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質問主意書を提出しました1/2 ━━麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問主意書

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8月7日までの短い臨時国会が始まりました。
時を合わせるように、麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」があり、また集団的自衛権の行使をめぐってさまざまな動きが出てきました。

国内外の批判を受けて麻生副首相は発言を撤回しましたが、あくまで例示としての「一部撤回」に過ぎません。しかも、国内外で問題にされているのは麻生副首相の基本的な歴史認識、そして麻生副首相を起用し続ける安倍首相の歴史認識です。

そもそも「ナチス憲法」ってなんでしょうか。

本日、政府に下記の2本の質問主意書を提出しました。
※これらに対する政府答弁書は、8/13(火)に閣議決定される予定です。

麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問主意書
集団的自衛権の行使に関する質問主意書

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麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

平成二十五年八月五日

提出者  辻元 清美
衆議院議長  伊吹 文明 殿

麻生副首相は、七月二九日に開催された国家基本問題研究所のシンポジウムで、下記の通り発言した。

「僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)三分の二(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。(略)ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。 (略)

靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。(略)日露戦争に勝った日でも行けって。(略)いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。

憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。」

この発言に対する国内外からの非難を受けて麻生副首相は八月一日、「喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところである。(略)この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」と発言を一部撤回した。

しかし、たとえ憲法改正問題の例示としての発言は撤回しても、問題になっているのは麻生副首相の歴史認識そのものである。

ナチスに関する歴史的事実を確認すると、一九三三年、首相就任直後にヒトラーは国会を解散させた。選挙期間中の「国会炎上事件」を口実に、ヒトラーの要請で大統領緊急令が発動されて基本的人権を保障する憲法の七条項が停止され、政府は多数の共産主義者、社会民主主義者などを弾圧・逮捕した。ドイツ全土で突撃隊員(SA)が民家に押し入り、逮捕者の拷問を行い、民主主義諸政党の集会や出版は禁止・妨害された(一説ではこの選挙期間中に、五〇人以上の反ナチスが殺害されたとされる。)。また中央政府による便宜と大企業からの資金提供を背景に、国営ラジオ、大集会、掲示板など、あらゆる広報媒体を通じてナチスの宣伝が行われた。

しかしそれでもナチスは過半数の議席を得ることはできず、ヒトラーは、政府が国会に諮ることなく独断で法律を制定できるとする「全権委任法」の成立をはかった。その成立には三分の二の議員承認が必要だったが、ヒトラーは必要数の野党議員を逮捕して決議への参加を阻み、同法は成立された。この後ヒトラー政権はナチス以外の政党を認めず、労働組合や政党を一元化するなどして、ファシズム独裁国家をつくりあげた。これらは周知の事実である。

一九三三年の選挙でナチスの得た多数の議席は、テロと威嚇、反対者の不当逮捕などを通じて得たものであり、真の意味で合法的なプロセスであったとは言い難い。「ある日気づいたら」「誰も気づかないで」「みんな納得して」ファシズム独裁体制がつくられたという認識を、首相・外相経験者である現副首相が持っているとしたら、国際社会で日本が信頼を得るのは難しい。

安倍内閣はいきなり憲法第九条改正を出すのではなく、憲法改正手続のハードルを下げるためにまず第九六条改正を、と主張した。しかし、ワイマール憲法については憲法そのものに手をつけるのではなく、より簡単な新法制定(全権委任法や政党新設立禁止法など)によって憲法の形骸化が図られた。麻生副首相の「ナチスの手口に学べ」という発言が、こうした手法を参考にすべきと訴えるものであれば、憲法は国民が権力者をしばる道具であるという立憲主義の根本的価値の危機である。同様に政府が「静かにやろうや」の方向性で、内閣法制局長官人事などを通して、憲法を変えることなく集団的自衛権の行使を可能にしようとしているのであれば、これまで立法府で積み重ねられてきた答弁を形骸化するものである。

また、「いつから騒ぎにした。マスコミですよ(略)静かにやろうや」と、憲法問題や靖国参拝問題について、副首相という要職にある人物が報道機関の自主規制を求め、国民的議論を封じるような発言をすること自体が異常である、と考える。

本発言の背景となる麻生副首相の歴史認識について、早急に明らかにすることが必要である。また、安倍首相は本件について見解を述べていないが、麻生副首相の責任を問わないのであれば、麻生副首相の「撤回されていない発言」や歴史認識について是認しているものと考える。そのこと自体が国内外からの批判を呼ぶことになるため、安倍首相自身の見解も同時に問う必要がある。

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