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食べログなどの接客業レビュー、いかに書くか?

先月、札幌市の飲食店経営の男性が、食べログのせいで客が減ったとして運営会社を訴えて話題になりました

また今月には、ネット上の画像素材として1、2の人気を争う川越シェフが、食べログの書き込みについて聞かれ「年収300万円、400万円の人に高級店の味わからない」と発言し、逆にそれが燃料ぱんぱんの巨大タンクローリーとなり炎上に発展してしまった。

川越シェフの舌禍は、収入差別かおいコラとか、出てきた水が800円はねーだろコラとか、その水の代金をこっそり会計に含めるのはどうなんだコラとか、議論が個別具体的な方向へ矮小化していっている感があって、非常に残念であります。

川越シェフの発言や彼の店がどうであろうと、以前食べログをはじめとする接客業レビューは問題含みなわけです。


一般消費者が商品の感想を書く、いわゆる「レビュー」というのは、アマゾンレビューをはじめ今までにもあったわけです。

食べログやGoogleマップ上でつけられるレビューがそれらと何がちがうかというと、接客業であるということ。つまり、商品という物だけでなくお客さんに応対する「生身の人間」も審査されているわけです。

Googleマップ上でお店が評価できるようになったのを知った時、接客業の経験がほんの少しあるだけのぼくからしても「いや、これはしんどいだろ」と思ったものです。

上記の騒動を受けてのこの記事では、元料理人と称するA氏がインタビューに答えてこう言います。

とにかく店側に不利すぎ! チェーン店ならともかく、個人でやってる店ってひとつでも美味しくないとか接客が悪いとか書かれると、それだけですごくマイナスになるんです。


元料理人が『食べログ』にブチギレ「店側に不利すぎる! 店も客を評価できるようにして! 客は年収と職業を公開! 評価するなら店に名前を言うように!」(ロケットニュース24) - 国内 - livedoor ニュース


「ああ、なるほど」と思ったのは、チェーン店と個人経営のお店のちがい。チェーン店なら、どんなに悪い接客を受けても、なんだかんだまた別の店舗を利用してしまうものです。それに対して個人経営のお店だと、悪評はまさにその店そのものの悪評として、ダイレクトに跳ね返ってくる。客の入りに反映されるというのもうなづける話なわけです。

消費者は、元来弱い立場にあると目されてきました。しかし、殊に個人経営のお店に関して言えば、客と店のパワーバランスが著しく変わってきていることが、否めないのです。

いや、じゃあいつも文句の出ない接客をすればいいだけの話じゃないか、といわれる人がいるかもしれませんが、「いつも文句の出ない接客」をすることがどれだけ大変か、わかるでしょうか。

不満ですよ。そもそもどういった客が書いたのかも分からないし、もう謝るしかない。幽霊に謝罪してるような感覚です。(中略)すごい横柄だったり信じられないほど非常識な客が自分を棚に上げて店を一人前に評価されたら、たまったもんじゃないです。

同上


ぼくが「しんどい」と思ったのは、まさにここです。いつ、どこで、どんなお客さんが書き込むかわからない。そんな状況下で接客を続けるっていうのは、しんどいですって。「幽霊」という絶妙な表現をされていますが、まさに、視界のほとんどない濃霧の中で四方八方から殴られているような理不尽さがある。


また、書かれている内容が必ずしも正しいことばかりではない。

接客が悪いと書かれてあった店に恐る恐るいってみると、思いのほかよい対応をしてもらったこともあります。

もしかしたら、接客が悪いというレビューを見た店の人が改善されたのかもしれず、そうならばレビューが掲載された価値があったのかもしれない。けれど、よい接客をするようになってからも、レビューが残り続けるのはやはりおかしいでしょう。

接客業レビューはやはり、問題含みだと思うのです。

ということで、接客業レビューを書くときの注意点を考えてみました。


レビューがなるべく普遍的な内容になるように努める

当たり前と言えば当たり前ですが、いつ来店しても当てはまる内容じゃないと、不公平なわけです。

接客してる人だって人間ですから、虫の居所の悪いときだってあります。それはなるべく隠すべきですが、それでも出てしまう可能性があります。

また客の側、ここではレビューを書く立場の人になりますが、そちらに特殊な状況があった場合も書くべきですね。たとえばベビーカーを押して入店したとか、電動車いすだったとか、そういったレビュアー側の特殊な状況を伏せるのは、少しフェアネスを欠いている。



書くつもりで来店する(来店した後に書きたくなっても書かない)

また、レビューを書くつもりで来店するということも重要だと思います。

というのも、レビューを書くつもりで来店したならば、ある程度は客観的に観察できるからです。

反対に、「あの店はああいうところが良かった/悪かったから書こう」という事後的な感情に任せてレビューを書くのは、実はよくない。というのも、文章を書きなれた人にはわかると思うんですが、文章って、書いているときに空白部分を勝手に補っていっちゃう危険があるんですね。

もしあなたが、書くつもりでなく来店して、そのあとで書こうと思った時、観察していなかった空白部を、良い/悪い印象が補って、良いイメージの店はますます良いイメージに、悪いイメージの店はますます悪いイメージにと、レビューの評価がエスカレートしていってしまうかもしれない。

だから、レビューを書くときは書くと決めた上で、入ったときから「自分はレビュアーである」という意識のもと接客を受けた方がいい。



複数回、あるいは複数人で来店する

これは上二つの補足になるかと思いますが。

CDだって映画だって料理だってみなそうですが、ものの感じ方なんて人それぞれです。

複数人で行って、そのあとであの人の感じ良くなかった?悪くなかった?と話してみると、自分の印象にどのようなバイアスがかかっているか、客観視できるんじゃないでしょうか。

また、接客レビューならではだと思うのは、レビュー対象が生ものということ。生きてる人間ですから、いつも同じサービスが提供されるとは限りません。一度ですべてを判断するのは心もとない。やはり複数回店に足を運んだ方がいいです。



こんなめんどくさいことをいちいち守ってレビューなんて書けないという話かもしれませんが、これぐらいのこともできないなら接客業のレビューなんて書かない方がいい、といいたいですね。

食べログに関して言えば、周知のとおりここ数年くらいでものすごい影響力を持ってしまった。おそらく多くの店の評価は、ここで決められてしまう。図らずも店の「もう一つの看板」になってしまった感はいなめないですよね。そんな場所に書き込むのだから、それくらいの手間をかけてもかけすぎにはならないと、ぼくは思うんですよ。


食べログなんてなくなっちまえ!みたいに、ぼくにも強く言えないんですよ。というのも、飲み会の幹事などを押しつけられたとき、あのようなサービスにこれまでどれだけ救われたか、わからないから。

十分にためになるレビューだっていくらでもあって、問題なのは質の低いほんの一部のレビュアーなんだとおもうわけです。

それならば食べログをなくすより、お店の人も、読んで来店した人も納得がいくようなよりよいレビューが沢山生まれれればいい、そしてそれを書く方法が広まればいいと思うわけですが、どうでしょうか。

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