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- 2013年07月09日 14:34
景気ウォッチャー調査はどこまで当てになるか?
昨日、景気ウォッチャー調査の結果が出ましたが、閣僚たちはそれを無視しているかのように思えるのですが‥或いは、選挙活動が忙しくて、それどころではないのでしょうか?
しかし、もし景気ウォッチャー調査の結果がよかったならば、どんなに政治家が忙しくても必ずそれに言及していたとは思いませんか?
ということは、政治家たちは、景気ウォッチャー調査の結果を、歓迎すべきものではないと受け取ったということになりますよね? 如何でしょうか?
いずれにしても、私は、少し錯覚をしていました。そして、恐らく政治家の皆さんも錯覚しているのでしょう。
昨日の景気ウォッチャー調査の結果について、メディアは皆、3か月連続で悪化とか低下と伝えていましたよね。だから、私もついうっかり錯覚してしまったのです。
どういうことかと言えば‥景気の現状判断を示すDIが、3月の57.3をピークに少しずつ低下し、6月には53.0にまで低下したので、従って、景気は悪化していると単純に判断してしまったということなのです。
しかし、その判断はおかしい。少なくても理屈の上ではおかしい。何故ならば、景気は、3月よりも4月、4月よりも5月、5月よりも6月の方が良くなっているからです(理屈の上では)。
その理由がお分かりでしょうか?
それは、DIの算出方法が、大雑把に言えば、3か月前と比較して「よくなった」と答えた人の割合から「悪くなった」と答えた人の割合を引いたものであるからです。つまり、幾らDIが57.3から53.0に低下していても、50を超えるということは、景気がよくなっていると感じている人の方が多い訳ですから、景気のよくなるスピードは落ちているにしても依然としてよくなり続けていると判断されるからなのです。
つまり、政府自民党は、昨日の景気ウォッチャー調査の結果を自分たちにとって有利な材料として利用することもできたのに、早合点してしまったということなのです。
こういう時に、基礎力が試されてしまうのですよね。
いずれにしても、では、そもそも景気の「向き」ではなく、水準自体がこの景気ウォッチャー調査によって分からないのでしょうか?
実は、公表資料の一番最後に、参考として水準を示すDIも掲載されているのです。
では、その水準を示すDIがどのように推移してきたかを見てみましょう。グラフをご覧ください。
画像を見る
如何でしょう?
グラフの赤線が、水準を表すDIの推移を示し、そして、水色の点線が方向性を表すDIの推移を示しています。
やっぱり少し変でしょう?
というのも、水色の点線が方向性を示すというのであれば、水色の点線が50を上回っている場合にのみ赤線のグラフは上を向き、同じくその水色の点線が50を下回っている場合にのみ赤線のグラフは下向きになる筈なのに‥全然そうはなっていないからなのです。
では、何故そんなことが起きるのか?
それは、景気が「よい」という判断と「よくなった」という判断を明確に区別することが難しいからということなのです。つまり、例えば、景気が悪いと判断されるような状況では、幾ら方向性としては改善の傾向があっても、アンケートに答える人は、なかなか「よくなった」と答えようとはしない癖があるということなのです。
まあ、このようにアンケートに答える人のバイアスが非常に顕著に反映されるのが景気ウォッチャー調査であるということを十分認識しておく必要があります。
いずれにしても、結論として、景気はまだよくなり続けているのかと言えば‥
答える人のバイアスも考慮するならば、未だによくなり続けていると言うべきではなく、少し減速をし始めていると判断すべきだと思うのです。
しかし、もし景気ウォッチャー調査の結果がよかったならば、どんなに政治家が忙しくても必ずそれに言及していたとは思いませんか?
ということは、政治家たちは、景気ウォッチャー調査の結果を、歓迎すべきものではないと受け取ったということになりますよね? 如何でしょうか?
いずれにしても、私は、少し錯覚をしていました。そして、恐らく政治家の皆さんも錯覚しているのでしょう。
昨日の景気ウォッチャー調査の結果について、メディアは皆、3か月連続で悪化とか低下と伝えていましたよね。だから、私もついうっかり錯覚してしまったのです。
どういうことかと言えば‥景気の現状判断を示すDIが、3月の57.3をピークに少しずつ低下し、6月には53.0にまで低下したので、従って、景気は悪化していると単純に判断してしまったということなのです。
しかし、その判断はおかしい。少なくても理屈の上ではおかしい。何故ならば、景気は、3月よりも4月、4月よりも5月、5月よりも6月の方が良くなっているからです(理屈の上では)。
その理由がお分かりでしょうか?
それは、DIの算出方法が、大雑把に言えば、3か月前と比較して「よくなった」と答えた人の割合から「悪くなった」と答えた人の割合を引いたものであるからです。つまり、幾らDIが57.3から53.0に低下していても、50を超えるということは、景気がよくなっていると感じている人の方が多い訳ですから、景気のよくなるスピードは落ちているにしても依然としてよくなり続けていると判断されるからなのです。
つまり、政府自民党は、昨日の景気ウォッチャー調査の結果を自分たちにとって有利な材料として利用することもできたのに、早合点してしまったということなのです。
こういう時に、基礎力が試されてしまうのですよね。
いずれにしても、では、そもそも景気の「向き」ではなく、水準自体がこの景気ウォッチャー調査によって分からないのでしょうか?
実は、公表資料の一番最後に、参考として水準を示すDIも掲載されているのです。
では、その水準を示すDIがどのように推移してきたかを見てみましょう。グラフをご覧ください。
画像を見る
如何でしょう?
グラフの赤線が、水準を表すDIの推移を示し、そして、水色の点線が方向性を表すDIの推移を示しています。
やっぱり少し変でしょう?
というのも、水色の点線が方向性を示すというのであれば、水色の点線が50を上回っている場合にのみ赤線のグラフは上を向き、同じくその水色の点線が50を下回っている場合にのみ赤線のグラフは下向きになる筈なのに‥全然そうはなっていないからなのです。
では、何故そんなことが起きるのか?
それは、景気が「よい」という判断と「よくなった」という判断を明確に区別することが難しいからということなのです。つまり、例えば、景気が悪いと判断されるような状況では、幾ら方向性としては改善の傾向があっても、アンケートに答える人は、なかなか「よくなった」と答えようとはしない癖があるということなのです。
まあ、このようにアンケートに答える人のバイアスが非常に顕著に反映されるのが景気ウォッチャー調査であるということを十分認識しておく必要があります。
いずれにしても、結論として、景気はまだよくなり続けているのかと言えば‥
答える人のバイアスも考慮するならば、未だによくなり続けていると言うべきではなく、少し減速をし始めていると判断すべきだと思うのです。