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窃盗症(クレプトマニア)について知ってほしい

過日ネットを見ていたら、次のような記事を見ました。埼玉新聞のものです。

>2013年5月28日(火)
万引で逮捕の町職員を懲戒免職/上里町
 上里町は27日までに、今月11日に東京都渋谷区の衣料品販売会場で万引して警視庁渋谷署に逮捕された水道課の境野良一主査(57)を懲戒免職処分にしたと発表した。処分は24日付。

 町によると、境野主査は11日午前10時55分ごろ、衣類6点4万7670円相当の商品を万引し、警備員に見つかり、同署に逮捕された。境野主査は2011年11月にも東京都江東区の衣料品販売会場で9万円相当の衣類を万引、罰金刑の略式判決を受け、町は停職3カ月の処分をしている。

 関根孝道町長は「公務員に対する信用を著しく傷つけた行為で、町民の皆さまに心よりおわびしたい。以前にも同一行為で処分をしたにもかかわらず、再び行ったことは大変遺憾であり、厳正に処分をした。今後、徹底した再発防止を行い、信頼回復に努めていきたい」とコメントした。

個人的な意見では、この人物の懲戒免職処分は仕方ないと思いますが、どうもこの件は、単純にこの男性を罵っていればすむというものでもなさそうです。

たぶんこの人物は、窃盗症(クレプトマニア)ではないかと考えられます。つまり精神疾患の一種です。

窃盗症のwikipedia記事を引用します。
>窃盗症(せっとうしょう)とは、クレプトマニア (kleptomania) の訳語であり、経済的利得を得るなど一見して他人に理解できる理由ではなく、窃盗自体の衝動により、反復的に実行してしまう症状で、精神疾患の一種である[1]。病的窃盗ともいう。

(中略)

この症例は、その衝動により窃盗行為の実行時に緊張感を味わい、成功時に開放感・満足感を得る。窃盗の対象物や窃盗の結果に対しては関心がなく、一般にはほとんど価値がないものである場合も多い。盗品は、廃棄・未使用のまま隠匿・他人への譲渡のほか、まれに現場へ返却される場合もある。いわゆる「利益のための窃盗」ではなく「窃盗のための窃盗」といわれており、「衝動制御の障害」に含まれる同様の症例として「放火のための放火」を繰り返す放火症がある。

その原因はうつ病や性的虐待・性的葛藤との関連づけが試みられており、摂食障害や月経等との関係が注目されている。巷間にいう、「月経と万引き」の関係などがこの例であるが、最近は統計的実証的研究から、性的偏見に基づく一種の伝説であるとの批判もなされている。

一般的用語として窃盗癖・盗癖ともいうが、一般に「盗癖がある」窃盗常習犯は、意思欠如型の精神病質は見いだされるものの、その動機は経済的なものであることがほとんどであり、必ずしも窃盗症と領域を一致させない。

この人物は公務員なので、そんなに特に経済的に困っているというわけでもないでしょう。盗んだものも、47,670円の衣服、90,000円の衣類というのがどういうものかはわかりませんが、とくに万引きしなければ生活できないというものでもないと思います。つかまったのもそれ以外にもあるかもしれないし、つかまっていない膨大な余罪があるんじゃないんですか、たぶん。

窃盗症というのは、職業とか経済状態というのは必ずしもそれを防ぐ理由にはならないとのことです。この人のような公務員、教員、医者などの、世間でそれなりの地位にある人たちもいます。

それで、窃盗などを繰り返してしまえば、最終的には職場を懲戒処分でクビになったり、刑務所に入ったりします。窃盗であっても、逮捕されることを繰り返せば執行猶予付き懲役刑の判決が下されかねないし、執行猶予期間中に逮捕されれば起訴→実刑判決→収監という最悪の事態になります。これではどうにもなりません。

なにしろやっている犯罪自体は事実ですから、世間も徹底的に見る目は冷たいし、お話にもならないことになってしまいます。精神疾患といったって、彼(女)らに対するまなざしは、嫌悪、侮蔑、怒りその他以外のものはないでしょう。

そうなると精神医療の出番ですが、なかなか治療も難しいようですし、どうなるんだかです。このような人たちを入院させる病院もあります。こちらの病院はそのひとつです。

懲戒免職とか実刑になってしまうと、その人の人生が本当にどうしようもなくなってしまうので、たとえば病院に強制入院させるなど、ある程度司法が治療にも口を出してもいいのかなとも考えますが、それも難しいところがあります。措置入院とかいいだしたら、けっきょくその他さまざまな精神疾患にもそれを拡大することになりそうですしね。

こういった問題は、どうすればいいのかとても困りますね。一般の行政から警察、検察、司法、矯正施設(刑務所など)、福祉、医療、被害者にいたるまで、本人と家族以外も実に迷惑をこうむりますし困ります。刑務所に入れて懲りるのならまだいいですが、病気なのだから出所した後また刑務所に舞い戻ることもあるでしょう。そうなると社会コストも増大します。だからといって治療も現段階ではなかなかうまくいってもいない。今後に期待でしょうか。

というわけで、私がこの記事を書いた目的は、とにかく世の中こういう人がいるということを知っていただきたいのです。別に許せとかそんなことを訴えたいのではありません。個人個人が許そうがどうしようが、どうにもなる話ではない。ともかく実態を知っていただきたいのです。知ってもらわなければ、なんとも対応ができない。知っていても対応は困難ですが、知らなければもっとひどい。今の段階は、知ることが先決でしょう。

すいません、ともかく今日は、知ってほしいと思って記事を書きました。

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