記事

年金制度、積立方式か賦課方式か?

石垣島です。これから、尖閣諸島へ行って参ります。出航を数時間後に控えて記しています。

皆さん、お忘れだと思いますが、私の専門分野は社会保障です。(^.^)  

落選後この半年、在野で取り組んでいるのは、外交・安全保障関連のウエイトが高く、地元では「長尾君は、最近活動家みたいになっちゃったねぇ」と云われる始末です(笑)。

昨日朝のテレビで、年金を積立方式にするべきという、制度ばかり見て、現実の運用を見ず、理想ばかり主張する政党幹事長の発言にアングリしました。久し振りに年金について記してみたいと思います。

確かに積み立て方式が一番公平感があると思います。自分が積み立てた以上は、必ず年金として戻ってくる、制度として最もわかりやすく、国民に受け入れられやすいと思います。しかし、運用という側面が加わるとそう簡単にはいきません。

まず、保険料を支払えない人はどうするのでしょうか?社会保障制度ですから、国民全てが対象という使命があります。きっと、「低所得者に対しては適切な措置を講ずる」となるのでしょうが、現行制度ですら保険料の減免措置が不公平感を誘導するのですから、積立方式の下では更に不公平感が募ります。

大きな論点は、積立方式にした場合、700兆円という将来の支払いに充てる為の積立金の不足分を、何処から捻出するのかという問題です。制度移行の間は、賦課方式と積立方式の両方の負担が現役世代にのしかかるのです。今の経済状況では、それに耐えられる程の環境ではないと思います。そして、無年金者への積立不足はどうするのか、積立方式はインフレに弱いという論点整理が出来ていません。

しかし、ここまで世代間格差が顕著になると、賦課方式にも限界を認めざるを得ません。だから、積立方式のがいいのではないかという議論が生まれるのは理解出来ます。

年金制度問題を議論する時に、私が危惧するのは、制度ばかりに目がいっているという点です。議員時代に年金制度設計作業チームで、結局、日の目を見ませんでしたが、最低保障年金について50時間以上の議論に関わりました。最低保障年金制度と生活保護制度の境界線をどう整理するのか?負担と給付の大原則の中で、保険料支払い能力格差をどう整理するのか?

私なりの結論は、「年金制度という"ひとつの制度"だけで解決する問題ではない」というものでした。

賦課方式であれ、積立方式であれ、どの制度をチョイスしてもその周辺環境が整わなければ運営は出来ないのです。制度とは作れば良いというものではなく、運用足りうるものでなければならないということです。制度の運用は環境に左右されます。

例えば、ガタガタの道路を放置して、F1も、高級車、大衆車、自転車も、前に進むことは難しい。それでも、進まなければいけないから、ガタガタの道路を補修しながら不器用に一歩一歩進むしかない。でも、道路さえ舗装出来れば、「欠陥のある制度という車」でも、その能力に応じて前へ進んでいくことは出来るのです。

制度と運用は両輪なのです。

一見、制度とは無関係に見える問題を解決しなければなりません。まずは、云わずと知れた人口動態の変化です。本領を支払う人よりも年金を受け取る人が多い少子高齢化社会は年金制度だけでなく、景気にも悪影響を及ぼします。生産年齢人口を増やしていくことは、年金問題だけにとどまりません。逆にこれ等が解決すれば、年金制度を大改革しなくても運営は何とかなっていきます。

一点集中全面展開・・・です。アベノミクスで景気を回復し、強い日本経済を確立することこそがあらゆる制度に波及効果をもたらします。

年金原資も確保出来ます、税収が増えれば、社会保障制度原資が確保出来ます。現行制度でも、生活保護制度は運営出来ますし、障害者自立への原資、B・C型肝炎被害者への救済に対しても裾野が広がります。

ひとつひとつの制度を点で捉えるのではなく、線で、面で捉えることが必要です。

年金制度は、現行の賦課方式を継続し、景気回復を予測しながらの制度に対する舗装工事を行っていくことだと思います。賦課方式部分と比例年金部分の抱き合わせで、また自助努力という側面から個人年金のあり方も包括的に議論をすれば、「制度という自動車」をとまらせることなく、継続して走らせることは出来るのではないかと思っています。

あわせて読みたい

「年金」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    菅首相に見る本読まない人の特徴

    山内康一

  2. 2

    パワハラ原因?オスカー崩壊危機

    渡邉裕二

  3. 3

    公選法に抵触 毎日新聞の終わり

    青山まさゆき

  4. 4

    伊藤容疑者 事務所破産の可能性

    SmartFLASH

  5. 5

    感染防ぐ日本人 生活習慣にカギ

    中村ゆきつぐ

  6. 6

    任命拒否めぐる菅首相の迷走ぶり

    大串博志

  7. 7

    誤報も主張曲げぬ毎日新聞に呆れ

    木走正水(きばしりまさみず)

  8. 8

    橋下氏 毎日新聞のご飯論法指摘

    橋下徹

  9. 9

    進次郎氏の発言に専門家「軽率」

    女性自身

  10. 10

    都構想反対派が自壊 主張に疑問

    青山まさゆき

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。