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景気がいいとか悪いとか

最近、景気がいいってなんなんだろうって今更ながらよく考える。もちろん経済全体とか社会全体としてというのもあるのだけど、それ以上に人間個人や事業をやっている人・労働者の視点から景気がいいとは何を指すのだろうという根源的な問題をよく考える。

景気がいいとは循環的に景気がいいということを指すことが多いだろう。たとえばその国の潜在成長率が2%だとしたら3%という状態は景気がいいに当てはまるはずだ。その場合何が起こるかというと労働市場の需給がひっ迫しダメな労働者でも本来のその労働者の生産性に比してかなり高い給料がもらえる可能性が高い。

また、ダメな企業でも倒産することなしに好業績を打ち出せる可能性は高いだろう。またそういう時は特定の分野でブームが起こっている可能性も高いからその産業に従事する企業や労働者はさらに儲けを拡大するだろう。

だが、もちろんみなさんご存じのとおりそういった好景気は決して長続きせずにいつか終わってしまう。あとに残るのは不景気であり、その段階で能力のない労働者や企業は淘汰される。このような単なるブームと言えるような好景気を誰も喜ばないだろう。そのような好景気を起こすことを政府に望む人はあまりいないはずだ。

もう一方では一国の潜在成長率を引き上げることによって景気を好転させるということがある。この場合はいわゆるブームと違って中身を伴った好景気/経済成長力の上昇なので皆が恩恵を受ける。そしてそれは一過性に終わらない。

だが、このことは決して皆の生活実感がよくなることを意味しない。潜在成長を上げるためには労働者はより長く働くことや企業が生産性を向上させることが求められる。そして絶えず労働者も企業も新しい前進を日々遂げないとそのことはなしえないし継続しない。

これって結構大変なことで、豊かさや金銭的代償はあるだろうけれども、その代わりに失う代償も大きいわけだ。人間の生活は50年前に比べて圧倒的に豊かになっているが幸福感がそれほど増しているかどうかはわからないというのと同じ話である。

日々真剣に仕事に取組み日々一つずつでもいいから改善を積み上げていくとう地道な作業だ。その代わりに豊かな生活があるかもしれないが、仕事のストレスはかなり高くなるだろう。

逆に言うと、我々は日々の生活の豊かさにそれなりに満足しているのでガツガツとさらに世の中をよくしよう・さらに豊かになろうとしてない。そのこと自体が経済が停滞する大きな要因だろう。でもそうであるならば実は今の経済の停滞は我々が選んだ道なのかもしれない。

要は豊かになるということはそんなに簡単なことじゃないということだ。そして経済的にさらに豊かになることが我々を幸せにするかはわからない。そんな中で、まっとうな国の成長力を上げるためには我々はさらにストレスのある生活を送らなければいけないかもしれない。豊かになるっていうことはそんなに簡単じゃないわけで、それを金融緩和をすればとか政府の政策がよければとか大企業が賃金を上げればとかそんな簡単に生活がよくなることがないことはまともな人間なら小難しい経済の理屈を知らなくてもちょっと考えればわかるはずだ。

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