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防衛計画の大綱改定に向けた検討中間報告レビュー

年末の防衛計画の大綱改定に向けた検討の中間報告が発表されました。

防衛力の在り方検討に関する中間報告について

内容は、中間報告であるためか、抽象的で方向性を出しているに過ぎませんが、注目すべきポイントを抜き出して解説します。

5 防衛力の在り方
(2)防衛力の能力評価
当該能力評価は、これまでの陸・海・空自衛隊の枠にとらわれず、統合運用の観点から自衛隊全体の機能・能力に着目して評価を行い、防衛力整備において重視されるべき機能・能力を導出する

海・空は洋上及びその上空での敵戦力の撃破を、陸は本土決戦を考えるという従来の発想からは脱却することになりそうです。

各種事態への実効的な対応の項目については、具体的な各種事態として5つが上げられています。

各種事態への実効的な対応
 ①警戒監視能力の強化
 ②島嶼部に対する攻撃への対応
 ③弾道ミサイル攻撃及びゲリラ・特殊部隊への対応
 ④サイバー攻撃への対応
 ⑤大規模災害等への対応

当たり前な話ですが、本格的な侵攻対処は入っていません。

陸自の指揮系統については、ついに手を付けるようです。

海上及び航空自衛隊と異なり、全国にまたがる部隊の運用を統括する司令部を有しない陸上自衛隊において、中央指揮組織の設置及び当該組織と各方面隊の関係の在り方について検討を深化

これは、当ブログでは再三言ってきた事ですが、基地等の防護をやっと真剣に考えるようになりそうです。
陸自の普通科部隊は、今以上に重要になるでしょう。

運用基盤である駐屯地・基地等の各種支援機能が維持されていることが前提であり、駐屯地・基地等の復旧能力を含めた抗たん性を高めることが極めて重要である。

防衛省としては、「別表は必要だ!」と主張しています。

大綱別表は、このような中長期的な視点に立ち、我が国が目標とする具体的な防衛力の水準を示すと同時に、我が国の防衛力整備に関する透明性も確保してきている。
このような別表の意義を踏まえれば、別表は引き続き維持すべきである。

さて、特徴的な部分は以上です。

全般として、目に付いたキーワードは「統合」です。
統合自体は、今までにも再三耳にしている言葉ですが、防衛力の評価にも統合を前提として考えるという点は、大きな変化を予感させます。

駐屯地・基地等の支援機能維持を大きく謳っている点からしても、陸自の役割は、島嶼作戦以外では、後方の守りを固めることに重点が置かれそうな予感がします。
当ブログでは再三訴えてきた方向なので、非常に歓迎すべき傾向だと思っています。

逆に、無いことが違和感を覚えるキーワードは、「動的防衛力」です。
今更「基盤的防衛力」に戻ることも無いと思いますが、機動展開能力の向上を謳いながら「動的防衛力」あるいはそれに類する言葉が皆無であることには違和感を感じざるを得ません。(民主党に対する意地でしょうか)

全般として、抽象的で、量も少ないため、詳細については不明な点が多いですし、考えられる施策を全て行うと、予算的に無理があると思われるので、実際に発表される大綱には差異も出てくると思われますが、大綱は期待してよい内容になりそうです。

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