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ブラジルではW杯より教育、医療を!東京は保育園や保険料値上げより五輪がいいみたい

「我々はW杯はいらない。必要なのは病院と学校のための金だ!」 サッカー王国ブラジルで100万人以上ものデモが起きている。 しかもそのデモがサッカーワールドカップなんかより、 交通機関の値上げ中止、教育、医療サービスの向上をと訴えているのだから驚く。

さて東京では国民健康保険料の納付通知書が届き、 大幅値上げに、区役所などに問い合わせや苦情が殺到しているという。 人によっては年2万円から16万円もの値上げの人もいるらしい。

保険料は収入によって負担額は変わるが、 収入が増えたから保険料が増えたならともかく、 収入が変わらないのに保険料自体が値上がりしているので、 負担感への不満が増えるのは当然だ。

値上げの原因の一つは、石原・猪瀬都政が、 区市町村への国民保健料財政への独自支援額を、 320億円から43億円に減額したことだという。

そういえば五輪招致に失敗した2016年の東京五輪には約150億円もの費用が使われた。 うち東京都の負担は100億円。 100億円が完全な無駄金である。 しかもその費用の使い道があまりにもひどいし、ずさんすぎる。 石原都知事が招致目的で海外出張した経費が、 当初予算の4倍にも膨れ上がっていただとか、 10分間のPR映像制作費に5億円かけたとか無駄金使いたい放題だ。

しかし性懲りもなく都民は石原都政の後釜である猪瀬氏を選び、 2020年の五輪招致活動も行っている。 さすがに石原氏のようなふざけた予算額にはなっていないが、 とはいえ予算は約75億円で、うち東京都が37億円負担することになる。

招致できるかもわからない五輪に、 こんなにも大金無駄金使っているのに、 国民保険料の支援額を減額しているって、 金がないんじゃなくて金の使い方が間違っているとしかいいようがないわけだが、 でもその間違っている政治家を選んだのが都民自身なのだから致し方がない。

ちなみに猪瀬氏は「オリンピックの費用を福祉に回せ、という街頭の声をテレビは入れたがるが、 ありがちな俗論。都の予算査定で福祉予算は初めて1兆円の大台にのせた」 と、かつてツイッターでつぶやいているらしいが、 国民保険料の支援を減らして、都民の国民保険料の値上げって一体どうなってるんですかね。

都が300億円近く国保の支援額を削っているのに、 五輪招致に無駄金使っているって、 普通に考えたら頭おかしいんじゃないかと思うのだが、 それでも五輪というたった一度のお祭り騒ぎがしたいと安易に考える人が多いのだろう。 そういうしわ寄せが回り回って生活の根幹部分にのしかかってくる。

一体、何のための政治ってあるんですかね。 政治っていうのは国民をいじめるためにあるんじゃなく、 国民を幸せにするためにあるんじゃないんですかね。

ブラジルでデモが起きているのは、 別にサッカー自体に反対しているわけではない。 サッカーは好きだ。サッカーも大事だ。 でもサッカーの前に学校や病院に金使うのが先なんじゃないのか。 市内バスの運賃値上げして国民の毎日の生活を困窮させるなら、 スタジアムの建設や改修工事なんかに税金使うなってことで怒っている。 極めて真っ当な国民感覚だと思う。

日本では招致の可能性が極めて低く、 招致できたとしてもまた新たな施設整備費などの負担が莫大にかかり、 一時の経済効果があるかもよくわからない五輪に何十億という無駄金使ってるんなら、 その金で保育園作ったり、国民保険料の値上げ幅を抑えるとか、 まともな金の使い方をしろというデモは起きないんですかね。 まあ五輪招致を旗印にかかげた石原氏や猪瀬氏を選んだのは、 他ならぬ東京都民なのだからデモが起きないのは当然なのかもしれないが。

国民保険料が値上げされている最中、 猪瀬氏が下手な英語と恥ずかしい身振り手振りを交えて、 「万が一、落とし物をしても現金ですら手元に戻ってくる」 なんてとんでもないデマを演説している費用に税金が使われていて、 腹立たしくないんですかね。

トルコのデモでもしかしたら東京に五輪が転がり込んでくるかもしれないが、 開催が決まればまたその費用に莫大な資金を要する。 37の競技会場のうち既存施設は15会場、新設は22会場。 新設のうち11会場は恒久施設、11会場は仮設施設で、 総額4554億円を投じる計画だ。 招致が決まったら決まったで、ケタが違う負担がのしかかる。

開催によってメディアなどが儲かったとしても、都民にそれほどの恩恵があるとは思えない。 そもそも作った施設は五輪が終わった後も、莫大な運営維持費が必要になる。 作るのは簡単だが作った後が大問題だ。

ただ国民健康保険料の制度自体が、 制度疲弊を起こしてうまく機能しなくなっている。 加入者の20%が保険料滞納しているとか、 低収入層の保険料負担感が最も重いとか、 市町村単位でやっているとか、 根本的なところから制度改革をしなければならないのだが、 そんな難しい問題やっているより、五輪招致のお祭り騒ぎの方が楽しいのだろう。

税金の使い方が間違っている。 政治が取り組むべき課題の優先順位が間違っている。 結果、国民の負担は増えても、公的サービスの恩恵は負担に見合わなくなっている。

ブラジルでは「サッカーワールドカップより教育や医療を!」 と100万人以上のデモが起きているが、 東京では「オリンピックより保険料や保育園に金使え!」というデモより、 五輪のメダリストをそろえて招致運動に浮かれる光景の方が多そうだ。

国民一人一人は無力かもしれないけれど、やっぱり選挙って大事だなって思う。 すべてにいい候補者なんていなかったとしても、 「これだけはやってはいけない」という政治家を選んではならない。

ただ政治家選びだけでは限界がある。 民主党のように公約すら守らない政党まで現れるのだから、 もはや間接民主制で政治をよくすることは不可能。 だからネット選挙解禁なんていってないで、ネット政策投票にして、 政策ごとにネットで投票させればいいんです。 五輪に反対か賛成かとか。 そして賛成した人がその費用を頭割りして負担するとか、 国民自身が政策投票した結果責任を負うようにすればいい。

それにしてもブラジルでも日本でも、政治家が税金を無駄に使うがゆえに、 国民に真に必要なところにお金が回らないという構造は変わらないようだ。 税金が足りないんじゃない。 税金の使い方が間違っている。 そういう観点で政治を見たら、消費税増税は仕方がないとか、 国民健康保険料値上げはしょうがないとか思わないはずだけど。

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