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中国のシャドーバンキング早分かり

中国当局は、以前からバブルの崩壊を警戒しています。日本のようにならないように、そして米国のようにならないように、と。その一方で、中国は何度も何度もバブルが崩壊するのではないかと噂されています。そうでしょ?

 しかし、その一方で不思議なことが既に起きています。というのも、中国の株価は2007年がピークであって、現在、株価はピーク時の1/3程度の水準にまで下がっているからなのです。そうですよね。

 だとすれば、既に中国ではバブルは弾けてしまっているということなのか?

 しかし、その一方で、不動産価格は株価とは違った動きをしているのです。つまり、不動産バブルが弾けた気配はなし。むしろ、バブルが膨らんでいるような‥そのようなこともあり、中国当局は余計にバブルに対して警戒をしているのでしょう。

 では、ソフトランディングさせるためには、何をしたらいいのか?

 答えは、過剰な資金が不動産開発に流れないようにすればよい。しかし、地方政府からすれば、不動産開発は儲かる。事実これまでは、儲かった。そして、儲かるから不動産開発を止められない。一方、当局は、銀行から地方政府へのお金の流れを締め付けようとする。ほどほどにしないとバブルが起き、バブルが弾けてしまう、と。

 しかし、幾ら当局が蛇口を閉めようとしても、地方政府には闇の資金ルートがあるのです。それが、シャドーバンキングと呼ばれるもの。つまり、地方政府が特別目的会社を作って、そこを通じて資金調達をする、と。もちろん、銀行のバランスシートに現れるようなお金ではないお金です。

 では、誰がそのようなお金の出し手になるのか?

 それは、企業でもあり、個人でもある、と。

 例えば、国営企業などは、幾らでも銀行からお金を借りることができるが、現在は経済状況からしてそれほど資金需要もないために、多額の余裕資金を抱えているので、できるだけその資金を有利に運用したいと考え、銀行をダミーとして利用し、高い利回りでお金を運用することを考える。そしてまた、規制金利のために極めて安い預金金利しか受け取ることのできない個人が、高金利を謳い文句にする理財商品を購入し、そうして調達された資金が地方政府に回るのです。

 そうして調達される資金は、正規の銀行の融資ではないので、当然ながら金利は高い。しかし、その資金は、不動産投資に回されるので、多少金利は高くても大丈夫だと地方政府は考える。

 でも、本当に地方政府はいつまでも高い金利を支払い続けることができるのか?そして、中国では、株価は下落したものの、何故不動産価格は上がり続けるのか?

 早い話、不動産投資への資金の流れを当局が放任しているからに他ならないのです。資金が回り続けるので、取り敢えず不動産の暴落はあり得ない、と。

 では、いつまでも不動産価格は上がり続けるのか?幾ら中国当局でも、そのようなことが続く筈がないことは十分承知しているのです。そして、だからこそバブルに対する警戒も並大抵ではないのです。

 では、そうして不動産開発にお金が流れる仕組みを支えているシャドーバンキングを当局は今後取り締まるつもりなのか? そう言えば、先日、中国人民銀行の幹部は、「悪い子どもは罰する」とも言っていた訳ですから。

  しかし、中国当局が、不動産開発への資金の流れをいっぺんに止めてしまうようなことなど考えられないのです。そのようなことをすれば、それこそ不動産バブルがいっぺんに弾けてしまうからなのです。ただ、その一方で、これまでのように甘い態度を取り続ける訳にもいかない。では、どうするのか?

 米国の公共ラジオ放送が報じていましたが、中国政府は、今までとは考え方が違うというシグナルを送ったのだろう、というのです。どういうことかと言えば、今回は、敢て短期金利が上昇するのを一時的に放置して、シャドーバンキングの関係者に警告をしたのだ、と。今までのように政府が介入して、いつまでも必要な資金を供給してくれると思うな、と。

 しかし、中国当局は、そのようなシグナルを発しながらも、その後、必要な資金を供給して短期金利を低下させたのです。中国政府は、短期金利が上昇すれば、必要な資金を確保できなくなり、そうなればデフォルトするしかないのだぞ、と脅かしをかけることによって、不動産開発から少しずつ手を引けと言っているのでしょう。

 理財商品の償還期は四半期ごとに集中すると言いますので、今度は9月中旬以降にまた、短期金利が上昇する可能性があると思っていた方がいいでしょう。そして、その時に、当局がどのように応じるのか? 

 また、似たようなことが起きる可能性が高いでしょう。そして、地方政府も多分同じようなことを考えるでしょう。しかし、だからなかなかシャドーバンキングを縮小させることはできないのです。

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