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「ナチス政権の手口」についての麻生発言に関する質問主意書

「ナチス政権の手口」についての麻生発言に関する質問主意書

 麻生太郎副総理兼財務大臣は本年七月二十九日、都内での講演において、「「静かにやろうや」ということで、ワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。」と発言したと報道されている。

麻生副総理兼財務大臣は同八月一日、右記発言を撤回したが、この発言の問題性は何ら変わるものではない。

ところで、ドイツの高校教科書「ドイツの歴史「現代史」」(明石書店刊 世界の教科書シリーズ十四)では、「帝国議会放火事件と「権力掌握」 ナチス党にとっての絶対多数、あるいは憲法改正の成立に必要な得票獲得を目標に据え、ヒトラーは首相としての宣誓を前に既に新選挙の実施を企て、ドイツ国家国民党の抵抗を押し切ってこれを強行した。二月一日帝国議会は解散に追いやられ、三月五日に選挙が行われることになった。二月四日、帝国大統領の緊急布告の下に、新聞や政治集会の統制令、及びプロイセン地方議会の解散命令が発せられた。ゲーリングが内務大臣代行となり、同時にプロイセンでは、警察庁長官に突撃隊(SA)が、鉄兜団員が予備警察隊に就任した。

選挙戦はナチス党によって先導され、突撃隊と親衛隊の両機関が動員されて、プロパガンダや街頭テロなどのあらゆる手段が駆使された(「国家の敵」に対する発砲命令)。二月二十七日にベルリーンの帝国国会議事堂が炎上し、このときヒトラーは、彼の提唱によりそのときまで議論が重ねられてきた非常事態宣言(焼き討ち襲撃)を利用し、実際にそれを発動した。ヒトラーは、ワイマール憲法第四十八条による緊急命令をヒンデンブルグ帝国大統領に発布せしめるべく、このような襲撃を行ったのである。「国民と国家の保護のための保安命令」に関して、すなわちいわゆる「緊急令」に関して、二月二十八日、憲法に規定された古典的な控訴権をも含む基本権が無力化された。さらに、国家反逆罪ならびに国家機密漏洩罪に対する死刑案も導入された。その結果、実質的な法国家原理は、形式的な法規定に基づき一九四五年まで廃止されることとなった。つまり法治国家の核心が法に基づいて廃絶されたのである。とはすなわち、国家の恣意的な召喚から市民の私的領域を保護する法国家の核心が廃棄されたということである。つまるところ、国家の名における専制政治が第三帝国の体制の本質となった。「緊急令」はナチス党に対し、ドイツ共産党を放火犯に仕立て上げ、党の幹部を大量に逮捕し、党そのものを粉砕する可能性を与えた。確かに、帝国国会議会の放火裁判においては、すべての共産主義者の被疑者は無罪を宣告され、結局オランダ人のファン・デル・ルッベのみが有罪と認められることにはなったが、しかし、ドイツ共産党の幹部の過半数はまったく恣意的に逮捕され、ドイツ共産党の各組織は非合法でのみ、また亡命地でのみ抵抗活動を続けることが許された。社会民主主義党もまた、選挙期間中、逮捕や活動禁止に脅かされ続けた。」と記載されている。このように、ナチスドイツは国会襲撃事件をでっち上げ、各政党を弾圧し、ナチスに反対する人々は襲撃を受けた。暴力が横行し、基本的人権が保障されない社会がつくり上げられてしまった。

また、法治国家崩壊の総仕上げとして授権法が制定され、ワイマール憲法が保障する基本的人権は無に帰した。右の点を踏まえ、以下質問する。

一 麻生副総理兼財務大臣は「ナチスドイツの手口を学ぶ」としているが、前文に述べたナチスドイツの、どの手口を踏襲するつもりか、手口の具体的内容について、明らかにされたい。

二 安倍内閣は、前文のようなナチスドイツと同じ行為や施策を行うつもりか、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

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