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エジプトクーデターに関するイスラエル紙の分析

エジプト政変については未だにクーデターであるとかないとかの議論があるところ、28日付haaretz net は「エジプトの政変は同胞団の失敗を示している」と題する分析を載せています。

内容的には、何が失敗であったかが書いてなく、その点では羊頭狗肉ではあるが、今回の政変は軍を中心とする勢力がムバラク時代に戻そうとしていることを示したと規定しており、この分析が正しいか否かはさておいて、どうにも判りにくいエジプト政情について、隣国として重大な関心を有している有力紙の分析として興味があるので、記事の要点のみ次の通り。又アラブ諸国のイスラム主義政党の後退に関する分析も面白い。

但し、このhaaretzはリベラル系と言われるので、軍のクーデターに対しては厳しい見方をする可能性が多いとも思われる。
エジプト軍のクーデターはエジプト革命の民主化の一過程だと考えていたものは、ムルシ―を陰謀、殺人、スパイの罪で訴追するとの26日の発表は、その幻想を打ち破られ、クーデターは軍を中心とする旧勢力がムバラク時代へ逆戻りをするためのものであることを明確にした。

ムルシ―と同胞団が革命当時ハマスの刑務所脱走を助け、ハマスとともに警官隊を襲ったなどと言う主張は、当時の同胞団がむしろ革命に対して非常に憶病であったことや当時知られていたこのからも明らかな嘘である。

事実は警官たちが報復を恐れて制服を脱いで逃げだしたのである。

革命後軍幹部はハマスがシナイ半島でのイスラム過激派を助けて、ガス管爆破等でエジプト経済に害を与えたと非難してきたが、今や同胞団を政権から追い出すだけでなく、民主革命に泥をぬろうとしている。

26日の軍支持のデモの直後に警官隊により多数のムルシ-支持派が殺されたという事実は、この弾圧が前からよく準備されたものであることを物語っている。西側特派員は突然カイロ上空のヘリ飛行に招待されている。

ムスリム同胞団はかつてない困難に直面している。その支持者は白昼堂々と射撃され、指導者は裁判にかけられようとしている。

かつて同胞団は政治的に洗練され、本能的に慎重であると思われてきたが、再起の状況はその失敗を物語っている。

しかし、同胞団だけがアラブ世界で困難に直面している訳ではない。

チュニジアでは世俗主義政治家の暗殺を契機に労働組合のゼネストで政府は麻痺している。ナハダ政府はスムースに国を運営し、憲法を起案し、経済を回復し、過激派勢力を抑え世俗派とのバランスを取ることに失敗している。

リビアでも第2の政党でイスラム主義の正義開発党に対する怒りが高まっている。治安関係者や政治活動家の暗殺に同党が関係ないとしても、群衆の怒りが向けられ、トリポリとベンガジの党事務所が襲われた。

1年前にアラブ世界で最も古く最大のイスラム主義政党が代表的な政治勢力になると思われていたが、その野心がその没落をもたらした。

エジプトのみならず、シリアでもこれまでの自由シリア軍の根幹であった同胞団は、より過激なイスラム勢力のヌスラ戦線等により影響力を奪われた。

トルコのAKPも大きな困難に直面している。

サウディのような敬虔なイスラム国家も同胞団を支持せずに軍を支持している。

近日中にエジプト、リビア、チュニジアのイスラム主義政党は本当の試練に直面するであろう。

これらの国では数百万人が選挙で、これら政党を支持したが、軍の銃口の前で同じように多くの国民が支持するであろうか?

http://www.haaretz.com/news/middle-east/.premium-1.538273#

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