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安藤美姫さんの出産に対する時代錯誤な中傷に抗議します

安藤美姫さんが4月に女の赤ちゃんを出産していたと聞き、心からおめでとうを送りたいと思いました。
ところが案の定というかなんというか。
未婚で父親が誰かを明かさなかったので、メディアからは執拗な取材攻勢を受け、安藤さんのFBには心ない誹謗中傷コメントが殺到したそうです。

家族には色んな形があります。
今やシングルマザーやシングルファーザーなんて珍しくもありません。
どんな家族の形を取るのかは個人の自由意思です。
一体どれだけ時代錯誤な価値観を押しつけているのでしょう。
愛娘の誕生はかけがえのない幸せ、誰だって祝福が欲しいです。それに二ヶ月はまだ夜中に起きて世話をしなければならず心身共に大変な時期です。なのに誹謗中傷や取材を殺到させるだなんて最低です

うんざりしてた所、週刊文春がこんなアンケートを実施しました。
今は削除されていますが、これぞ下衆の極みです。


http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2896

2013年07月04日

緊急アンケート!
安藤美姫選手の出産を支持しますか?

 フィギュアスケートの安藤美姫選手が7月1日の「報道ステーション」で4月に女児を出産していたことを公表しました。また、競技に復帰し、来年のソチ五輪を目指すことをあらためて語っています。

 この突然の告白に対し、出産を祝福する声が上がると同時に、まだ結婚しておらず、父親が誰かも明かさないことへの疑問や、子育ても競技も中途半端になるのではないかなどの批判もあります。そこで、下記アンケートへのご協力をお願いいたします。

--------------------------------------------------------------------------------

1)あなたは安藤美姫選手の出産を支持しますか?
2)子育てをしながら五輪を目指すことに賛成ですか?

--------------------------------------------------------------------------------

各質問にお答えいただき、理由も併せてお答えください。




これには激しい怒りがわきました。
「まだ結婚しておらず、父親が誰かも明かさないことへの疑問」
って、父親が誰かを明らかにしないと赤の他人にどんな迷惑がかかるんですか。ただ詮索欲を満足させたいだけでしょう?
多数の声を頼みに、未婚の母なぞケシカランと言いたかったのですか。
また「子育ても競技も中途半端になるのではないかなどの批判もあります」って大きなお世話です。
母となってから五輪に挑戦してる人などいくらでもいますがそれがなにか。谷亮子選手は「谷でも金、ママでも金」と言ってましたが、文春はそれを批判しましたか。一体何が問題ですか。

出産はその女性の自己決定に属することで、そもそも出産を他人の支持や不支持の対象にすることが不遜すぎます。
このアンケート自体が生まれてくる命というものに対する冒涜だと私は感じました。
安藤さんにとってみれば、支持がなければ中絶すべきだったと、赤ちゃんに向かってあなたは生まれてくるべきではなかったと言われているも同然です。
これ、もう人権問題でしょう。
さすがにこれにはツイッターでも批判が殺到、中には法務局人権擁護委員会にメールしてくださった方もいたようです。

あまりの批判の多さにとうとう文春はアンケートを中止し、謝罪文をだすはめになりました。
が、この謝罪文がまたなんとも・・。

週刊文春からのお知らせ

2013年07月05日

安藤美姫選手出産アンケートについて

 現在、「週刊文春」メルマガ読者の皆さんにお願いしている「緊急アンケート 安藤美姫選手の出産を支持しますか?」について、抗議のご意見を多数いただいております。

 女性の出産という大変デリケートな問題にもかかわらず、設問を「出産を支持しますか?」「子育てしながら五輪を目指すことに賛成ですか?」としてしまったために、出産そのものを否定したり、働きながら子育てをすることを批判しているような印象をあたえてしまいました。その点については、編集長の私の責任です。このアンケートに関して不快な思いを抱かれたすべての方にお詫び申し上げます。

 今回のアンケートは中止させていただきます。ご回答をいただいた皆様にお詫び申し上げます。

「週刊文春」編集長 新谷 学




これ、謝罪になっていると思いますか?
まず謝罪すべきは安藤さん母子でしょう?謝罪の対象を間違えています。
それに『女性の出産という大変デリケートな問題にもかかわらず、設問を「出産を支持しますか?」「子育てしながら五輪を目指すことに賛成ですか?」としてしまったために、出産そのものを否定したり、働きながら子育てをすることを批判しているような印象をあたえてしまいました』
って、質問の仕方が悪かったってことですか。
違うでしょう?
「デリケートな問題」だからいけなかったわけでも「批判してるような印象を与えた」からいけなかったわけでもありません。
「(印象を与えたしまった)その点については、編集長の私の責任です。」と、責任がある部分を限定しているかのように読めるのも少しでも責任逃れしたい姿勢が垣間見えます。

何がいけなかったのか、文春は全然わかっていませんね。
出産の支持不支持を問うこと自体が人権侵害だからいけないのです。

文春はあまりの批判の嵐にびびって中止しましたが、実は抗議の声に対し呆れるような対応をしていたことを覚えておきましょう。

こちらが文春の本音でしょう。だからこそあんなピント外れな不快な謝罪文しか書けないのです。

ところで、マスコミがこんな下衆なのも、残念ながらその需要が大衆側にあるからです。
今回の文春には多くの批判が殺到しましたが、一方で安藤さんのFBに誹謗中傷を書き込む人も沢山いるのです。
大衆は安藤美姫さんに、女子アスリートに、何を求めているのでしょうか。
次の小田嶋隆さんのコラムに私も同感です。全文はリンク先でお読みください

◆男女共同参画社会に向けて


姫は城を出て母になる
•小田嶋 隆

http://blog.livedoor.jp/akira_nakamura1120/archives/30119192.html

(前略。引用開始)
 思うに、報道が一向に沈静化しないことの一つの原因として、安藤選手自身の問題とは別に、女子スポーツ選手がメディアの中で担わされているイメージの問題がある。どういうことなのかというと、メディアが、女性アスリートに「清純さ」と「ひたむきさ」を兼ね備えた、「理想の娘」としての役割を着せかけることが常態化しているということだ。

 これは、なにもマスメディアの取材姿勢や記事の作り方だけの問題ではない。
 マスコミが無茶な取材をしたり、無理筋な記事を作り上げるのは、それを読みたがる読者がいるからで、そういう意味では、われら受け手の側にも一定の責任はある。

 ネット内に流れている書き込みを見ていると、安藤選手の「出産」について、「非難」はしないまでも、「失望」している人々がけっこういる。

最も代表的な反応は、
「競技に打ち込んでいるのなら、子供を作るヒマなんかないはずだ」
 という見方だ。

 ファンというのは、残酷なものだ。
 われわれは、アイドルやスポーツ選手に「ひたむきさ」を求める。
 それだけなら良いのだが、「一途さ」や「純粋さ」を称揚する気持ちは、どうかすると、自分が崇めている対象に「目標への全人的な没入」を要求する態度として顕現する。

 と、「恋愛禁止」「娯楽厳禁」みたいな、極端な態度が導き出される。

さるアイドルグループを手がけるプロデューサーのA氏は、とあるラジオ番組の中で以下のように語っている。

「恋愛がいけないんじゃなくて、スポーツと同じで、そんな暇はないはずなんですよ、一生懸命やったら」 

 この言葉は、当該のアイドルグループ内の不文律と言われる「恋愛禁止」規定について説明を求められた中で漏らしたものであるのだそうだが、ごらんの通り、この理屈には、逃げ場が無い。

 プロデューサー氏は、

「禁止するまでもなく、アイドルがアイドルである前提として、恋愛に向かう動機自体が存在し得ない」

 という意味のことを言っている。

 この言葉は、

「命がけで全部のお客様をみていたら、命がけで全部のお客様を気にしてたら、ものなんか口に入るわけない、水くらいですよ」

 という、ある企業のトップが従業員に向けて語った言葉と、構造において、まったく同一だ。

 つまるところ、「接客」であれ「アイドル業」であれ「競技」であれ、真摯な人間が本当に必死になって対象に没入したら、「食事」や「恋愛」は関心の対象から外れるはずだ、と、彼らは言っている。なるほど。人間以上のものになるためには、人間的であることをあきらめなければならないのかもしれない。

 でも、アイドルも、アスリートも、居酒屋の店長も、いずれ、人間であることに変わりはない。だとすれば、ファンの思い込みやプロデューサーの強欲や経営者の野心につきあって人間をやめて良いはずがないではないか。

 安藤選手の出産のニュースのちょっと前だったと思うのだが、ある日、ツイッターのタイムライン上に印象的な書き込みが流れて来た。

 ある母親が、彼女の中三になる息子の担任教師が妊娠した件について「自覚に欠けるのではないか」という意味のことを書いたツイートだ。


 安藤選手の事件にごく近いタイミングで、この話が流れて来たのは、あくまでも偶然なのだが、考えさせられるところの多い出来事だったので、一応報告しておく。

 当該の書き込みは、ツイッター内を拡散する中で、様々な賛否の意見に晒されることになった。
 反響を当たってみると、

「受験生を持つ親として、三者面談までした担任が受験の直前に担任から外れることへの不満はよくわかる」
「その教師はどうして自分のクラスの生徒の卒業が待てなかったのか」
「そもそも、妊娠の可能性のある若い女性教師を受験生の担任に持ってきた学校側の姿勢が不見識だ」

 といった意見が少なくない。
 もちろん

「産休は当然の権利だ」
「担任に期待する部分を取り違えている」

 という意見もあったし、産休を責める親の態度に憤る意見もあった。
 が、数としては、教師の自覚不足を指摘する見方の方が優勢だった。

 私個人は、働く女性の出産や育児について、世間の空気がこれほど冷たいとは思っていなかったので、ツイッター内を追跡した結果に、かなり驚いたのだが、とにかく、自分が当事者として対面する以上、産休教師の立場を簡単に「理解」するわけにはいかないと思う人間が世間の大勢であるということはなんとなく了解した次第だ。

 かように、世間の壁は厚い。
 周囲の承諾なしに妊娠すること(←誰に相談しろと言うのだ?)を無責任と感じるかどうかは別にして、ともかく、若い女性が妊娠することを、「ラインから外れる」ないしは「前線から撤退する」事態として受けとめている人は、依然として少なくないわけだ。

 つまり、要約すれば 
「小娘の分際で妊娠なんかしやがって」
 と世間は言っているわけだ。

 なるほど。言いたいことはわからないでもない。
 が、いったい、小娘でないほかのどんな人間が妊娠できるというのだ?

 ヤフー知恵袋を見ると、「小学校の先生の産休って無責任だと思いませんか?」というそのものズバリの質問が投げかけられていたりする(ここ)。で、回答の中には、案の定、「無責任だ」という声がけっこう混じっている。

 「娘」に対峙する時、われわれは、封建領主のようなものになる。
 というのも、「娘」の中に、独立した一個の人格を認めることは、思いのほか困難な作業であるからだ。

 実際のところ、若い人たちは、就業中であると休暇中であるとを問わず、多くの場合、日常的に恋愛をしている。われわれ人間は受験勉強をする一方で片想いをかかえているし、結婚を前提に交際しつつ、そのかたわらでサービス残業に従事していたりする。それで何の不都合も無い。というよりも、普通に考えれば、息抜きの無い勉強は実を結ばないし、休日を持たない労働者は早晩疲弊して動けなくなるはずなのだ。

 とすれば、女性アスリートやアイドルにだけ恋愛を禁じるタイプの思い込みは、われわれの文化の中に残存する極めて特殊な潔癖症に過ぎないと考えるべきなのである。
(中略)
安藤選手は、25歳になる大人の女性だ。
 とすれば、誰と交際しようが、どんなカタチでいつ出産しようが本人の自由であるはずだ。

 なのに、その妊娠について、あれこれ言いたがる人が多いのは、結局のところ、これまで、長い間、われわれが女子選手に、「娘」としての役割を担わせてきたことの反作用なのだ。
(引用ここまで)




女子アスリートには、恋愛する間もなく厳しい練習に打ち込み、貞淑で礼儀正しく模範的である理想を投影し、アイドルには処女性を求め、そこから外れた者をバッシングする(それを自ら予防しようとしたのが峰岸みなみさんの丸刈りだったと思います)
幻想を投影される方も当たり前だけど自我のある一個の人間ですから息が詰まってしまうでしょう。それを有名税、あるいは世間からの承認として諦めている有名人も多いのではないでしょうか

有名人が自分の理想や幻想、価値観を勝手に投影されることに逆らえない窮屈な社会って、一人一人を独立した個人として尊重する個人主義の未発達も大きな原因じゃないかというような気がします。

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