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オウムに魅力を感じる若者と学校教育

 『産経新聞』が掲載していた「オウム脱会支援の僧侶『上祐は罪を麻原になすりつけて教祖に』」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

 これは、「オウム真理教の信者約40人を脱会させるなど教団と長く対峙(たいじ)してきた日本脱カルト協会理事で日蓮宗僧侶の楠山泰道(65)」に行ったインタビューをまとめたものです。

 最初に「マインドコントロール解除は『死闘』」として、「身の危険を感じた」ことが何度もあることなどを述べられておられます。

 私が、最も興味をひかれたやりとりが「後継団体のアレフが勢力を伸ばしているが、背景として考えられることは」という質問に対する答えです。

 楠山氏は、「オウム真理教の教義は『ユートピア』。ただ、オウムが危ない宗教だと分かっても、人生の重荷を背負った若者たちにとっては、社会で逃げ場所がなくなった。それで、再び教義が生きてきたということです。特殊能力を身につけて自信を得たいと思う人や、オウム事件を知らない若者が増えているのも問題です」と答えております。

 これ以外にもいろいろやりとりがあり、「上祐(史浩)は・・・罪を麻原に押しつけ、アレフを批判して教祖として生き残るのは、ずるい考え方です」と述べていたり、マインドコントロールに対する「伝統仏教教団の怠慢」を批判しているところもあります。

 最後は「社会がカルト宗教やマインドコントロールのシステムをしっかり認識しておくべきですし、中学・高校での予防教育もするべきでしょう。社会があまりに無頓着すぎます」と終わっています。

2 同一性の圧力

 「社会で逃げ場所」がなくなったというのは個人的に大変良くわかる話です。日本の場合ある程度コースというか生き方のようなものが定められており、それを外れて生き方をすることはかなりの労力が必要とされます。

 学校教育が典型かと思いますが、モデルとされる「型」があり、それに沿った教育が行われます((学校)教育の目指すものは何か)。

 個人的には「型」は極めて大事だと思いますし(挨拶という1つの「型」を嫌う人達2)、「教育」といっても、何のモデルもなくできるはずもないので、こうしたことになるのは仕方がない面があるかと思っています(教育はマニュアル化されるべきだが、教師はどうか?)。

 しかし、最後は程度問題で、どこまでこうした教育を容認するかという話かと考えます。こうした弊害に対する一つの模索が「個性」の育成という「お題目」ですが、他人に「個性」が育てられると考えること自体がかなり不遜な発想だと思います。

 結果、皆が皆同じことをすることが求められ、それが故に、(最近いろいろ例外があるものの)ルールを守ることが重んじられたり、他人の行動を予測しやすい(ある程度の教育水準は期待でき)、質の高い労働者足りうるといった長所があります。

 ただ、その一方で、他人の目を気にせざるを得なかったり、同一化圧力が強く、日本における生きづらさの様なものの原因になっていると考えます(日本人が規律正しいのは幼児教育の結果?)。

3 逃げること

 結果こうしたことに嫌気がさし、「特殊能力を身につけ」るなど、別のところに行きたいと思う人がいても何の不思議もないと考えます。

 元記事では、「予防教育」という話をしておられますが、私はこうした、より根本的なところが変わらないと難しいのではないかと思っております。

 前に書いた様に(うつになる可能性と「逃げる」こと)、「逃げる」ことも時には必要であり、自殺とか過労死といった末路を選ぶより、遙かにましまだと思っております。

 ただ、社会全般としては、ある程度の脱落者を生んだとしても、現代社会がもとめる最低水準を満たした(均一の)次世代を担う者(労働者)を作り出す必要があり、現在の体制はなかなか変わりにくいものだと考えてもいます。

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