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原作陵辱 - 品評 - 風立ちぬ

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観賞後、これは黙っているしかないと思ったけど、これではそうも行かない。

よろしい。ならば申し上げよう。

金返せ。

作品としては認められても、製品としては認められない。

そう、本作は作品であると同時に製品でもある。

面倒でも製造者責任を追求しましょう。責任者自ら右のように言っているわけですし。


本作「風立ちぬ」は、「天才なら何しても許されて当然だよね」というクリエイターの増長に、「天才だから何をしても許すべき」だというプロデューサーの誤解が交わって出来た鬼子。

ここでいうクリエイターは宮崎に限らず、プロデューサーも鈴木に限らない。

この「増長と誤解より生じた鬼子」は、冒頭から終劇まで産声をあげまくっている。いや、冒頭どころか主役の声をあてた庵野がKDDIのCMに登場するので、生まれる前から怪気炎を吐いている。

まず、夢と技術と子供に対する甘え。主人公堀越二郎は、夢の中で自分で作った飛行機を飛ばすのだが、なんだあのエンジンは?スロットルバルブがくるくる回るってどんだけ?「無知な子供だし夢だし」というなかれ。機体の方は、翼端が鳥の翼のようになっているなど「夢物語」である部分を引きずりつつも、それでもなお実際に飛べてもおかしくないように描かれている、つまり夢見られているデザインされているのだから。

次に、歴史に対する甘え。堀越は実在の人物で、つい30年前まで存命だった。まだ著作権が消滅しないほど最近だ。私自身は、史物はどうネタにしてもよいと考えているたちで、戦国武将を萌え少女にしようが真田幸村を阿闍羅王にしようが、面白ければいいと考える一方、「素材」として用いるには「生気」が「枯れて」歴史化が完了しているまで待つべきとも考えている。はたして堀越はそのような人物であったのだろうか。

「女に対する甘え」は、すでに少なからぬ指摘があるのでここでは控えよう。しかし男の私ですら胸糞が悪い思いをしたという気持ちは本blogの読者に甘えて吐露させていただく。

しかしこれらを全て大目に見ても、(他の)「天才に対する甘え」は看過しがたい。もう故人である堀越はさておき、その声を庵野秀明というのは罰ゲームか何かなのか?彼がまだ単なる素人声優であればそれもまた乙だったのかも知れないが、これはもう素人人間の域ではないか。なんでエヴァの人物があんなアンリアルなのかよくわかったよ。この御仁、使徒の気持ちはわかっても人類の気持ちはわかんないんだもの。そういうレベルの天才。彼をこのような形でさらし者にしてよいのは、安野モヨコその人以外存在しないのではないか。

【レポート】『風立ちぬ』を観た岡田斗司夫が声優問題についてまさかの謝罪! - 岡田斗司夫なう。
それがぴったりに聞こえてしまって、もう今後、日本では零戦の開発者というと庵野の声が頭の中に浮かんでくるというくらいの状態になるというのがベストなんですけども

いやいや、岡田さん、申し訳ありませんがこの「謝罪」は受け入れられませんしそれ以前に間違っています。カントクの「戦友」たる岡田さんは、カントクの代わりに頭を下げる立場にあっても、零戦の開発者の代わりに頭を下げる立場にはないでしょ?

史上最も有名な天才も、こう言っています。

画像を見る Talk:Albert Einstein - Wikiquote
Everybody is a genius. But if you judge a fish by its ability to climb a tree, it will live its whole life believing that it is stupid.

誰もが天才だ。でも魚の能力が木登りでおしはかられたら、魚は一生自分が間抜けだと思って過ごす羽目になるだろう。

そんなに木登り魚をみたいんですか、みなさん?水族館行きましょう水族館に

そうそう。本作は映像の音楽に対する甘えでもありましたね。本来なんの接点もなかったはずの堀越二郎の人生と堀辰雄の作品も、ひこうき雲という沈頭鋲なら接合できちゃうわけです。のユーミンも掛け値なしの天才ですよね。荒井だった頃は少なくとも。

天才は、大目に見てもらって大物になります。

本作に登場した天才たちは一人の例外もなくそうですし、天才かどうかはさておき、私自身大目に見てもらったからこそ今があります。これまで大目に見てくださったみなさん、本当にありがとうございました。これからも大目に頂けるとうれしい。

だからこそ、気に障らずにはいられないのです。

天才が天才を愚弄し侮辱し、そして自らが天才であることを、それに気づかぬことの免罪符として振りかざすことに。

Dan the Sucker

追記:一番大事なのを忘れていた。それは虚構を避け、現実に逃避したという甘え。天才技師と薄命美女の恋愛と航空機というガジェットへの偏愛を描きたいという想いそのものに問題はない。しかしその素材が堀辰雄であり、堀越二郎であり、庵野秀明であることにいかなる正当性があるのか?野坂昭如だって、火垂るの墓を自叙伝として書かずに登場人物を虚構してるのに。

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