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ECサイトはレビュー機能をつけるべきか? / ベビー用品のレビューが1カ所に集まるソーシャルプラットフォーム「weeSpring」

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オンラインショッピングが盛んになるのと同時に、商品のレビューサイトも増えている。また、FacebookやTwitterなどソーシャルメディアの普及が進んだことで、以前よりもクチコミが広まりやすくなった。

2012年に「gooリサーチ」で行われた調査では、商品選定時に「クチコミが気になる」と回答した人は全体の81.6%で、男性と比べて女性のほうが、友人知人などのクチコミを利用する傾向が強い。さらに、全体の81.0%が「クチコミを信じる(信頼できる)」と回答している。

そこで今回は、ECサイトという観点からは少し離れるが、ベビー用品のレビューサイト「weeSpring」をご紹介したい。レビューサイトは巷に数多くあるが、weeSpringのユニークな点は、Facebookと連動させてソーシャル機能を取り入れているところである。レビューサイトの良い点とソーシャルメディアの良い点を、うまく融合させている。

サービス提供を始めたのは2012年12月と最近だが、サービス開始からわずか数ヶ月で、1500点以上の商品に対して合計2万5000件ものレビューが投稿されたという。

選択肢の多さに涙

weeSpringを生み出したのは、Allyson Downey(以下アリソン)氏とJack Downey(以下ジャック)氏の夫婦だ。2人は2004年に、米国の政治家エリオット・スピッツァーの選挙活動を手伝っていた際に知り合った。それから4年後に結婚し、さらにその3年後には子どもが生まれた。

「私は、たまたま起業家になってしまったようなものね。weeSpringをつくったときは、私はちょうど赤ちゃんが産まれたばかりで、『母親』という新しい役割にシフトしているところだったわ」(アリソン)

子どもを持ったことがある方ならお分かりだろうが、いわゆる「ベビーザラス」のようなベビー用品ショップには驚くほど膨大な数の商品が並んでいる。初めてベビー用品を買いに行くときには、ほとんどの人がその選択肢の多さに圧倒されてしまうのではないだろうか。アリソンの場合も同じだった。

「思わず涙があふれてきたわ。哺乳瓶が並んでいる何メートルもの高さの棚を見上げて、気づかされたの。これから子どものためにたくさんのものを買わなきゃいけないのに、自分がまったく何の準備もできていないっていうことにね」(アリソン)

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育児休暇をとっていたアリソンは、子どもをつれて公園を散歩しながら思いをめぐらせた。彼女は、自分の友人たちが信頼している商品を知りたかったが、何か必要なものがあるたびにいちいちメールのやり取りをするのは面倒だった。アドバイスを求めてFacebookで投稿をしていたこともあったが、あるとき、子どもを持たない友人にとっては迷惑なのではと思うようになった。

「親になったばかりの人たちや、もうすぐ親になるという人たちが、自分の子どもに必要なものをもっと簡単に見つけ出すことができる方法があるはず。そう思ったら、もうそのアイデアが頭から離れなくなったの」(アリソン)

アリソンとジャックは、試しに無料のWEBアンケートを作成して友人たちに回答・シェアを求めてみた。設問は、「あなたがよく人に勧めるベビー用品を3つ教えてください」というもの。3つの回答欄とともに、自由記述欄も用意しておいた。

すると1週間も経たないうちに、500件もの回答が集まった。しかも、そのうちの半数が回答を3つに絞り込めず、自由記述欄を使っていたのだ。

これだけたくさんの親たちが、これだけたくさんの「おすすめのベビー用品」を持っているということに後押しされた2人は、ベビー用品の情報をワンストップで手に入れられるプラットフォームとしてweeSpringを立ち上げた。

weeSpringの使い方

ではここで、weeSpringのしくみをご紹介しよう。

ユーザーはまず、Facebookアカウントを使ってログインする。サイトにログインすると、自分が持っている商品のレビューを残すこともできるし、他ユーザーのレビューを読むこともできる。

商品カテゴリーには、「Go(ベビーカー、チャイルドシートなど)」「Eat(哺乳瓶、ベビーフードなど)」「Sleep(ゆりかご、ブランケットなど)」「Clean(おむつ、シャンプーなど)」「Play(おもちゃなど)」がある。

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レビューを残す場合は、自分が持っている商品のページへ行き、まずその商品について「Love(買ってよかった)」または「Regret(買って後悔している)」のどちらかを選ぶ。

weeSpringでは、他のレビューサイトでよく使われている5つ星評価は取り入れていない。オンラインの5つ星評価の平均値は5点中4.2点であり、実はあまり商品の比較に役立たないということがその理由だという。

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「Love」または「Regret」を選択したら、その理由をレビューとして残すことができる。最大文字数が他のレビューサイトと比べて多いため、自分の具体的な経験談を書くユーザーも多いとのこと。また、Facebookアカウントでログインする必要があり、実名でレビューすることになるので、内容も自然ときちんとしたものになる。

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他ユーザーのレビューを読む場合は、weeSpringコミュニティ全体のレビューを読むこともできるし、フィルターをかけて自分のFacebook上の友人のレビューのみを抽出することもできるようになっている。

また、すべてのユーザーは、子どもの年齢、普段の移動手段(車か公共交通機関か)などを登録してプロフィールページを作成するようになっている。自分と近い環境で子育てしているユーザーを見つけたら、その人をフォローすることも可能だ。各ユーザーのプロフィールページには、その人がそれまでに書いたレビューがリストとしてまとまっている。

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各商品ページにはAmazonへのリンクがあるので、レビューを読んで気に入った商品があればすぐにAmazonから購入することができる。または、ウィッシュリストに入れておけば、それを見た友人が誕生日などのイベントの際にプレゼントしてくれるかもしれない。

ベビー用品のYelpを目指して

また、weeSpringの公式ブログでは、ユーザーからよく寄せられるベビー関連の悩み(車酔いしてしまった赤ちゃんにはどのように対処したらよいか、など)に答えている。いずれQuoraのような、ユーザーコミュニティ限定のQ&Aサービスを導入したいとのことだ。

weeSpringの成功要因は、ユーザーがベビー用品に関する情報を集めやすくすることで、彼らの「商品が多すぎて、どれを買えばいいのかわからない」というストレスを軽くしたことだろう。Facebookと連動させて、自分の友人のおすすめ商品をピンポイントで確認することができるという点も大きい。

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weeSpringのミッションについて、アリソンは次のように語っている。

「ベビー用品には、本当にたくさんの選択肢があるわ。何が良いもので何が悪いものなのか、どんなアイテムが必要不可欠でどんなアイテムが必要ないのか、そういうことを調べるのはとても難しいわね。weeSpringは、ベビー用品のYelpになりたいの」

「もし自分の信頼する友人たちからベビー用品に関するアドバイスをクラウドソーシングすることができれば、子どもを持つことが徹底的にシンプルになるはずだってずっと思っていたわ」(アリソン)

weeSpringはあくまでも「ECサイト」ではなく「レビューサイト」だが、このようなソーシャル機能を取り入れた新しいタイプのレビュー機能を導入するECサイトも今後増えてくるかもしれない。

おまけ:レビュー機能とあなたのECサイトの相性を考える。

今回はECサイトの記事ではなかったが、eコマースとレビューはすでに切っても切り離せない関係にある。このような外部レビューメディアの動向は、ECサイトの運営者なら気を配っておきたい。

さて、ここからは本編とは別の話題。ECサイトのオーナーなら「自分の店舗にもレビュー機能をつけたいなぁ。。」とお思いの方も多いことだろう。しかし、レビュー機能は使い方次第で薬にも毒にもなる、リスクの高い施策だ。そこで、導入を検討している方に向けて、僕の考え方を下記に紹介しておく。

あなたがブランドオーナーとECサイト運営を兼ねている場合

ブランドのECサイトにレビュー機能を導入するのは、現時点ではあまりおすすめできない。理由の一つは、否定的なレビューへの対応が難しいことだ。あなたがブランドを運営しているなら、当然ブランドの魅力を伝えなければならない。否定的なレビューはその邪魔になることが多い。だからといって、それを真正面から排除していくと、店外で「炎上」し、ブランド価値を大きく損なう可能性もある。もう一つの理由は肯定的なレビューへの信頼性だ。ブランドサイト内での肯定的なレビューは、どうしても提灯記事に見えてしまう。提灯記事(に見えるレビュー)では顧客は納得できず、むしろ「買わない理由」を求めて、再びインターネットの大海原へ戻っていってしまうことだろう。

肯定的なレビューでも批判的なレビューでも、自社で取り扱うには細心の注意が必要になる。僕は、ここまで難易度の高い施策は後回しにしてもいいと思う。

ブランドオーナーは、レビューと言うよりもコミュニティに近い機能を導入したほうが賢明だろう。レビューに関しては、「weeSpring」のような外部のレビューメディア、ソーシャルメディアとの付き合い方を考えたほうが、良い効果が得られるはずだ。

あなたがセレクトショップのECサイトを運営している場合

あなたがセレクトショップ(複数の他社ブランドを取り扱うお店)の運営をしているなら、レビューは上手に使えれば武器になる。(ある意味、生き残りに欠かせないツールとも言える。)セレクトショップという「中立的な立場」によって、否定的なレビューも肯定的なレビューも「購入にあたっての重要な情報」として顧客に伝えられるはずだ。これを世界で一番活用しているのがAmazonだろう。

店舗運営側としては、顧客の嗜好性を把握するためのマーケティングツールとしても活用でき、MDや仕入管理の判断材料としても機能する。同時に、ブランドサイトの時と同様、否定的レビューを勝手に削除することはご法度であることには変わりがないため、大量に仕入れた商品に否定的なレビューがついてしまうことのリスクは十分理解しておくべきだろう。

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