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NISA顧客争奪戦

あつまろです。

NISAシリーズ第二弾です。今回は証券会社や銀行について考えていきます。 私たち庶民に投資機会を提供するパートナーである一方、ときには私たちから手数料を奪いとる敵のような存在でもあります。敵を知ることも重要なポイントです。
「NISA制度概要」
まずは前提知識としてNISAの制度概要です
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「顧客獲得競争」
じつはNISAという制度は、1人1金融機関でしか取り扱いができません。 このため金融機関の間では、熾烈な顧客獲得競争が繰り広げられています。 「獲得競争って何をやってるの?」というと、露骨な答えになりますが、要はお金で釣ってます。

地方銀行(例えば、福岡の筑邦銀行、長野の八十二銀行、神奈川の横浜銀行)などは、コンビニで使えるQUOカード500円分をプレゼントするという事例をよく見かけます。なぜ500円かというと金融機関の負担許容度ということもありますが、このNISA申込みには住民票が必要になります。つまり、金融機関が「住民票取得費用を肩代わりしてあげますよ」というメッセージのようにも思えます。一方で京葉銀行などは取得費用じゃなくて投資家の労力を考えると500円じゃ足りないだろうから1000円という設定をしているようです。

これが野村証券や大和証券など大手証券になってくると、2000円プレゼントという大盤振る舞いをしています。ここまで来れば取得費用の肩代わりというより、完全に顧客獲得のための戦略的投資という位置付けです。

では、口座獲得するために金融機関がお金を使っているとしたら、どこで儲ける(投資資金を回収する)の?という疑問が浮かびます。「投資に関わる手数料で儲けるつもりでは?」と仮説が浮かびます。

「あれれ」
楽天証券が「NISA口座での国内株式の手数料を105円」というキャンペーンを打ち出しました。現在の手数料では最も安いプランで145円ですから破格の値段です。他にも金融機関が販売手数料0円の投信ラインナップを拡充したり、現在販売手数料がかかる投信もNISAだと無料にしたりと、いっこうに儲ける気が感じられません。

「何がねらいなの?」
テレビCMを打ち出すなどの広告宣伝費、システム投資、申込受付やQUOカード発送などの業務負担は、きっと金融機関の金銭負担は重いはずです。その一方で口座が増えれば増えるほど、キャッシュバックはするし、手数料はとれないし、踏んだり蹴ったりじゃないでしょうか。では、金融機関はNISAをどう考えているのでしょう。

「ねらい1:顧客の囲い込み」  1人1金融機関なので顧客を囲い込むというのは強い動機です。自社の顧客が逃げないようにという考え方と、他社から奪い取るという考え方があると思いますが、ここは金融機関にとって違うところです。
「ねらい2:休眠口座の活性化」 口座はあるものの預金やMRFで寝ているだけの顧客について、このNISAを刺激にして活性化をはかるというのも目的になるはずです。
「ねらい3:課税口座の取引を増やす」 NISAの非課税口座は年100万円ですが、これを超えた額を特定口座など課税口座にまで広げて使うことも期待できます。

もうひとつ忘れてはいけないのが、株式市場の景況感が良くなったことです。 市場が活況になると証券会社なんかはフトコロが温かくなるので、気前のよい施策を次々と打って出ることができます。「この辺でライバルに差をつける」、「投資家を呼び覚ます」みたいな考えも出てくるでしょう。これが赤字決算だと「NISAに資金を投じる余裕はない」となるはずです。

「私たちはどうします?」
このように金融機関のねらいも理解した上で、私たちはどのように行動していくかです。 1人1金融機関ですが、現在の制度だと2014~2017年までは金融機関の変更はできません。このため一定期間の付き合いが必要になるので、どの金融機関を利用するかは、ちょっと考えましょう(この事実を知らずに複数金融機関にNISA申込をする人も多いと思います。住民票取得費用や作業の手間なだけなので、要注意です)。 じつは金融機関にとって商品ラインナップも明確になっていません。どの金融機関で何の商品が利用できるかは、別途調べて紹介します。

参考記事:非課税制度(NISA)に振り回されないように

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