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  • 2013年08月17日 03:04

ももクロと歴史教育と嫌韓

 以前ももクロについて触れてことがありましたが(通名登録者の入場を拒否した、ももクロ運営の対応は妥当か?))、『日刊サイゾー』に「ネトウヨ激怒必至!? ももいろクローバーZが語った、意外な“戦争認識”とは?」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

 最初に「ももクロのメンバーが歴史に詳しいというわけではな」いとして、いくつか例が挙げられています。

 「『日本が終戦を迎えた日はいつか?』という問いに、有安杏果の回答は「1038年11月」、高城れには「1975年か1973年?」。「当時、日本と同盟関係にあった国はどこか?」という問題に対し、百田夏菜子と佐々木彩夏、高城は「アメリカ」と回答」していたそうです。

 この原因の1つとして、「玉井が『戦国時代が終わったくらいから駆け足だった』と話しているように、今の学校教育で近・現代史がおざなりになっていること」が挙げられています。

 ただ、「知識テストが終わって、戦争の是非そのものに話が及んでくると、一転。今度は、福島瑞穂センセイに爪の垢でも飲ませたいくらいの反戦論客ぶりを見せつけ」たとしています。

 具体的には「だけど昔みたいなのもちょっと。徴兵制みたいな紙が家に来ても困るよね。自分の命も大切に思ったほうがいいと思う」(玉井)、「パパにも戦いに行って欲しくないと思っちゃう」「戦争するメリットが、あんまりピンとこない。デメリットばっかり出てきちゃう」(佐々木)といった発言があったそうです。

 更に「高城は最近の嫌韓の風潮について聞かれ、「『日本でも、韓国にいいイメージを持たない人もいるのと同じで、韓国には韓国の言い分があるじゃん。それが喧嘩のきっかけになっちゃうんだったら、もっとちゃんと韓国の言い分も知りたい。歴史のこととか』」と答えたことが紹介されています。 

 因みに元記事ではべたほめで、「さすがはももクロ、かっこよすぎるではないか。しかも、その意見は至極真っ当だ」としています。

2 歴史教育

 大変興味深い発言が盛り沢山で、日本の教育のいろいろな面が現れていて面白いと感じました。ある意味学校教育の限界なのでしょうが、どうしてもクラスの中には物覚えの悪い子と、理解の早い子がいるので、遅い子供に合わせていくと進行が遅れます。

 外の教科は何となく辻褄合わせをすることが多いわけですが、何故だか歴史は最後の部分は、結構派手に飛ばしても(省略しても)OKという風潮があるようです。

 (入学)試験では基本的に歴史の価値判断が求められることがなく、第二次世界大戦について条約名とか人名、地名などを覚えれば事足りるので、試験にはそれで通ります。

3 価値判断

 確かに、第二次世界大戦については、いろいろな考え方があり、どれか1つが正しいというわけではありません(よくわからない「日本語」で質問して日本を批判する中国国営放送)。

 しかし、中国では日本による「侵略」と、それに対する中国人民の「抗日戦争」という価値観しか存在しません。

 そのため、価値判断を考えてこなかった日本人の中には、こうした彼らのこうした意見に直面し、どう反応したら良いのかわからなくなってしまう人もいるようです。

 韓国も日本による「植民地支配」とその「解放」という発想しかありませんが、中国の様に自分たちが勝ち取ったという「事実」がないため、日本に対する感情も更に複雑になるのかと思います。

 そのため、海外で韓国の留学生に日本の留学生がいろいろ戦争問題などで議論を持ちかけられて、まともに対応できなかったという話は何度か聞いたことがあります。

4 1つの価値観

 こうした1つの価値観しかなければ、ある意味「信仰」と同じなので、議論では「無敵」です。因みに私は中国の事案しか知りませんが、知識階級となれば、他にもいろいろ考え方が存在することは知っているので、ここまで無謀なことをする人は少ないかと思いますし、そもそも議論を吹っかけてなどきません(中国に「反日教育」は存在しない(反日デモも言うほど怖くなかった)?)。

 そういう意味でも議論をふっかけてくるような方は、「日本人を懲らしめてやれ」位の気持ちで来る方が多いので、私自身は彼らとこうした議論をしようとは思いませんが、彼がどういう価値観(発想)で行動しているかを知るのは大事かと考えます。

 元記事にあるように、「韓国には韓国の言い分があるじゃん」というのはその通りです。というのは、彼らを議論を挑んできた際に、それを論破しようと(やり込めようと)思ったら、彼らの主張を知らなくては話にならないからです。

5 最後に

 中国あたりは、他国のことを本当に研究しており、A国を批判する際に、中国に同調する意見を述べるA国人の主張を探しだしたり、A国内の論戦を研究して、反対派の主張を引用するといったことがよくあります(中国のノーベル平和賞評価)。

 そういう意味でも反射的に、相手を拒絶するのではなく、相手の主張を理解した上で正面切ってそれに対応するということが必要ではないかと考えます。

 それと、中国では、「日本では歴史を正視しないから、戦争行為に走る」といった論調が良く見られますが(ドイツの戦後処理を賞賛する中国は妥当か?)、そんなことはないということを教えてくれるという意味でも興味深い記事だったと思っています。 

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