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「年収300万円。出世・昇給・残業なしのホワイト労働」で喜ぶ方々って、正常なインフレ率に戻っても文句言わないんだよね

ツイッターでもちょっと触れたんだけれど、「年収300万円。出世・昇給・残業なしのホワイト労働」とかいう奴。

そういう選択肢はあってもいいと思う。ただこれ、あっさり自分の身を投じるには不安大かな。だってこれって、20年続くデフレ経済だからこその発想だろ。つまり物価や生活コストが変わらない、むしろ下がるという前提の。

近未来、今の異常なデフレ経済が終わって通常のインフレ率に戻ったら、どうするんですかね。日銀のインフレターゲットは2%。つまり年収300万円固定では、毎年年収が2%下がるのと同じなんですが。


企業の定昇というのは本来、従業員をインフレに対応させる「会社の知恵」でもある。デフレ時代に入ってこれが本来の意味を持たなくなり、かつ不景気で定昇が事実上廃止されている企業も多いはず。むしろ下がっていたりとか。

私も今の会社では、ピーク賃金からすでに額面で2割程度下がっている。しかも社会保障費は上がる一方なので、手取り年収は3割減といったところだ。そりゃ飲みにも行けなくなるわ。


それでもインフレ経済に戻れば、定昇は有効にまた機能するはず。それを横目で睨みながら、「300万円昇給なし」の方々は、「ふざけんな給料上げろ」とかおっしゃらないんですかね。

インフレのときだけ「給料上げろ」、デフレのときは「給料固定」なんて、ずるくありませんか。まあ「仕事よりプライベート」という覚悟をもってその世界に飛び込むんだろうから、文句を言わないとは思うんだけどさ。

でも絶対、転職活動するだろうから、事実上、「300万円ホワイト」の世界から脱出するわけで。そりゃなんかずるい気がする。


――とまあ、思考実験にマジレスするのもかっこわるいんでこのくらいにしときますが。これ別に、考えた大石さんが悪いんじゃない。ひとつの提案として面白いと思うので。ただ、この手の「人の考えた」ものに、「我が意を得たり」と無定見に食いつくのはいかがか、ということなんだけど。オチは。

ちなみに大石さんの論考、私は上記のようにシニカルな目で読み始めたけれど、けっこうちゃんとした内容だったので、感心した。


ただまあ、そうしたあま~いストーリーに逃げちゃう若い子が多い世界は、あんまり好きじゃないなあ……。えーとあの誤読されると嫌だから蛇足を書いておくけど、労働基準法を守らないという意味でのブラック企業は嫌いです。残業代減らしたいからタイムカードを先に押させるとか、ごカンベン。

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