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女性の「生理」をより楽しく快適なものにするサブスクリプション型eコマース「The Period Store」

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当ブログでは過去に、男性の生活必需品である「髭剃り」「下着」「コンドーム」などのサブスクリプションサービスを提供する「Manpacks」の事例を取り上げた。このECサイトは、「小さな買物に時間と労力を使いたくない」という男性の潜在的ニーズに応えることで成功した。

そこで今回は、とある女性の生活必需品のサブスクリプションサービスを提供する「The Period Store」をご紹介したい。その生活必需品とは、生理用品だ。女性の生理用品が、チョコレート、紅茶のティーバッグ、ポストカードサイズのアート、痛み止めの薬といっしょに毎月自宅に届くサービスとなっている。

「毎月いちいち人目を忍ぶように生理用品を購入したくない」という女性の潜在的ニーズに応えるとともに、さらに一歩進んで、女性が毎月対処しなくてはならない生理というイベントを、より楽しく快適なものに変えようとしているのだ。

「生理」をもっとオープンなものに

The Period Storeの創業者は、Ashley Seil Smith(以下スミス)氏と、その夫のNate Smith氏、スミス氏の友人Rubi Jones氏の3人だ。スミス氏はテキサスで育ち、インドで人類学を学んだのち、現在はニューヨークに住んでいる。

世界中いろいろな場所を訪れるなかで彼女が気付いたことは、女性の「生理」へのアプローチは人によってさまざまだということ。そして世の中には、生理に関してどのような製品や療法が存在するのかということを正しく体系的に学べるような場所がどこにもないと感じた。だったら、自分でつくろうと思ったのだ。

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スミス氏がもともと描いていた構想は、「生理」をテーマにしたミュージアム形式の実店舗をつくることだった。世界中の生理用品がそろっていて、チョコレートや電気座布団まで置いてあって、かわいい子犬がいて、生理中のイライラを大声を出して発散できる専用ルームがついていて......と、そのようなイメージをふくらませていたとのこと。

しかし、彼女が夫と友人とアイデアを練った末、実店舗よりもオンラインプラットフォームの方がビジネスを始めやすいうえ、よりたくさんの女性にアプローチすることができるという結論に至った。そこで生まれたのが、このサブスクリプションサービスだ。

「もう2013年だっていうのに、生理について話をすることはいまだに少しタブーのような風潮があるの。だから、The Period Storeのように女性たちが生理について安心して話ができるような場所があることは、とても素晴らしいことなのよ」(スミス氏)

The Period Storeのしくみとは?

ではここで、The Period Storeのサブスクリプションサービスをご紹介しよう。

まずユーザーは、「Treats」「Light」「Medium」「Heavy」の4種類のサブスクリプションプランの中から自分に合ったものを選択することができる。

月額15ドル(約1500円)の「Treats」プランには、チョコレート、紅茶のティーバッグ、ポストカードサイズのアート、痛み止めの薬が入っており、生理用品は含まれていない。月額20ドル(約2000円)の「Light」プランは上記+生理用品1種類、月額25ドル(約2500円)の「Medium」プランは上記+生理用品2種類、月額30ドル(約3000円)の「Heavy」プランは、上記+生理用品3種類となっている。

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生理用品の品揃えは幅広く、世界中から約20種類のブランドの製品が用意されている。毎月同じ製品を届けてもらうこともできるが、時には違う製品を試してみたり、普段は1種類のところを今月は2種類届けてもらったりということもできるようになっている。

サブスクリプションプランと製品を選んだら、あとは生理に関する自分の情報を登録するのみ。普段のサイクル、次の予定日、食品アレルギーなどを登録したら、あとは自宅で待っていれば、次の予定日にあわせて最初のパッケージが届くようになっている。

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女性にとって非常に便利なサービスのようだが、スミス氏の狙いは単純に「サニタリー業界にeコマース/サブスクリプションモデルの利便性を導入する」ことだけではない。当初ミュージアム形式の実店舗で実現したいと願っていたように、「世界中の女性たちが幅広い種類の製品にアクセスできる『窓』のような存在になる」ことも含まれている。

そのため、The Period Storeの取り扱い製品は、米国のドラッグストアならどこでも置いているような有名ブランドから韓国の人気ブランドまで国際色豊か。具体的な製品カテゴリーを見ても、一般的によく使われるナプキンやタンポンといったものだけでなく、エコフレンドリーな布ナプキン、シリコンカップ、海綿スポンジなど、男の僕には耳慣れないものまで並んでいる。

「いずれは海外の国際団体とパートナーを組んで、生理用品が入手できないような場所に住んでいる女性にも私たちの製品を届けたいと思っているの」(スミス氏)

また、世の女性たちに生理についての正しい知識を身につけてもらうため、公式ブログでは積極的に女性に役立ついろいろな情報を発信している。

今後の目標は?

スミス氏は、The Period Storeの今後の目標として次のようなものを挙げている。

  • 世界中に存在するすべての生理用品を、サブスクリプションサービスの製品ラインナップに加えること
  • 米国の女性がどのように生理と向き合っているのかを調査し、それをビデオにまとめること
  • 医師、健康コーチ、フィットネスインストラクターなどに対して、生理についてインタビューを行うこと
  • 「生理」をテーマにしたアート展示会を開催すること
  • いずれは、当初の構想どおり、ミュージアム形式の実店舗をニューヨークシティでオープンすること
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彼女は、The Period Storeの価値について、次のように語っている。

「女性なら誰もが『生理』と付き合ってかなきゃならないけど、これまでこういったテーマはとっても個人的なものだったわ。生理が始まったら、1人でトイレに駆け込んで、1人で対処して......っていう風にね。でも、The Period Storeのパッケージを受け取ると、生理と向き合っているのは自分だけじゃないんだって実感できるのよ。私たちのサービスは、すべての女性の間に一体感を生み出しているの

僕は男性だからなんとも言えないが、こういったテーマをここまでオープンかつポジティブに取り扱っているビジネスがこれまでにあっただろうか。女性にとっても斬新でうれしいサービス、ということは容易に想像できる。やはり「人をハッピーにする」ビジネスは強いようだ。まだまだ新しいサービスだが、今後の成長に期待したい。

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