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- 2013年06月24日 11:19
きゃりーぱみゅぱみゅとサカナクションと「自分らしさ」の魔法
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NHKで放映された番組「きゃりーぱみゅぱみゅセンセーション!~世界が興奮・ワールドツアー密着ドキュメント~」内で、きゃりーの曲でフラッシュモブをしようと集まったニューヨークのファンのグループに取材していた。そこでファンの人が語っていたことが、すごく印象的だった。
“インベーダーインベーダー”の「そんなに言うなら おっしゃ Let’s世界征服」という一節は、そういう憧れを引き受ける意思を象徴しているように思うのだ。
ちなみに、2ndアルバム『なんだこれくしょん』の裏テーマは「日本」だとか。
http://natalie.mu/music/pp/kyarypamyupamyu06
「クール・ジャパン」という言葉はいまや手垢まみれだからあんまり使いたくないけれど、いまや日本の最先端カルチャーの象徴の一人でもあるきゃりーぱみゅぱみゅは、NYのファンにとっては、物珍しさやポップアイコンとしての魅力だけじゃなく、ちゃんとその存在が象徴するメッセージが伝わっていた。そのことはすごく大きなことなんじゃないかと思う。
で、実は、ここまでつらつら書いてきたようなことを掘り下げて考えるきっかけになったのは、「100%KPP WORLD TOUR 2013」の帰り道に呟いた、このツイートがきっかけだった。
“アイデンティティ”
“ミュージック”
対象的なのが、「服」とか「装う」ということへの捉え方。
“アイデンティティ”は〈好きな服はなんですか?〉と始まり、〈そんな物差しを持ち合わせてる僕は凡人だ〉と歌う曲。“ミュージック”でも〈濡れたままの髪で僕は眠りたい 脱ぎ捨てられた服〉という歌詞がある。「服」という言葉は、内面にある本当の自分を覆い隠すものの象徴として描かれている。何かを装うことをやめて、深く自分と向き合うことが自分らしさを再獲得するためのキーになる。
「きゃりーは人と違うことを恐れず、自分のスタイルを貫いているから人気があると思います。私はそんなきゃりーに憧れています」こう語っていたのは、フラッシュモブを計画したNY在住の20歳大学生、シャリーファ・フットマンさん。日本カルチャーに憧れ、少女マンガをコレクションしている黒人女性。おそらく普段の生活や友達付き合いにおいては、かなりのマイノリティであることを自覚しているんだと思う。あまり自分の好みを主張する機会もないのだと思う。そういう同世代に、きゃりーの歌が刺さっている。きゃりー自身も、そういう沢山の声を受け止めている。
ファンの方も、みんながみんな派手って訳じゃなくて、おじさんもいるし、すっごい地味な子とかもいて。前にそういう女の子に「私のことを何で知ったんですか?」って直接聞いてみたんですよ。そしたら「きゃりーちゃんは、自分にはできないことをやってくれてるからすごく好きで憧れてる」って言ってたんです。たぶんそういう感じで、おじさんとか、OKとか、サラリーマンとかにも、自分がやってみたいけどできないことを観たいという感覚の人がいると思います『Quick Japan』Vol.107 インタビューより
“インベーダーインベーダー”の「そんなに言うなら おっしゃ Let’s世界征服」という一節は、そういう憧れを引き受ける意思を象徴しているように思うのだ。
ちなみに、2ndアルバム『なんだこれくしょん』の裏テーマは「日本」だとか。
今回、実はアルバムの裏テーマは“日本”なんですよ。「にんじゃりばんばん」だったり「ふりそでーしょん」だったり、日本を大事にしている曲が多いので。1曲目の「なんだこれくしょん」もイントロの和太鼓から入って、冒険に出発!みたいな感じでスタートしてます。ナタリー - [Super Power Push] きゃりーぱみゅぱみゅ「なんだこれくしょん」特集
http://natalie.mu/music/pp/kyarypamyupamyu06
「クール・ジャパン」という言葉はいまや手垢まみれだからあんまり使いたくないけれど、いまや日本の最先端カルチャーの象徴の一人でもあるきゃりーぱみゅぱみゅは、NYのファンにとっては、物珍しさやポップアイコンとしての魅力だけじゃなく、ちゃんとその存在が象徴するメッセージが伝わっていた。そのことはすごく大きなことなんじゃないかと思う。
■サカナクションときゃりーぱみゅぱみゅ
で、実は、ここまでつらつら書いてきたようなことを掘り下げて考えるきっかけになったのは、「100%KPP WORLD TOUR 2013」の帰り道に呟いた、このツイートがきっかけだった。
きゃりーぱみゅぱみゅと同じく、サカナクションも、繰り返し自分らしさについて歌ってきたバンドだ。そういう意味では、同じテーマにアプローチしているアーティストであるとも言える。特にそのことを象徴している曲が「アイデンティティ」。考えたら、きゃりーぱみゅぱみゅの「つけまつける」〜「ファッションモンスター」と、サカナクションの「アイデンティティ」〜「ミュージック」って、同じテーマにまったく真逆の立ち位置からアプローチしてる感じがするな。こんど掘り下げて考えよう。
— 柴那典 (@shiba710) March 25, 2013
“アイデンティティ”
好きな服はなんですか?好きな本は?好きな食べ物は何?最新アルバム『sakanaction』のリードトラックとなった“ミュージック”にも、それに通じるモチーフが見え隠れする。
そう そんな物差しを持ち合わせてる僕は凡人だ
映し鏡 ショーウインドー 隣の人と自分を見比べる
そう それが真っ当と思い込んで生きてた
取りこぼした十代の思い出とかを掘り起こして気づいた
これが純粋な自分らしさと気づいた
“ミュージック”
痛みや傷や嘘に慣れた僕らの言葉はでも、サカナクションときゃりーぱみゅぱみゅは、アイデンティティを再獲得するための方法について、全く真逆の立ち位置からアプローチしている。
疲れた川面 浮かび流れ
君が住む街で
消えた
対象的なのが、「服」とか「装う」ということへの捉え方。
“アイデンティティ”は〈好きな服はなんですか?〉と始まり、〈そんな物差しを持ち合わせてる僕は凡人だ〉と歌う曲。“ミュージック”でも〈濡れたままの髪で僕は眠りたい 脱ぎ捨てられた服〉という歌詞がある。「服」という言葉は、内面にある本当の自分を覆い隠すものの象徴として描かれている。何かを装うことをやめて、深く自分と向き合うことが自分らしさを再獲得するためのキーになる。



