- 2013年07月02日 11:03
交通コンサルタント・阿部等氏が語る「満員電車の原因と解決策」が目から鱗の連続!
追記:堀江さんとビジネスを始める、なんて話が!すごいですね。動きに期待です。
一緒にやりません? RT @Light_Rail: @takapon_jp 鉄道って、ニーズがあり、しかもシーズがありながら人材がいない、堀江さんが最初にインターネットに目を付けたより、もっと大きなビジネスチャンスありです。
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) July 1, 2013
いやー、こんなすばらしい方がいらっしゃるんですね。目から鱗の連続。本を買わないと。
満員電車の原因と解決策
日系ビジネスオンラインに、「満員電車がなくなる日」の著者、交通コンサルタントの阿部等さんのインタビュー記事が上がっています。これがものすごい面白い。阿部さんは交通問題の解決に取り組むコンサルティング会社、ライトレールの代表を務めています。
地下鉄24時間化より満員電車の解消を:日経ビジネスオンライン
低運賃が日本の鉄道をダメにしている:日経ビジネスオンライン
2階建て車両&ホーム!
まず度肝を抜かれたのが、2階建て車両&ホームというアイデア。
え、どうやって乗り降りするの?と思われるでしょう。なんと、ホームも合わせて2階建てにしてしまうという構想です。なるほど!
「駅の改修や車両の更新にかなりの投資が必要ですが、複々線化や新線建設と比べたらはるかに安い」とのこと。同じ土地を有効活用しているわけですから、たしかに新たに線路を作るより安上がりでしょうね。
座席によって料金を変える
鉄道の運賃は実はかなり安価に設定されているそうです。満員電車をはじめとする問題解決を加速するためには、今よりも運賃を高くすることが効果的です。しかし、運賃アップは乗客からの抵抗にあうことも間違いないでしょう。さぁ、みなさんならどうやって運賃を上げますか?
阿部さんが提案するアイデア、こちらもまた目から鱗。ICカードを用いて「座席によって運賃を変える」システムを構想しています。なるほど!
ICカードなら、1円刻みに状況に応じて値付けできます。始発時点ではガラガラで途中から混雑する電車の場合は、着席の割増料金を次第に上げていきます。これにより利用者は確実に、着席という品質の高い望んだ商品を購入でき、鉄道会社は収益を確保できます。
低運賃が日本の鉄道をダメにしている:日経ビジネスオンライン
1円刻みで料金を算定するというのは、いかにもビッグデータ時代っぽくていいですね。これなら抵抗なく運賃をアップできそう。
信号システムの改善
阿部さんが「もっとも低コストでできる満員電車対策」と語るのが、信号システムの改善。こちらも目から鱗。もう落ちる鱗がありません。
満員電車というのは需要に対して供給が足りない状態です。供給量を増やす方策として、一番コストが掛からずにできるのが、信号システムの改善です。現在、一番高頻度の路線でも、1時間に30本「しか」走っていません。マスコミの皆さんは1時間30本を「過密」運行と称しますが、それは全くの誤解で、1時間に30本「しか」走っていないのは、私は「過疎」運行だと思っています。
そうなんですか!過密だと思い込んでいました。阿部さんによれば、なんと「信号システムの機能向上で安全を保った上で、1時間30本を40本、50本」に増やせるそうで。これだけで輸送量が大幅アップですね。インタビュー中では、ブレーキ、発車の性能を加速させるテクノロジーについても紹介されています。
その他、深夜運行を可能にする「渡り線」「3線運行(リバーシブルレーン)」といったアイデアも紹介されています。うーん、これは本当にすばらしい。ぜひぜひ多くの方に読んでもらいたい感動のインタビューです。
地下鉄24時間化より満員電車の解消を:日経ビジネスオンライン
低運賃が日本の鉄道をダメにしている:日経ビジネスオンライン
仕組みの問題として捉える
満員電車に関わる問題については、「精神論」で語られることが多いように感じます。「ベビーカーを持ち込むのは非常識だ」「満員電車でイライラするのは日本人のモラルが退廃しているからだ」「乗車マナーを守ろう!」など。
阿部等さんが提案する解決策は、そうした精神論とは完全に無縁な、仕組みレベルの解決アプローチです。阿部さんのアイデアによって満員電車が緩和されれば、「ベビーカーを持ち込むのは非常識だ」みたいな批判もなくなるでしょう。
あらゆる問題についていえることですが、精神論よりも、まずは仕組みレベルの解決を模索すべきです。残業が多いのは、社員が怠け者だからではなく、会社の仕組みが悪いんです。政治家が腐敗しているように思えるのは、政治家が悪いのではなく、政治のシステムが悪いんです。などなど。
阿部さんのような「仕組みで解決する」考え方を多くの人が身に付ければ、世の中の変化は加速していくのではないでしょうか。もちろん、高い専門性が必要なので簡単な話ではないのですが…。
- Hayato Ikeda
- プロブロガー