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イラン通貨と決済事情

イランの通貨の単位はリアルである。ウィキペディアと辞書によると、リアルは古いスペインの通貨単位であり、「国王の」を意味し、同時に「現実の」、「真実の」を意味するようになったらしい。

ブラジル通貨のレアルも同じ起源である。要するに「国王が発行するコイン」、「国王が価値を保証する交換用の物」ということになる。「王様の言うことは真実、「王様、嘘をつかない」ということでもある。

そのイランのリアルだが、通貨交換のサイトで出国の直前に調べたところ、1米ドルが12285リアルだった。旅行会社の案内書でもその程度の交換レートになっていた。現地ですばやく計算するための覚え方として、1円が125リアル見当だと思っていた。何のこっちゃというと、現地の価格を8倍して1000で割れば円での価格に直せる。

ところが、テヘランの飛行場に着き、預けた荷物の受取りをすませ、銀行で両替しようとしたところ、レートが全く異なっていた。1米ドルが25000リアル程度だった(正確には覚えていない)。僕はユーロをリアルに両替したのだが、書類によると1ユーロが32477リアルだった(円に直すにはリアルでの価格表示を250で割ればいい)。つまり、リアルの値打ちが、直前に調べた半分程度になっていたわけだ。ちなみに、そのイランの銀行で交換できた通貨は、米ドル、ユーロ、英ポンド、ドバイの通貨だった。

しかも銀行の窓口では「ここで交換するより、外に出て交換するほうがレートは良いが、それでもここで交換するか」としきりに質問された。「ここでのレートは政府の公式レートだ」とのこと。つまり、闇(民間の両替所)ではリアルの価値はもっと低いらしい。現地ガイドによると、「アメリカの経済制裁が強化され、通貨の変動が大きく、1ドルが30000リアルになったこともある」とのことだった。イランの物価上昇が大きく、通貨価値が急激に下がっているらしい。

整理すると、通貨交換サイトは「決済の制限強化」以降、提示レートが更新されていない(更新されていても実態を反映していない)ようだ。同時に、銀行窓口のイラン人が親切だったということである。

クレジットカードだが、イラン国内ではビザ、マスター、アメックスなどの海外系は使用できないようだ。一般に使用できるのはイラン国内系だけだろう。では、昨日書いた「カードでの決済はどうしたのや」というと、実はその店はドバイにも口座を持っているのだろう、そのドバイで決済するようになっているらしい。だから、カードで支払うと同時に、日本では当たり前の本人確認の手続きができなかったようだ。カードでの支払いの後は、ドバイとイランの間で資金をやり取りする方法があるか、アメリカの制裁の枠外にあるのかもしれない。

ということで、通貨と決済に関して、複雑な状況の一端を垣間見た。日本もイランを見習い、決済方法の勉強を事前に研究しておくのがいいかも。

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