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ネット選挙解禁 五つの注目ポイント

夏の参院選から、ネット選挙が解禁となります。候補者や政党、事業者や団体が様々な試みを模索しておりますが、一歩下がって、このネット選挙を評価する上で私が注目したい、5つのポイントを示したいと思います。

第一に、投票率は上がるか、という点です。有権者に対する情報提供量は間違いなく増えるでしょうし、特に投票率が低いとされる若年層ほどインターネットを活用していること鑑みれば、プラスに作用することが期待はされるものの、そもそも参院選自体の関心が高くないという予見もあり、全体として投票率が下がることは想像に難くありません。さて、分析手法も問われるところですが、一つの注目ポイントです。

第二に、選挙費用についてです。ネットを活用することにより、安価ないし無料で情報伝達をできる手段が増えることになります。これをもって、将来的に選挙費用を抑えることもネット解禁によって期待されるところですが、この段階では、従来型の選挙運動は今まで通り行われるのみならず、今までになかったネット対応によって、陣営の労力、コストが増えることは間違いありません。よって、この改正によって、どれだけ選挙運動費用が上がるか、商業的側面からすればどれだけのマーケットとなったか、これまた注目ポイントです。

第三に、誹謗中傷やなりすましなどの影響と対策の有効性についてです。今回、法改正に含まれた点と従来法を適用して、“それなりに”誹謗中傷対策が講じられています。果たして、それらがどれだけ作用するか、そもそも、誹謗中傷なりすましはどの程度出現し、どれほどの影響力を持ってしまうか、ネガティブな側面でありますが注目するポイントです。

第四に、警告や違反がどの程度でるか、と言う点です。公選法自体、都道府県ごとの選管によって解釈や厳しさが違うことは、業界に身を置くものとしては実感してきたところです。そして、新しいネット解禁を受け、意識無意識を問わず、どれだけの陣営や有権者の方々が一線を越えるか、そして当局がどれだけ前面に出てくるか、注目しているポイントです。もちろん、私が関与している陣営は無違反となるよう最大限の対応をしますが、何せ、ファジーさが残るのも事実です。気を付けながら、注目したいと思います。

第五に、民主主義の進展に寄与するか、と言う点です。第一点の「投票率は上がるか」ということにも関連しますが、ネットと言う媒体を通じて、政策に関して深く知ったり、熟議をしたり、候補者に関し人となりを知るチャンスは明らかに増えるわけです。ただ、結果として情報が洪水のように押し寄せて取捨選択に困るとか、ネットの負の側面として過度にエッジを立てた意見ばかりが幅をきかせるようになれば、民主主義は深まりません。この観点からも、ネット解禁に注目したいと思います。

大変、客観的に書いてしまいましたが、私は従前より、ネットを禁止していることは、非常識以外の何ものでもない、と強く主張してきました。普通の生活に根付いたネットが、選挙になれば使えないというのは、建前や理屈以前の問題で、不自然であるというのが私の感覚です。だからこそ、ネット解禁には力を注いできました。一方で、短期的に、ネット解禁はポジティブな評価ばかりではない結果になるとも予想しています。しかし、ネットを使うことそのものは自然であるし、ネット解禁によって何かネガティブなことが仮に起きたとしても、それを乗り越え、改善するために次に何をすべきか、と考えるのが私の立場です。

ネットを通じた健全で深い民主主義、質の高い政治が実現するためにも、今回挙げた五つのポイントをしっかり検証したいと思います。

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