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投げすぎが問題だって?

以前にも少し書いた記事だが…。高校野球の季節である。そして毎年高校球児の投げ過ぎが問題になるのがこの季節でもある。メジャーリーグにわたる選手が増えたせいか、以前以上に最近はこの投げ過ぎの問題にいろんな人が意見をしているように思う。

そもそも投げ過ぎの問題は僕が小学生の時からあったし、アイシングの義務化とかいろんな対策が取られてきた。また、僕が小学生のころに比べればはるかに甲子園に出ても複数の投手を使う監督が増えてきているのが事実のように思う。

なんか、僕は最近は偽善論に基づいた、あるいは福島みずぽ流の安心安全が一番という考え方に基づいた投げすぎ批判論が多いような気がする。

そもそも昔はプロでも何連投もするのが当たり前の時代だったしそのせいで肩を早くに壊した選手もいればそれでも投げ続けた選手もいた。そして、投げすぎ批判論の多くは投げすぎると肩が早く壊れるというデータや研究を全く示していない。一部の議論は「そのようなデータは存在しない」ことを認めたうえでアメリカの受け売りで投げ過ぎはよくないと論じたりもしている。個人的には目を覆わんばかりの状況のようにも感じるのだ。また、自分でもインターネットでざっと検索をかけるのだがいつもそのような根拠を示した論文のようなものに出会うことがない。

さて今日はちょっと自分なりに投げ過ぎについて考えてみたことを書いてみたい。前提として投げ過ぎは肩を平均的には壊す可能性が高いとしてみる。

しかし、それでも投げすぎが容認される場合は多々あると僕は思う。

まず、シンプルに才能がない選手は才能がある選手に打ち勝つためには練習をより多くしないといけない。そうするともちろん、いろんなトレーニング方法があるが最終的にはよりよいコントロールやよりよい投球ホームを身に着けるために練習でより多く投げる必要が才能が乏しい選手には必要だろう。あるいは、より多くの試合をこなすことで実戦的な投球術を身に着ける必要があるかもしれない。

要は、才能がない選手は肩を犠牲にしても練習をするというリスクを冒す必要がある。その結果として才能がよりあるセンスに打ち勝つことができるかもしれない。それは高校野球というステージのみならず生涯においてもだ。そう考えると「投げすぎ」の制限が本当にすべての高校球児のためになるかはわからない。要は勉強をしすぎると、目が悪くなるだとか社会力が身につかず幅の狭い人間になるだとかいって才能のなさを努力でカバーしようとしている生徒に対して制限を加えるのと同じ行為というわけだ。それは正しいのだろうか?

また、以前の書いたが、ほとんどの高校球児はプロ野球選手にはならない。人生の経験・思い出として昇華しようとしている高校球児にそのような制限をかけることは大人の身勝手な押し付けのやさしさの可能性もある。

また、全国規模の大会の甲子園で活躍すれば、仮にプロになる才能がなくてもあるいはそのことで肩を痛めても、大学進学や企業への就職、地元でのその後の人生において大きなプラスの影響があることは容易に想像できる。そうすると投球制限によって甲子園で活躍できなかった場合とどちらが充実した人生を送れるか?どれだけの多くの所得を得られるか?という問題への回答はそんなに単純じゃない。投げ過ぎがその人間の人生にとっては一概に悪いとは言い切れないことは容易にわかる。

またプロに行って高校時代の投げ過ぎのせいで20代で燃え尽きたとしても、早期引退が必ずしもマイナスではないだろう。若いころからヒーローで活躍した場合のほうが解説者としては人気が出やすいかもしれない。早めに引退して指導者の道を選んだ方が幸せな場合も多いだろう。何が人間の幸せかはわからないと思うのは僕だけだろうか。

投手を酷使する学校とそうでない学校・指導者はスカウトを受けるような生徒にはある程度情報があるだろう。だから、それを覚悟でそのような学校に入るのか、それとも別に行くのかの選択の余地はある。たとえば投げ過ぎに対して球数制限や回数制限をつけるくらいならば、まずは選手にどれくらい投げさせているかを情報公開する方がいいのではないだろか?ただ、試合で投げさせているのと実際に練習でどれくらいブルペンで投げさせているか?また練習試合でどれくらい投げさせているかは比例しない可能性もあるからそのような規制は無意味に終わる可能性は高い。

アメリカに見習って・・・。みたいな議論をする人は多いがアメリカでも肩を壊す選手は多い。また選手の特徴によって投げても大丈夫な投手もいれば投げ過ぎては壊れやすい投手もいるだろう。今の投げ過ぎだだめだ議論は非常に短絡的すぎるし、そもとも投手が壊れることがだめだという前提に基づきすぎている。人生はリスクにあふれているし、上述のようにすべての選手がプロに行くわけではない。もっと幅広い観点からの議論が必要だし、プロ野球界や高校野球界はもっとそのようなデータについて研究すべきだろう。

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