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ハンモックで社会貢献をしながらリラックス「Yellow Leaf Hammocks」

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ハンモックと言うと、あなたはどんな光景を思い浮かべるだろうか? あたたかい季節、リゾートや屋外での使用が一般的だと思うかも知れない。

2011年にJoe Demin氏がオープンしたYellow Leaf Hammocksは、そうした限定的な環境での使用が多かったハンモックを、季節や場所を問わない商品にしようと提案したことで注目を集めているECサイトだ。

同サイトで販売しているハンモックはフェアトレード(発展途上国で作られたアイテムを適正な価格で取引し、彼らが自分たちの力で自立できるサポートをする仕組みのこと)アイテムとなっており、タイの山岳少数民族の自立支援、そして環境に貢献している。

以下では、そんな季節アイテムを扱うYellow Leaf Hammocksのアイデアを見てみよう。

ハンモックとの運命的な出会い

2010年、米国ボストンからタイの友人を訪ねて3週間の旅に出たJoe Demin(以下デーミン)氏は、ランター島で鮮やかな色の手織りのハンモックに出会った。

そのハンモックは母親が子供を抱くように彼をすっぽりと包み込み、寝心地はまるで自分のベッドで手足を伸ばして寝ているかのようだったという。このハンモックにすっかり魅了された彼は、ぜひボストンの自宅へ持ち帰りたいと考えた。

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デーミン氏は店員に質問を重ね、ハンモックの作り手がタイの山岳少数民族ムラブリ族であることを知った。そこで予定を変更して600マイル離れたムラブリ族を訪ね、彼らの現状を目の当たりにして愕然とする。

「黄色い葉の精霊」とも呼ばれるムラブリ族は本来、ジャングルの中を移動しながら生活していた狩猟民族だ。それが森林伐採などによる環境の変化の結果、集落を作っての定住生活を余儀なくされていた。その上マラリアの流行などによって300人に激減してしまっていたのである。

彼らは近隣の村で農作業するなどして生計を立てていたが、稼ぎはタイの平均収入の2割にも満たない1日1USドル(約100円)ほどだった。市民権も認められておらず、ほぼ奴隷のような生活を強いられていた。ハンモックを作ってはいるものの雨季になると売上が激減し、生活は困窮を極めていたという。

この現状をなんとかしなければと感じた彼は、当時の仕事を辞めてこのハンモックを販売することを決意する。タイから米国へ帰国の飛行機の中で座席においてあるエチケット袋の裏に走り書きしたものが、Yellow Leaf Hammocksの最初のビジネスプランとなった。

季節アイテムからオールシーズンアイテムへ

ここでYellow Leaf Hammocksが手がけるハンモックの特徴を見てみよう。同社の販売する手織りのハンモックには、キングサイズ、クイーンサイズ、シッティングハンモックの3タイプが用意されている。

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それぞれ8種類のデザインのハンモックがあり、スイスのテキスタイルデザイナーの協力を得てデザインされたハンモックはどれもモダンで洗練されたデザインだ。また、強度・耐久性にも優れている。

Yellow Leaf Hammocksは、自分たちが販売しているハンモックについて、これまでの使い方以外に、ソファ用途での屋内使用を奨励している。

中でも「シッティングハンモック」は、横幅約1.5メートルで部屋の中にも十分設置可能なサイズだ。もちろん屋外での使用も可能で、季節や場所を問わない使用ができるとのこと。

また、ハンモックを吊るす場所がないという人のために、2012年春からハンモックスタンドの販売も行っている。これは、一般の人達が興味を持ったプロジェクトに投資を行うKICKSTARTERを通じて資金が集められたものだ。

自分だけのハンモックをカスタマイズ

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同サイトでは、よりオリジナリティの高いハンモックが欲しいという人に向けて、色をカスタマイズできるカスタマイズハンモックも販売している。

ひとつは、3つのシンプルステップで手軽にカスタマイズできるハンモックだ。用意されている色は全部で14色。

あらかじめ決められた6つのパターンから好みのパターンを選び、1色から3色の変更を行う。

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もうひとつは、自分でハンモックをデザインできるCUSTOM HAMMOCK DESIGN-O-MATICだ。

ハンモックは身体を横たえる「ベッド部分」、ベッド部分の両側を支える「アーム部分」、ハンモックを結びつけたり吊るしたりする「アイ部分」の3つのパーツに分かれているが、CUSTOM HAMMOCK DESIGN-O-MATICでは、ベッド部分、アーム部分をさらに7分割している。

アーム部分とアイ部分は左右それぞれ違う色を選ぶことができ、選べる色は全部で18色とさらに種類も豊富だ。デザインの方法は、プルダウンでそれぞれの部分の色を選ぶだけのシンプルなもので、誰でも簡単にオリジナルのハンモックをオーダーすることができる。

フェアトレードとして

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2012年12月より、Yellow Leaf Hammocksはマイクロファイナンス(貧しい人々に小口の融資や貯蓄などを提供し、自立や貧困の脱出の手助けをする金融サービス)を行なっているNPO機関Kivaの融資を受けている。

同サイトがスタートして以来、ムラブリ族の生活は向上しつつある。収入も以前に比べて650%増加し、短大卒の教師と同程度の収入となった。ハンモックづくり1週間の収入はこれまでの過酷な労働の1ヶ月分の収入となっており、子供たちの就学率も増加している。

現在100名いるハンモック職人のうち6割は定期的に仕事を受け、残りの4割は狩猟や農業などとの兼業となっているという。少しずつではあるが、焼畑農業や森林破壊を行う仕事への出稼ぎの必要も減ってきており、環境破壊への抑止にも役立っているという。

Yellow Leaf Hammocksの公式サイトではムラブリ族のハンモック職人の写真と彼らの生活がハンモックを作ることによってどのように変化したかをコメント付きで紹介している。フェアトレード商品を販売しているECサイトは多くあるが、作り手の顔が見え、また彼らのストーリーが分かることで、より親近感がわくのではないだろうか。

Yellow Leaf Hammocksを買う理由

「夏に屋外でしか使わない」という固定観念の強かったハンモックの屋内使用を提案することにより、オールシーズン使えるアイテムへと生まれ変わらせたYellow Leaf Hammocks、最後に彼らのブランドとしての強みを考えてみよう。 ブランドの強みとはすなわち買う理由になる。ぜひ自身のブランドづくり、ECサイト作りにも役立ててほしい。

  1. カスタマイズ性
    Yellow Leaf Hammocksそのもの自体の魅力は自分の好きなハンモックを購入できる、カスタマイズ性があげられるだろう。好みのオーダーに細かく応えてくれ、しかもそれが手作りだという事実は、良い物を求める消費者層に響くだろう。
  2. ストーリーのあるブランドであること
    ハンモックを売っているお店は多い。こまかいカスタマイズを望まないなら、なおのことだ。しかし、それでもYellow Leaf Hammocksで買う理由がある。それはこのハンモックが少数民族による伝統工芸品でもあり、そこには多くのストーリーがあるということだ。このストーリーを知り、共感してしまった顧客はYellow Leaf Hammocksを選ぶしかない。
  3. 買う事自体が誰かの役に立つこと
    これは最近のeコマースサイトで多く見られるようになってきたことだが、購入すること自体が社会貢献になるという付加価値は、実際に顧客が動くようだ。eコマースから話はそれるが、ボルヴィックの「1L for 10L プログラム」という企画をご存知だろうか。ボルヴィックが1リットル売れるたびに、アフリカに10リットルの清潔な飲料水を提供するという企画なのだが、関わっていた知人に聞いたところ、この企画の反響は大変大きく、実際の売上にも大きく貢献しているということだ。

しかしハンモックは不思議なアイテムだ。あると絶対に一度はくるまれたくなるのは僕だけだろうか。
自宅ではなかなか設置場所に苦労するアイテムだが、あなたがオフィスをもっているなら、社員の休憩スペースにひとつどうだろう? 僕もただいま検討中だ(笑)。

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