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風営法改正論議の進捗

さて、一昨日ダンス議連の方では風営法改正にあたって関係各省庁のヒアリングが行なわれた模様。経産省、文科省、警察庁の三省庁が集められたとのことですが、

経済産業省:経済振興の立場から風営法改正に賛成
文部科学省:文化・教育の観点から風営法改正に賛成
警察庁:治安維持と深夜の静穏維持の観点から風営法改正に反対

というスタンスとなろう事は、これまでの各所の動きを見ていると予想に難くは有りません。ヒアリング自体は議員と役所のみの非公開形式で行なわれたとのことで詳細内容は計り知れないですが、やはり警察庁はこの案件に関しては相当慎重というか何というか…。

実は、同様の動きは私が別途行なっている構造改革特区制度を利用した風営法特区提案に対して、先週、警察庁側から示された一次回答の中ですでに彼等のスタンスの表明が行なわれています。議連で行なわれた意見陳述も基本的に同じ方向の回答であろうと想像します。


要望事項
風営法の規制対象業種に対する営業規制の緩和

求める措置の具体的内容
風営法が第13 条第1 項で定めている「風俗営業者は、午前零時(中略)から日出時までの時間においては、その営業を営んではならない」とする深夜営業の禁止規定を撤廃。

具体的事業の実施内容・提案理由
現在、風営法が第13 条第1 項で定める「風俗営業者は、午前零時(中略)から日出時までの時間においては、その営業を営んではならない」とする深夜営業の禁止規定を撤廃する事により、我が国の夜の娯楽産業の活性化および、規制緩和による新たな投資誘引とその先にある新たな街づくりを目指す。

提案理由
現在、風俗営業種に課された深夜営業の禁止規定は、国民の深夜における消費活動を不要に制限しているのみならず、風俗営業を営む既存事業者にとっては事業運営の収益性を著しく低下させるものとなっている。同時に、本規制は風俗営業種における投資回収率の低下を招いており、同産業への新規参入や設備投資の機会を著しく阻害している。また夜の娯楽産業の活性化は、タクシー業界や観光業界、風俗営業種以外の飲食業界、酒販業界など周辺産業に対して経済波及効果をもたらす。

一方、風俗営業種の深夜営業を禁ずる現在の規制は、国民のライフスタイルの変化によって、その正当性をますます失なっている。近年では、各地方自治体においても「夜の賑わい創出」が観光振興や街づくりの観点から大きな課題となっており、夜の娯楽産業を街の活力として積極的に利用しようとする地域政策も見られる。一部自治体においてはすでに、近年厳格運用と摘発強化が進む風俗行政を鑑みた上、法の見直しを求める請願等が各地方議会にお
いて採択されている。

代替措置
同条第2 項の「政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、風俗営業の営業時間を制限することができる」の規定は残し、地域の事情に合わせて地方自治体が風俗営業種の営業時間規制を弾力的に運用可能なものとする。

警察庁からの提案に対する回答
深夜は、一般的には社会生活を営む人々の静穏を確保すべき時間帯であり、また、昼間と異なり、ともすると規範を逸脱しやすく、社会の中の制御機能も弱くなり、風俗上の問題が拡散しやすい時間帯である。実際に、違法に深夜に営まれている風俗営業に関しては、騒音、酔客のい集や酔客による通行人等とのトラブル、店内外における客同士の傷害事件、未成年者の出入り等の問題が発生している。したがって、風俗営業の深夜営業に関して全国的に適用される一定の規制は引き続き必要である。

なお、風営法第13条第1項は、風俗営業の営業時間について、原則として午前0時までとしつつ、特別な事情のある地域として都道府県条例で定める地域においては午前1時まで、習俗的行事その他の特別な事情がある日として都道府県条例で定める日については地域を限って午前1時以降も営業を営むことができることとしている。

出所: http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/boshu23/20130611/keisatu_k.pdf


警察庁側の基本的な論理展開は、現在の違法深夜営業を取り巻く各種問題を例示しながら、そのようなトラブルが存在する限りは「法改正まかりならん」という論法であります。また、東京都など一部の自治体から上がっている都市機能の24時間化政策や、風営法改正を求める議会要望に対しては「第13条第1項」に定める条例による上書き規定を利用して各地域で対処せよという主張。まぁ、過去に同様の趣旨で行なわれた「六本木ディスコ特区申請」の時には「国民のライフスタイルは未だ24時間化しているとは言えない」という一文でバッサリと切り捨てていたのですが、この点に関しては流石に昨今の自治体の動きを受けて警察庁としても引き下がらざるを得なかったのでしょう。当時と比べて世俗は完全に変化しています。

ただ、風営法第13条第1項の定める地方条例による営業時間の上書き規定は、あくまで「特別な事情のある日」と定められているのみであり、一部の自治体が求めている風俗営業種の通年24時間化がその条項を論拠として実現できるとは思わないのですが。。という事で、上記警察庁からの回答に対して。私側は以下のような意見を本日付で発送いたしました。


警察庁回答に対する提案者の意見

深夜の静穏を確保すべきは自明であり騒音規制法がすでにそれを規制している。貴庁は現行の違法深夜営業における問題を例示し規制の必要性を説くが、それら違法営業が社会規範から外れがちとなるのは自然であり、それをもって規制改革後の遵法営業が同等の問題を生ずるとは言えない。遵法者にとって各問題は同様に望まない事象であり、警察と共に改善にあたれば確実に抑制される。

また一部自治体の法改正要望に対し「条例で定める日については地域を限って午前1時以降も営業を営むことができる」とするが、法はそれを「特別な事情のある日」と定める。貴庁は本条に基づく条例制定で、要望される風俗営業の通年24時間化が実現可能という認識か?



今回の特区提案は、これから数回の意見交換が提案主体(弊社・国際カジノ研究所)と警察庁の間で行なわれた後、最終的な判断が為されます。とりいそぎご報告まで。

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