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麻生発言と集団的自衛権と憲法9条の「改正」と

 ナチスがワイマール憲法を無効にした手口に学べという麻生発言と、集団的自衛権発動の容認論者を内閣法制局長官に据えるという人事と、相次いで選挙後の安倍政権の本音が見えてきた。前者についてはマスコミでも批判の嵐になったから、任せておけばいいかと思っていたところ、「花てぼ」さんのブログでも本気で怒っているのを読んで、こちらの気持にも火がついた。

 誰かが書いていたが、ドイツでは憲法が「ナチス憲法」に変えられたわけではない。緊急時の授権法を通すことで、ヒトラーがワイマール憲法の効力を「停止」したのだった。理想は結構だが、今はそれより大事な緊急対策が必要というわけだ。日本国憲法も、「解釈改憲」という方法で実質を変えてきたから、ナチスの手口は非常に参考になる。麻生発言は正直だった。

 先月末の老人党護憲+(ぷらす)の例会では、中井厚さんから、憲法や裁判制度についての豊富な資料を提供していただいた。その中に自民党が昨年4月に決定した「日本国憲法改正草案」の完全コピーがあり、現憲法との対比もしてある。憲法9条を、どうしたいのかを見てみよう。

☆現行憲法 第二章 戦争の放棄 第九条

 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

★改正案 第二章 安全保障 第九条(の一)

 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。

 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

(この後に第九条の二として「国防軍」が、第九条の三として「領土等の保全等」が追加される)

 

 これを一読して、どう思われるだろうか。最初の「……を誠実に希求し」までは一言半句も変っていない。日本の平和主義は守られたと思うだろうか。自民党の狙いは、「平和主義は堅持します、安心して下さい」であるのに違いない。しかし次項の「自衛権の発動を妨げるものではない」以下で、戦争のできる「ふつうの国」になりたいのがわかる。

 およそ近代以降の戦争で「自存自衛のため」以外の理由で始ったものが一つでもあっただろうか。戦争を廃絶するたった一つの道は、戦争自体の絶対否定でなければならず、それ以外では過去の繰り返しになる。戦争は紛争を解決しない。それは同胞の死をもって悟った日本の知恵だった。改憲に理由ありと思う者は、自ら戦場に立って、人を殺し殺される覚悟があるのか。

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