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死刑という国民動員への脅迫 石破茂自民党幹事長

 石破自民党幹事長が恐ろしい発言をしたことが話題に上っています。

『これは国家の独立の為だ、出動せよ』と言われた時に、いや行くと死ぬかも知れないし、行きたくないという人がいないという保証はどこにもない。だから国防軍になったらそれに従えと。それに従わなければその国にある最高刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役300年なら懲役300年。そんな目に逢うなら出動しようかと。人を信じないのか、と言われるけど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」


自民党から国民への脅し文句、「死刑、無期懲役、懲役300年」」(村野瀬玲奈の秘書課広報室)で知りました。
(いつも情報提供、ありがとうございます。)

 この発言の恐ろしさがおわかりになりますか。
 動員令が下り、軍隊を前戦に送り出すことになった場合、兵士は死と隣り合わせとなります。
 誰もが死にたくない、しかし、そこに待っているのは前戦での戦闘行為であり、自分が生き残る保証は全くない、死そのものが待っている世界、その場から逃げ出したいというのが当然の心情です。
 しかし、軍隊ではそれが許されません。
 旧日本軍では「敵前逃亡」は死刑または無期懲役と規定されていました。そうしなければ「敵前逃亡」は防げません。戦局の状況が厳しければ厳しいほど罪状が悪いということになり、死刑となったものと思われます。だからこそ前線での「敵前逃亡」は死刑なのです。
 旧帝国軍隊には軍法会議という軍隊内の裁判所がありました。通常の司法権から外れています。
 現行憲法の下では、「特別裁判所」としてその設置は禁止されています。すべて最高裁を頂点としてその判断を仰ぐことができるという体系を日本国憲法は採用しています。従って、現行憲法上は軍法会議は憲法違反となります。

 ところが、自民党憲法草案では、この軍法会議の設置を規定しました。同草案の規定では、最高裁の傘下にあるかどうかがわかりません。
 しかし、このような特別の裁判所を憲法に規定すること自体が特別扱いという思想の現れであり、その判断を優先させていこうということは目に見えていますし、最高裁から切り離されていくことは必然です。
安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖3 軍法会議の設置」(Everyone says I love you !)

 この旧軍隊の軍法会議の実態は、『戦場の軍法会議 日本兵はなぜ処刑されたのか』(NHK取材班 北博昭著)に詳しく論じられています。
 太平洋戦争中に軍法会議で裁かれた兵士の数は1944年までで分かっているだけでも1万人以上、多くの死刑判決が出され、1945年は統計がなく、戦況の悪化からみれば処刑数はさらに増えたと見られていると紹介されています。
 えん罪とわかりつつ死刑判決を下し、銃殺した例も紹介されています。
 戦局が悪化する中で、投降自体を「敵前逃亡」と解釈し、さらには敵前で「逃亡」する者をその場で斬ることも正当業務行為などのように違法性が阻却される、とほとんど法や軍法会議が機能しなくなっていく実情もよくわかります。
 死刑にならず懲役・禁固になった兵士に対しても刑の執行を停止して原隊に復帰させるという処理方針も示されていましたが、要は再度前線に送り込まれ、死を強要されるということです。
 「敵前逃亡」で処刑された兵士は「国賊」とされ、遺族もいじめられる。
 死刑とされない代わりに決死隊として送り込まれ、そして命を落とす。
 また、そもそも「敵前逃亡」が何故起きるのかという視点であり、それが本当に恥ずべきことなのかという問いかけです。誰がそのような状況に追いやったのかという視点です。
 敗戦が明確になった段階でもなお戦争が継続され、日本の戦争指導者によって多くの国民を死に追いやったのが先の大戦です。自分たちの存続だけを念頭にあの戦争は続けられ、より多くの犠牲者を出したのです。
まだまだ終わるわけがない戦後処理問題 軍国主義復活の野望
 戦局の悪化の中で、国民を徴用し前戦に送り込み、その抵抗に対し、大量の兵士(日本国民)を処刑することによって組織の統制を図ろうとしてきた旧軍隊
 まさにそこに展開された光景は地獄絵そのものです。

 このような死刑を用いて国民を前戦に動員しようとする、「敵前逃亡」を防ぐというのであれば、徴兵制度と死刑制度は不可欠の前提となります。
 石破氏は、その国の最高刑を科せと主張しています。
 現在、日本には死刑制度があり、石破氏の念頭にあるのもこの死刑制度です。その国のもつ最高刑とはこのような意味です。
 前述したように、「敵前逃亡」を防ぐためには死刑が不可欠です。死刑は決して凶悪犯を処断するためのものだけではないということは忘れてはなりません。
 過去の歴史においても、多くの国民が生きていたいという行動だけで死刑になったということは記憶の中に刻み込まれなければなりません。

 また、除隊自由な軍隊では、戦地への動員は成り立たないということです。
 自民党の憲法改正草案では国防軍の創設が明記されており、自民党安倍首相はやる気満々です。
 そればかりでなく、自民党憲法改正草案は、国民の権利を制限し義務規定を多様しているものであり、それが想定しているのはいわずと知れた徴兵制です。
自民党「国防軍」は軍事大国化への道、国民総貧民化への道

 ネットウヨクを中心に、近代的な軍隊では徴兵は役に立たない、諸外国だって徴兵ではない、だから日本で徴兵制なんてあり得ないんだと声高に叫ばれています。
憲法9条を敵視する人たち
 このようなデマ宣伝に欺されてはいけません。自民党自身が徴兵制は将来に渡って絶対にないとは言っていないではないですか
 為政者が最初から徴兵制を実施しますよという言い方をするはずがありません。
 実際に戦死者を出すことを想定した場合、志願兵だけに頼ることができるのか、志願兵だからといってすべてが優秀というわけでもない、誰もが戦地に送られたくはない、人材不足に陥るのは必然です。米国のように貧富の格差を拡大させ、貧民層によって兵士の給源とするようなあからさまな方法を取るか、等しく徴兵するかのどちらかでしかありません。
 根性論ばかりが蔓延るウヨク層からすれば、その発想にぴったりなのはどう考えても徴兵制です。
 安倍氏が導入を決めた武道必修化も同じような発想です。
武道必修化は愚策そのもの
 自民党ばかりでなく、国のために死ねという教育を主張する参議院議員候補者すらいます。
国のために死ぬのが愛国心!」

 そして、おまけは、安倍首相の言葉
「諸君の先頭に立ってわが国の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意だ」(毎日新聞2013年7月17日
 海保職員を前にした言葉ですが、安倍総理、お言葉どおり、最前線の先頭に立っていてくださいね。

 安倍・石破自民党が目指すものは何か、よくよくご注意ください。

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