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関電が地震動試算を発表――大飯原発の運転継続を容認か

 原子力規制委員会が設置した「大飯発電所3・4号機の現状に関する評価会合」が九月予定の定期検査までの運転継続を容認する結論を出そうとしている。この会合は、稼働中の関西電力大飯原発3・4号機(福井県)について、七月の新規制基準施行を前に、策定中の基準案に照らして現状評価を行なうのが目的だった。

 そもそも大飯原発は、原発直下の破砕帯(断層)について規制委による調査が終わっておらず、これをもってしても現状評価などできないはずだ。破砕帯については検討対象から除外とされており、はじめから運転継続容認の結論が見え隠れしていた。

 評価会合で議論になったのが、大飯原発周辺の三つの断層の連動評価だ。関電は、現状の二つの連動評価で十分だと主張し、規制委は三連動評価を基本とするよう要請。結局、関電は三連動評価を実施したが、実際には、基準地震動は従来の七〇〇ガル(ガルは加速度の単位)の二連動のまま。三連動については、仮に策定した「評価用地震動」で、基準地震動を上回った部分だけを評価した暫定的なものであった。基準津波でも地震と地滑りの重ね合わせについて議論になったが、規制委側は時間不足を理由に、議論を打ち切った。

 評価会合は安全審査の先取りとも言えるものだが、外部有識者は加えず、規制委・規制庁(JNESを含む)だけで行なわれた。関電は、三連動を支持する広島工業大学の中田高名誉教授と東洋大学の渡辺満久教授の調査結果を全面的に否定したが、規制委側はまともに反論できなかった。このような審査のあり方も問題だ。

 こうした中、関電の八木誠社長(電気事業連合会会長)は六月一四日、大飯原発3、4号機と高浜原発3、4号機(福井県)に関して「新規制基準の施行後、速やかに再稼働を申請したい」と述べ、物議を醸している。

(阪上武・福島老朽原発を考える会、6月21日号)

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