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当面する重要政治課題

「重要政治課題」を発表する山口那津男代表ら=27日 党本部
「重要政治課題」を発表する山口那津男代表(中)ら=27日 党本部

公明党が27日に発表した「当面する重要政治課題」の全文を紹介します。

1、税制改革と一体で「安心の社会保障」を

将来まで安心できる暮らし。それを支えるのは社会保障の安定と機能強化です。そのために昨年、自民・公明・民主の3党は「社会保障と税の一体改革」実行で合意しました。社会保障の安定した財源を確保するために、経済状況の好転を確認の上で、2014年4月に消費税率が8%に、15年10月に10%に引き上げられる予定です。

公明党はすでに一体改革で、当面の年金改革や子ども・子育て支援に成果を得ました。引き続き、年金・医療・介護・子育て支援等の充実に取り組み続けます。

自動車、住宅取得など、税負担の軽減を

諸外国と比べても過重な負担増となる自動車関連の税制について、公明党は消費税率の引き上げに伴って、簡素化、負担軽減、グリーン化の観点から抜本的に改めます。自動車取得税は、消費税率8%時点から引き下げ、10%時点で廃止します。さらにエコカー減税を拡充するとともに、自動車重量税、自動車税も廃止、統合を含め根本から見直します。

住宅を取得する時の消費税の負担も過重になることから、住宅ローン減税は延長・拡充が行われます。それに加えて減税の恩恵を十分に受けられない所得層への給付措置等についても、確実に実行します。また、東日本大震災被災地の住宅再建に支障がないよう被災地特例を設けます。

庶民の暮らしに「軽減税率」を

消費税率の引き上げは、国民の暮らし、特に中堅・低所得者層の生活に大きく影響します。そのため、消費税率8%引き上げ段階で、簡素な給付措置を実行します。さらに10%引き上げ段階で、食料品などへの「軽減税率」導入をめざします。負担軽減のために現在、与党軽減税率制度調査委員会で、軽減税率を適用する対象、財源の確保、事業者等の事務負担などの制度設計について、鋭意検討を進めています。その際、中小・小規模事業者に過大な事務負担が生じないよう配慮します。

さらに、消費税率の引き上げに際しては、特に大規模小売事業者に納入する企業や、中小・小規模事業者への配慮が大切です。増税分を十分に価格転嫁できないのではないかという不安も根強くあります。公明党は、「消費税転嫁対策特措法」や政府のガイドラインに基づき、厳正に監視、取り締まりを行うこと、また総額表示義務制度の特例制度を設けるなど、円滑な価格転嫁に向けた環境整備をさらに推し進めます。

2、原発に依存しない社会・原発ゼロへ

原発の新規着工を認めず、原発の40年運転制限制を厳格に適用します。新しいエネルギー社会を創造しつつ、原発への依存度を段階的に減らし、可能な限り速やかに“原発に依存しない社会・原発ゼロ”をめざします。自民党との政権合意では、省エネルギー・再生可能エネルギー等により、可能な限り原発依存度を減らすことで一致しています。

再稼働については、40年運転制限制、バックフィット(最新の知見を適用)、活断層等の徹底調査をはじめとする厳しい規制の下で、原子力規制委員会が新たに策定した厳格な規制基準を満たすことを大前提に、国民、住民の理解を得て判断します。

また、使用済み核燃料の再処理は、直接処分への転換を含め、立地地域に配慮しつつ、見直しを検討します。併せて最終処分問題についても責任を持って解決の道を検討していきます。高速増殖炉もんじゅは廃止します。

3、TPP交渉で国益の最大化を

政府は、日米首脳会談の「共同声明」で「聖域なき関税撤廃ではない」と確認しました。これを前提にTPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉参加を表明しました。その後、参加11カ国すべてが日本の交渉参加を了承したことで、7月下旬に日本は交渉会合に参加する見通しです。

TPPに参加すれば、日本製品の輸出増が期待されます。さらに消費者の立場からは輸入品が安く手に入るなどの経済的効果があります。地域の中での貿易ルールを統一していくことで、日本が競争できる分野をさらに強くしていける意義があります。

一方、TPPは包括的な経済連携協定であり、貿易や農業に加え、医療・食品安全など広く国民生活に影響を及ぼします。今後のTPP交渉に際しては、わが国農業の多面的機能、食料自給率の向上に深く配慮することが必要です。コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物等の重要品目については関税撤廃から除外、または再協議の対象となるよう政府に求めるとともに、国民生活に直結する国民皆保険制度や食品の安全基準についても守り抜きます。

政府にはTPP交渉に関して、積極的な情報開示を行い、国民的な議論を経てコンセンサス(合意)をつくることを求めます。守るべきものを守り、勝ち取るべきものを勝ち取るとの姿勢で臨み、国益の最大化に努めることを求めます。

さらに、アジア太平洋地域での新しい貿易ルールの確立を図ることも大きな課題です。TPP交渉だけでなく、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現に向けて、日中韓FTA(自由貿易協定)や、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などを同時並行で進めていくことをめざします。

4、領土主権に毅然と対応、平和的な解決を

近隣諸国がわが国の主権を脅かす行為が続いています。領土と主権をめぐっては毅然とした対応を貫くとともに冷静な対話を通じた戦略的外交を進め、平和的な解決をめざします。また、わが国の立場の正当性を主張するため、全世界に向けた効果的な情報発信の強化が必要です。

尖閣諸島は、日本が今日まで有効に支配を続けていて、日中間に領土問題は存在しません。同海域保全のための海上保安庁の人員増や、装備の強化・充実など、尖閣諸島に対する有効な支配を強化する必要があります。

竹島は、歴史的にも国際法上もわが国の固有の領土であり、このことをあらゆる手段を講じて強く国際世論に訴えます。そして国際法にのっとり、冷静に平和的な解決をめざします。

北方領土については、東京宣言(1993年)に基づき、四島帰属の問題を解決し早期に平和条約を締結するという従来の方針を維持し、交渉を加速化させるべきです。

5、もっと民意を。選挙制度改革の実現へ

国会議員の定数削減、選挙制度の抜本改革を早期に実現します。特に選挙制度については、より民意を反映できる制度に改めるべきと考えます。

衆議院については、小選挙区を「0増5減」する緊急是正法が成立しています。これは、前々回の衆院総選挙に対し2011年3月に最高裁が「違憲状態」判決を下した「1票の格差」を是正するものです。昨年末の臨時国会で自公民3党をはじめ、みんなの党、維新の会などほとんどの政党が賛成して成立しました。

さらに昨年12月に行われた衆院選についても各地の高裁で「違憲」判決が相次ぎました。今後さらに最高裁判決も予定されています。「0増5減」は「1票の投票価値の平等」を確保し、最大格差を2倍以内に収める憲法上の要請です。これを受けて「0増5減」の区割り改定法を成立させ、違憲状態を解消しました。

また、定数削減についても、昨年の解散前の自民、公明、民主の3党合意があります。自民党と公明党は、比例定数180を30削減して、残り150のうち60を得票率が第2位以下の政党に配分することで、比例定数を削減する一方、この配分によって民意の反映機能の強化に配慮する案をまとめました。

しかしながら、先の国会(第183通常国会)における与野党協議では、定数削減と選挙制度の改革については合意が得られませんでした。公明党としては引き続き、定数削減と選挙制度の抜本改革に取り組んでまいります。

参議院については、昨年の解散前に選挙区定数を「4増4減」とすること。次々回の参院選までに選挙制度の抜本改革を行うことを附則に明記した法律を成立させました。さらに、公明党は、現行の都道府県選挙区と全国比例区を廃止し、全国を11程度のブロックに分けた大選挙区記名投票方式への改革を提案しています。

公明党は、衆参両院の役割の違いを踏まえた上で、選挙制度もその役割に応じて考えながら、今後とも引き続き、両院で並行して議論していきます。

6、「加憲」で憲法の発展を

憲法については、昨年12月の自民党との連立政権の発足に当たって、「(衆参各院の)憲法審査会の審議を促進し、憲法改正に向けた国民的な議論を深める」ことで合意されており、国会で着実に審議を重ねるとともに、国民的な議論を深めていくことが最も重要であると考えます。

基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義。この3原則は、日本国憲法の骨格をなす優れた人類普遍の原理です。公明党は、日本国憲法がわが国の今日の発展を築く上で大きな役割を果たしてきたと認識しています。時代に合わせて憲法を発展させるに当たっては、この3原則を堅持しつつ、新たに必要とされる理念・条文を現行憲法に加える「加憲」が最も現実的で妥当な方式と考えます。「加憲」論議の対象としては、例えば、環境権など新しい人権、地方自治の拡充などが挙げられます。

憲法第9条については、戦争の放棄を定めた第1項、戦力の不保持等を定めた第2項を堅持した上で、自衛のための必要最小限度の実力組織としての自衛隊の存在の明記や、「平和主義の理念」を体現した国際貢献の在り方について、「加憲」の論議の対象として慎重に検討していきます。

憲法第96条に定められている憲法改正の手続については、改正の内容とともに議論するのがふさわしいと考えます。公明党は、近代憲法が個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限するという立憲主義に基づくことを踏まえ、通常の法律の制定と比べて、より厳格な改正手続を備えた“硬性憲法”の性格を維持すべきであると考えます。

憲法は、基本的人権を守るものであるとともに、それを根本として国の形を規定する最高規範です。公明党は、あるべき国の将来像を探る未来志向の視点に立って、真摯かつ丁寧に落ちついた憲法議論を行っていきます。

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