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今頃、新自由主義を振りかざす元市民運動家よ

人間だけでなく、組織も含め、“生きとし生けるもの”は、矛盾に充ちています。

カトリック教会とて例外ではなく、ヴァチカン=ローマ教皇庁は批判を恐れず申し上げれば、世界最大の“財テク”集団。「第三世界」のアジア、アフリカ、ラテンアメリカの、善男善女の“なけなし”の寄進を資金運用しているのです。

他方で、意外に思われるかも知れませんが、フランシスコ・デ・ザビエルも創設者に名前を連ねるイエズス会は、伏魔殿のヴァチカンに巣くう守旧派官僚と闘ってきた歴史を有します。

布教活動に入った南米の地で、先住民族のグァラニー族に牧畜や畑作を体得させると共に、1日の労働時間を6時間程度に留めて余暇を愉しむ生活を説く彼らが“邪魔”になった宗主国のポルトガルとスペインのカトリック王政は18世紀半ば、領土からイエズス会を追放します。

2008年、全世界のイエズス会の第30代総長に就任したアドルフォ・ニコラス神父は、上智大学でも35年に亘(わた)って教鞭を執った人物。西語、カタルーニャ語、英語、仏語、伊語に加えて日本語も堪能な彼は、以下の諫言(かんげん)を神学専門誌で行っています。

「福音から生まれたカトリック教会が何故、他の宗教の宗教的豊かさと、それが何世代にも亘ってアジアの人々に齎(もたら)した真の救済を無視し続けられるのか」と。

「論理」どころか「理屈」にも成り得ぬ「排除」の2文字を壊れた蓄音機の如く繰り返す何処ぞの御仁に、爪の垢を煎じて飲ませたい衝動に駆られます。真っ当に働き・学び・暮らす国民に豊かな生活を、と説いていた筈(はず)の御仁は今、自家撞着に陥っているのです。

今年はソ連邦崩壊から20年、9・11同時テロから10年。この間に我々が学んだのは、「米国流の金融資本主義の驕(おご)りと歪みがマネーゲームを肥大化させ、『悪魔の知恵』とも言えるサブプライムローン問題が高じてリーマンショックを齎し、世界経済を破綻の淵に追い込んだ」「米国の正当性の喪失」だった、と畏兄・寺島実郎氏は新春の寄稿で、以下の看破しました。周回遅れで、その新自由主義を振り翳(かざ)す元市民運動家の耳に、その警句は届いているでしょうか?

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