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  • Willy

デトロイトは今日も平和です

なんだか、日本のニュースでもずいぶんデトロイトが話題になっているようだ。

デトロイト市の破綻は、地方公務員退職者の年金や健康保険などが 厚遇されすぎているという問題を浮き彫りにしたという点でインパクトは大きいが、 破綻したから急に暴動が起るとか、全世帯停電するとかいうことはなく、 いつも通り至って平和である。

デトロイトというと怖い廃墟のイメージがあるが、そのピークは何年か前のことで、 一昨年あたりから連邦の予算がついて次々と廃墟が壊されて空き地が増え、 今年はそこに生え揃った芝が綺麗というのがトレンドである。 芝刈りの予算がなくなって荒れ地になる前の今年あたりが、 むしろ一番状態がいいかも知れない。

昨日も、デトロイトから郊外に延びるメインストリート、 ウッドワード・アベニューを北上して帰ってきたが、 相変わらず、のどかな雰囲気である。

信号が赤に変わったので車を止め、ふと横を見ると、 動かなくなったボロい車を一人で手で押している初老の男性が。 身長190cm超、体重100kg以上もあろうかという巨体だが、 セダンの窓を開けて前後の座席の間の支柱(いわゆるBピラー)を 両手で握って横に動かしている。 腰を痛めそうな体勢だが、 パワフルなデトロイターは意に介さないようだ。

今度は、小さなガソリン用のポリタンクを持った若者が道路をななめに横切った。 燃料切れで止まった車に入れるガソリンを買いに行く時に、よく見られる光景だ。 交差点のまわりを眺めると、 もう廃車になっていても良さそうな車が停止線で止まっている。 ああ、あの車か、と思ったが、中には一応、人が乗っている。 若い女なので、さっきの若者のカノジョかも知れない。 いや、もしかしてその車は関係なくて、若者の車は別にあるのかも? と思ってまわりを見たら、今にも止まりそうな車がたくさんあって、 どの車が止まってしまったのか全然分からない。

そういえば、その交差点にはストリップクラブがあるようなのだが、 そんな貧困地域で誰が金を払って入るのだろうか。 逆に、安全な地域からわざわざ人が訪れる様な場所にも思えない。

ともかく、そんな場所で好奇心を発揮して車を降りて 車を一緒に押したり、知らない店に入ったりでもしない限り、 今日もデトロイトは、とても平和なのであった。

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