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ネット選挙考

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写真は、7月18日付・ 中日新聞 「松阪・紀勢版」

21日に投開票の行われた松阪市議会議員選挙は、参議院議員選挙と同日選挙だったことから、これに間に合わせ法改正されて実現した「ネット選挙」を地方選では全国で最も早く体験できる恩恵を受けた。それに伴って、マスコミの注目度も高く、一地方都市の市議会議員選挙にしては珍しく、わたしだけでも新聞4社から取材を受けるという体験をした。候補者の一人として体験したネット選挙について一応の報告をしたい。

従来、公職選挙法は、選挙期間中の文書図画(とが)の配布を禁じているが、ネットもそれと同様の扱いとしてきたため、告示以後のホームページやブログ等の更新を禁じていた。
ネット選挙とは、狭義において、その更新を可能とする内容である。

そのネット選挙が想定しているのは、ホームページ、ブログ、facebookなどのSNS、動画、電子メール。

特に、安倍総理が参院選を前にfacebookを始めたことが政治の世界のfacebook利用を加速したようで、現職の松阪市議会議員の間でも、facebookがネット選挙に不可欠なツールと受け止められたようで、今年5月ごろから新たに始める人が増えた。

わたしは、ネット選挙とは無関係に2010年3月からfacebookを活用しているが、選挙ということで意識したのはブログのほうだった。

わたしが選挙上、facebookを重要視しなかったのは、facebookにおいては「友達」との交流を中心としてきたこと、たまに政治ネタを書いても反応が乏しいこと、さまざまな立場の「友達」がいるので特定の議員の発言に反応を示しにくいこと、それに、不特定多数の人への「公開」とはせず、閲覧できる範囲を「友達」限定としてきたことなどが理由。

それに対してブログのほうは、もともと、市議会議員としておおやけに向かって発言していく場としてとらえているので、わたしにとってのプライベート空間であるfacebookとは違って、最初からパブリック空間であるとの意識が強い。立ち寄って(アクセス)いただく方々も、海住個人というより、初めから市議会議員・海住は何を考えているのかを知ることができる場だることを期待していらっしゃるのだろうと思う。

そんな中にあって、選挙こそ、もっとも、どの候補が何を考えているのかを見たいと思う機会であるのに、そのときには更新できないということに不都合は感じていた。
ネットを選挙対策上十分に活用したわけではないが、ブログ更新が認められたことは歓迎する立場だ。

しかし、中日新聞(7月18日付)記事によれば、今回から立候補時に申請が必要になったブログ等のアドレスの届け出者は、32人の立候補者中、12人にすぎなかったという。
候補者の3分の1だけが、選挙運動の中でブログ等の更新があり得ることを選管に“登録”したということだが、実際どの程度活用され、有権者の判断ないしは候補者の選挙運動上に有効となり得たかどうかは、有権者のご判断を待つしかない。

ところで、ネット選挙と言われる中で、政党などが考えたことは、ネットを活用していかに選挙を有利なものにしていくかという戦略・戦術的なものだったのだろう。
ただ、わたしのように、まったく一個人で選挙運動を行う者は、何をどう活用すれば有利に作用するかなど考え実地に移す余裕(時間・体力)はなく、できるだけ「普段通りの“更新”+合法となった活用」を念頭においた活用を図ることとした。

ふだんのブログや、文書に書けない情報で唯一というくらいに書くことのできる新たな情報は、個人演説会の開催日程だ。
従来、個人演説会を開催しようにも、配布文書は違法となるため、事前にお知らせできるツールはなかった。できるのは、開催日直前の選挙カーからの呼び掛けだけだった。それでは自ずと限りがある。

そのような実用度合いはともかく、ネット選挙は、せっかく合法になったのだから、選挙運動期間中の7日間は、普段よりもマメに、毎日更新しようと決めたこと。
そして、その通り、実行した。

ただし、内容面においては十分に構想を立て、精査する余裕はなかった。

ただ、選挙運動期間中の7日間以外の普段の更新もあるので、7日間以外の発信内容から、およそどのような候補者であるのかは理解していただけるのではないかとの考えはあった。

けれど、選挙運動期間中の7日間というのは、普段、ブログに記事を書いている議員としてはかなり特別な7日間である。
なぜかと言えば、それ以外の日に、○○の選挙に、わたしに一票をお願いしますとは言えないが、この7日間だけは特別な7日間。
選挙に関して自由にものが言える、言論解放の日々である。
そうした中身自体に、普段以上の中身があるわけではないが、普段はゼッタイにやれない選挙ポスターそのものや、選挙公報に掲載した文面をアップした。
そのことで得票増を期待できるものではなく、にぎやかしのようなものである。
ふだん、できないことをやれる体験をしてみたかった。

ネット選挙は、候補者のためのものにも見えて、本来は有権者のためのものである。
街頭のポスターや選挙カーからの宣伝、選挙公報だけではわからない候補者の政策なり人等を見る情報源として機能しないといけないが、まだまだだったというのが実際のところだろう。

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