになると思うのです。

 そうなのです、常日頃、公的部門の無駄を極力省いて、そして、政府の国債の発行額も少なく抑えておくことが必要なのです! 

 そうでしょう? そのことに誰も異論はないでしょう?

 では、実際にやっていることはどうか?

 桜島が噴火した鹿児島県では、多くの県民や国民の声を無視する形で、無駄としかいいようのない職員の上海研修旅行を実施したではないですか!?

 もちろん、県議会がそれを認めたのだから、もはや県知事だけの責任ではないのはそのとおり。

 そして、そうしたことに対し、国が、或いは現政権が戒めた形跡もなし。

 まあ、国自体が、景気回復という名の下に予算の大盤振る舞いをしている訳ですから‥地方だけを責める訳にはいかないのかもしれません。

 いずれにしても、世界銀行の指摘のように、今後沿岸都市部における防災費用が大きく膨らむことが十分予想される訳ですから、その意味でもイザというときのために蓄えをしておくことが必要なのです。否、国が蓄えなどすることは不可能でしょう。しかし、蓄えが不可能であっても、毎年度の国債の発行額を少なくする(国債の発行残高を少なくするということではないので、念のため)こと位の努力が必要なのは言うまでもないでしょう。

 そうして国債の発行を極力抑えておかないと、本当に国債を大量に発行する必要に迫られたときに対応できなくなる恐れがあるのです。

 今後、否が応でもこうして必要とされる公共事業が増えていくことが容易に予想されるのですから、日本は、もはや景気対策のための公共事業などというものを考える必要もないし、考える余裕すらないのです。

 そのことを政治家の皆さんには肝に銘じてもらいたいと思います。

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